【企業の本音】ダイナミックプライシングは、あなたから“搾取”するための、ただの“合法的なぼったくり”です。

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【この記事はこんな方に向けて書いています】

  • ホテルや航空券の値段が、見るたびに変わることに不満や不信感を抱いている方
  • 「需要に応じて価格が変わる」という理屈に、どこか納得がいっていない方
  • 企業の価格戦略の裏側と、それが私たち消費者に与える本当の影響を知りたい方
  • これからの社会で、賢い消費者であり続けたいと願うすべての方

ホテルの宿泊費、飛行機のチケット、テーマパークの入場券、そして最近では、JRの新幹線の運賃まで…。 私たちの周りは、気づけば「ダイナミックプライシング(価格変動制)」だらけになりました。

企業は、口を揃えてこう言います。 「需要と供給のバランスを最適化し、混雑を緩和するためです」 「閑散期にお安くご利用いただける、お客様にとってもメリットのある仕組みですよ」と。

…本当でしょうか? 今日は、はっきり言わせていただきます。そんなものは、企業があなたから1円でも多くのお金を“合法的”に搾り取るための、巧妙な言い訳に過ぎません。 ダイナミックプライシングという、その美しい仮面の裏に隠された「ぼったくり」のカラクリ。その不都合な真実を、今から徹底的に暴いていきます。

「公平な価格」という幻想。生み出されるのは“情報弱者”からの搾取

ダイナミックプライシングは、「需要が高い時は高く、低い時は安くなる、公平な仕組みだ」…これは、企業側が作り出した、あまりにも都合の良いプロパガンダです。

現実は、どうでしょう。 価格の変動を、一日中PCに張り付いてチェックできる時間的余裕のある人や、価格比較サイトを使いこなすITリテラシーの高い人だけが、「安い時」の恩恵を受けられる。 その一方で、毎日忙しく働き、そんな情報を追いかける暇のない人や、ITが苦手な高齢者などは、知らぬ間に「一番高い価格」を掴まされている。

これは、新たな「情報格差」に基づいた、現代の身分制度と言っても過言ではありません。 例えば、土日しか休めない子育て世代の家族にとって、平日の昼間にだけ安くなるテーマパークのチケットは、実質的な「大幅値上げ」でしかありません。 これは、決して「公平」などではない。特定の条件下にいる、声の上げにくい人々から、静かに、そして確実に富を吸い上げるための、極めて狡猾な“搾取”の構造なのです。

「計画」を奪われ、「信頼」を失う。消費者が払う本当のコスト

価格が常に、そして不規則に変動することで、私たちは、お金以上の大切なものを失っています。 それは、「生活の計画性」と、企業に対する「信頼」です。

来月の家族旅行の計画を立てたいのに、新幹線やホテルの料金が、来週にはいくらに跳ね上がっているか分からない。これでは、安心して予算を組むことすらできません。 私たちは、常に企業の価格設定に振り回され、「いつ予約するのが一番得なのか」という、本来払う必要のない、余計な精神的コスト(サーフィンコスト)を支払わされているのです。

そして、最も大きな損失は、企業への「信頼」が失われること。 「あの会社は、こちらの足元を見て値段を吊り上げてくる」 「定価というものが存在しないから、安心して買い物ができない」 このような不信感が一度芽生えてしまえば、顧客の心は静かに、しかし確実に離れていきます。「いつでも、誰にでも、同じ価格で提供する」という、古き良き「定価」制度は、企業と消費者の間にあった、暗黙の“信頼の契約”でした。ダイナミックプライシングは、企業自らが、その大切な契約を破り捨てている行為に他なりません。

企業の“怠慢”を、消費者に転嫁するな

そもそも、精度の高い需要予測を行い、それに基づいて適切な生産計画や在庫管理、人員配置を行うのは、企業が本来、知恵を絞って行うべき「経営努力」のはずです。

ダイナミックプライシングとは、その最も重要な経営努力を放棄し、「需要予測の失敗のリスク」や「機会損失のリスク」を、全て消費者に“価格”という形で転嫁しているだけの、極めて怠慢な仕組みではないでしょうか。

需要を読み違えてガラガラになった航空便の損失を、需要の高いお盆の便の運賃を法外に吊り上げることで補填する。これは、企業の失敗のツケを、消費者が払わされているのと同じ構図です。 本当に顧客のことを思うなら、安易に価格をいじる前に、閑散期に人を呼ぶための魅力的なイベントを企画するなど、やるべきことがあるはずです。

ダイナミックプライシングは、「需要と供給の最適化」という、美しい仮面をかぶった、企業側の利益を最大化するための“搾取システム”です。

それは、私たち消費者に、価格への不信感と、計画の立てにくさという新たな負担を強いる一方で、企業の経営努力の放棄を助長させる、危険な劇薬でもあります。

私たち消費者は、この「合法的なぼったくり」に対抗するために、もっと賢く、そして厳しくなる必要があります。 「価格が変動するのは当たり前」という、企業が作り出した空気に流されないでください。 その価格は、本当に公正なものなのか。その裏側で、誰かが不当に利益を得て、誰かが不当に損をしていないか。自分の頭で考えることを、決してやめてはいけないのです。

不公平

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