【実録】ITコンサルに”丸投げ”した会社の末路。自社開発が死ぬ3つの兆候

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【この記事はこんな方に向けて書いています】

  • DX推進やシステム開発を外部のITコンサルに頼ろうとしている経営者
  • ITコンサルを導入したが、なぜかプロジェクトが上手くいかないと感じている担当者
  • 「自社にIT人材がいないから…」と、開発の丸投げを検討している方
  • 外部パートナーと賢く付き合い、自社の開発力を高めたいと考えているすべての人

自社にITの専門家がいない…。最新技術についていけない…。DXを推進したいけど、何から手をつければいいか分からない…。そんな時、外部の「ITコンサルタント」は、まるで暗闇を照らす救世主のように見えますよね。

しかし、その“救世主”に思考停止で全てを「丸投げ」してしまった結果、数千万円もの大金を失い、出来上がったのは誰も使えないシステム。そして、社内にはノウハウが一切残らず、開発能力がゼロになる…。そんな悲惨な末路を辿る企業が後を絶ちません。

この記事では、ITコンサルへの安易な丸投げがいかに危険か、そして自社開発が“死”に向かう時に現れる3つの兆候を、具体的な事例をもとに解説します。外部の知見を最大限に活用しつつ、自社の力を高めていく。そんな賢いパートナーシップを築くためのヒントがここにあります。

兆候1:社内の誰も「なぜ、これを作っているのか」を語れない

最初の、そして最も危険な兆候はこれです。プロジェクトの目的や背景について尋ねた時、社内の担当者が誰一人として、自分の言葉で明確に答えられない状態。

「それは、コンサルの方が作った資料に書いてあります」 「経営層が決めたことなので、我々は言われた通りに…」

こんなセリフが聞こえてきたら、もう末期症状です。これは、プロジェクトの「魂」がコンサルに完全に奪われている証拠。ITプロジェクトの失敗要因の約4割は、不十分な要件定義やユーザーの巻き込み不足に起因すると言われています。当事者意識のないプロジェクトは、失敗するべくして失敗するのです。

コンサルが作った綺麗なパワポ資料だけが独り歩きし、現場は「言われたから作る」だけの思考停止に陥る。その結果、現場のリアルなニーズや業務実態から乖離した、壮大で、誰も使わない「ゴミシステム」が完成するのです。

兆候2:ITコンサルがいなくなると、何もできなくなる

次に現れるのが、「外部依存」という名の甘い毒です。仕様の決定、技術の選定、発生した問題の解決、そのすべてをITコンサルに頼り切っていませんか?

その時、あなたの会社のエンジニアや担当者は、一体何をしていますか?おそらく、コンサルが決めた仕様通りに手を動かすだけの、単なる「作業者」になってしまっているはずです。

これは非常に危険な状態。なぜなら、プロジェクトが(一応の)完成を迎え、コンサルが引き上げた瞬間、あなたの会社には何も残らないからです。システムの些細な改修や、予期せぬトラブルが発生しても、社内の誰も対応できない。そのシステムの仕組みを、誰も理解していないのですから。

そして、システムの運用保守や追加開発のために、さらに高額な契約をコンサルと結ばざるを得なくなる。こうして、永久に外部に依存し続ける「飼い殺し」状態が完成します。

兆候3:コスト意識の麻痺。「コンサル費用」が聖域になる

最後の兆候は、経営層に現れる「金銭感覚の麻痺」です。月額数百万円という高額なコンサルティングフィーに対して、「プロに頼んでいるのだから、この金額は妥当なのだろう」と、いつしか思考停止してしまうのです。

そのコンサルタントは、具体的に何時間働き、どんな価値を生み出しているのか。その費用対効果を、誰も厳しく検証しなくなります。「コンサル費用」という名のブラックボックスが生まれ、会社の貴重な資金が、まるで水道の水のように外部に垂れ流され続けるのです。

考えてみてください。その月額数百万円があれば、優秀な若手エンジニアを2〜3人採用し、自社でじっくりと育成できたかもしれません。未来への投資であるはずのお金が、ただ消費されていくだけ。このコスト意識の麻痺は、会社の未来の成長エンジンを、自ら破壊しているのと同じ行為なのです。

ITコンサルは、決して悪ではありません。彼らの知見や経験は、正しく使えば強力な武器になります。しかし、重要なのは「丸投げ」ではなく「協業」する姿勢です。コンサルはあくまで“家庭教師”。勉強するのは、最終的に“自分自身(自社)”でなければなりません。プロジェクトの主導権は絶対に手放さず、得られたノウハウを必ず自社に蓄積していく。その覚悟がある企業だけが、彼らの力を真に活用できるのです。

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