年収700万は“罰ゲーム”か？手取りが伸びない「搾取の壁」と、それでも勝ち組でいられる残酷な真実

年収700万円。この数字を聞いて、多くの人が「勝ち組」や「エリート」といった華やかなイメージを思い浮かべるでしょう。かつてのあなたも、そうだったはずです。しかし、いざその領域に足を踏み入れてみると、どうでしょう。「思ったより生活が楽にならない」「むしろ、税金の負担ばかりが重くのしかかる」そんな理不尽な感覚に襲われていませんか。

その感覚、間違いではありません。残念ながら、今の日本において年収700万円というステージは、国からの手厚い保護を剥ぎ取られ、容赦ない負担増を強いられる「搾取の入り口」なのです。甘美な響きとは裏腹に、そこには「罰ゲーム」とすら思えるような現実が待ち構えています。

しかし、嘆くのはまだ早い。この記事では、あなたが感じている不満や怒りの正体を、データと共に冷徹に解き明かします。そして、その残酷な現実を知った上で、あなたが依然として「勝ち組」であり、この搾取構造の中でいかに賢く、力強く生き抜くべきか、その唯一の戦略を断定的に示します。気休めの言葉は一切ありません。厳しい真実の先にしか、本当の安心はないのですから。

ようこそ搾取の世界へ。年収700万、これがあなたの「手取り」だ

まず、残酷な現実から突きつけましょう。年収700万円、月収にすれば約58万円。しかし、あなたの給与明細にその金額が満額振り込まれることは、決してありません。

結論から言います。独身、または扶養家族のいない共働き世帯の場合、年収700万円の手取り額は、良くて約540万円。ボーナスの比率にもよりますが、おおよそ530万～560万円の間に収まります。

160万円以上のお金が、あなたの手元に届く前に消えているのです。どこへ消えたのか？言うまでもありません。所得税、住民税、そして社会保険料（健康保険、厚生年金、雇用保険）です。

特に意識してほしいのが、社会保険料の存在です。これは、あなたが病気や怪我をした時、老後を迎えた時のための「保険」という名目ですが、実態は強制的に徴収される税金と何ら変わりません。そして、この社会保険料こそが、あなたの手取りをじわじわと蝕む最大の元凶なのです。

多くの人は所得税の「累進課税（稼げば稼ぐほど税率が上がる仕組み）」ばかりを気にしますが、本当に恐ろしいのは、上限があるとはいえ年収に比例して青天井に増えていく社会保険料の方です。年収500万円の人の社会保険料負担が年間約75万円だとすれば、年収700万円の人は約100万円に跳ね上がります。年収が1.4倍になっても、社会保険料の負担は約1.33倍。このじわりと増える負担が、「稼いだ感覚」を麻痺させるのです。

愕然としましたか？「こんなに引かれるなんて聞いていない」と。それが正常な反応です。しかし、これはまだ序章に過ぎません。本当の「罰ゲーム」は、ここから始まるのです。

努力は報われない？年収700万を襲う「支援打ち切り」という名の制裁

さて、重い税金や社会保険料を「国を支えるためだ」「将来のためだ」と無理やり自分に言い聞かせたとしましょう。しかし、国はそんな殊勝なあなたに、さらなる追い打ちをかけてきます。それが、公的支援の打ち切りです。

頑張って働き、リスクを取り、スキルを磨いて年収700万円に到達したあなた。その努力に対し、国は「ご褒美」ではなく「ペナルティ」を与えてきます。まるで、「もう十分に稼いでいるのだから、支援は必要ないだろう」とでも言いたげに。

最も象徴的なのが「児童手当」です。2024年9月分まで、年収約622万円～833万円（子ども1人の場合、年収ベースの目安）の世帯は、満額支給から「特例給付」として月額5,000円に減額されていました。そして、2024年10月分からは制度が改正され、所得制限が緩和されるものの、高所得者層への風当たりが弱まるわけではありません。むしろ、「多く稼ぐ者からは、より多く取る」という基本構造は何も変わらないのです。

さらに、「高等学校等就学支援金制度」、いわゆる高校授業料無償化も同様です。これも、世帯年収約910万円未満が対象。年収700万円ならまだ対象内ですが、共働きで世帯年収がこのラインに近づくと、途端に支援を打ち切られる恐怖に怯えなければなりません。

考えてみてください。必死に働いて年収を上げた結果、これまで受けられていたはずの支援が一つ、また一つと剥奪されていく。これは、もはや「罰ゲーム」以外の何物でもないでしょう。稼げば稼ぐほど、税金は増え、支援は減る。この国は、努力して上を目指す人間を応援する気など毛頭ないのではないか。そう疑いたくなるのも当然です。あなたは、ただひたすらに、国に富を吸い上げられる「都合の良い労働力」として扱われているに過ぎないのです。

目を覚ませ。統計データが示す、それでもあなたが「勝ち組」である残酷な真実

「搾取だ」「罰ゲームだ」と散々こき下ろしてきましたが、ここで少し冷静になって、客観的なデータを見てみましょう。不満や怒りで曇った目では、真実を見誤ります。

国税庁が発表した「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者数は約5,078万人。その中で、あなたのいる「年収700万円超800万円以下」の層は、全体のわずか4.8%しか存在しません。

さらに視野を広げ、年収700万円を超えている人すべてを合計しても、全体の15.5%です。

この数字が何を意味するか、わかりますか？

あなたが感じている「損した気分」や「生活の苦しさ」は、あくまで主観的なもの。客観的なデータで見れば、あなたは紛れもなく、日本という国における上位15%に位置する「富裕層」であり、「勝ち組」なのです。

道行く人の10人中8人以上は、あなたよりも低い年収で生活している。これが、残酷なまでに明確な事実です。あなたが「苦しい」と感じる生活水準は、多くの人にとって「憧れ」や「目標」ですらある。

この事実を、まずは腹の底から理解してください。「自分は損している」という考えは、ある意味で非常に贅沢な悩みです。大多数の国民が直面している現実から見れば、あなたの立ち位置は、圧倒的に有利な場所に他ならないのです。この絶対的な優位性を認識すること。それが、搾取構造を乗り越えるための第一歩となります。

嘆くのは今日で終われ。搾取社会を生き抜くための唯一の生存戦略

では、どうすればいいのか。自分が勝ち組であると自覚した上で、この理不尽な搾取構造から抜け出し、豊かさを実感するためには、どう立ち回るべきなのか。

答えは一つ。「国に期待するな。自分の資産は、自分で守り、育てろ」です。

国はあなたから取るだけ取って、大して何もしてくれません。ならば、こちらも賢く立ち回り、取られる分は最小限に抑え、自分の資産を最大化する戦略を取るまでです。嘆いている暇があるなら、今すぐ行動を起こしてください。

１．徹底的な「守り」の戦略：節税という名の防衛術

国が用意した制度を、しゃぶり尽くすのです。これは権利であり、義務ですらあります。

• ふるさと納税: やっていないなら、今すぐ始めるべきです。これは実質2,000円の負担で、数万円分の返礼品を受け取れるバグのような制度。年収700万円（独身）なら、約10万円分も寄付できます。やらない理由は、情報弱者であることの証明でしかありません。
• iDeCo（個人型確定拠出年金）: 掛け金が全額所得控除になります。つまり、その分だけ税金が安くなる。年収700万円のあなたなら、年間で数万円単位の節税効果が見込めます。老後資金を準備しながら、目先の税金を減らせる。これを利用しない手はありません。
• 新NISA（少額投資非課税制度）: 2024年から始まったこの制度は、富裕層にとっての最後の砦です。年間360万円までの投資で得た利益が、すべて非課税になる。通常なら約20%も取られる税金が、ゼロになるのです。これを活用せずして、資産形成など語る資格はありません。

これらの制度は、国が「自己責任で資産を作れ」というメッセージと共に用意した、数少ない救済措置です。これらをフル活用することは、もはや常識。あなたの可処分所得を最大化するための、最低限の防衛策だと断言します。

２．最強の「攻め」の戦略：収入の複線化と自己投資

守りを固めたら、次は攻めです。年収700万円で満足していては、永遠にラットレースから抜け出せません。税負担の壁を超えるには、それをものともしない圧倒的な収入を稼ぎ出すしかないのです。

• 自己投資による年収1,000万円超え: あなたは上位15%です。その能力がある。ならば、さらなる高みを目指すべきです。専門スキルを磨く、資格を取得する、語学を習得する。年収の壁を超えるための自己投資を惜しんではいけません。年収が1,000万円を超えれば、見える景色はまた変わります。
• 副業による収入源の構築: 会社からの給与だけに依存する時代は、終わりました。あなたのスキルや経験を活かせる副業を始めなさい。最初は月数万円でも構いません。給与以外の収入源を持つという事実が、あなたに精神的な余裕と、さらなる挑戦への意欲をもたらします。

覚えておいてください。国や会社は、あなたの人生の責任を取ってくれません。あなたの資産と未来を守れるのは、あなただけです。搾取されることに甘んじるのではなく、制度を使い倒し、自らの力で富を築き上げる。それこそが、年収700万円というステージに立ったあなたが取るべき、唯一にして最強の生存戦略なのです。あなたは、それができる場所にいるのですから。