【この記事はこんな方に向けて書いています】
- ニュースで見る日経平均の上げ下げで、日本株全体の調子を判断してしまっている方
- 新NISAを始めたけれど、とりあえず日経平均連動型の投資信託を選んだ方
- 日本株投資で「その他大勢」から抜け出し、本当の成長企業を見つけたいと思っている方
- 自分の投資判断が、知らず知らずのうちに「思考停止」に陥っていないか不安な方
「日経平均、史上最高値更新!」
連日メディアを賑わせるこの言葉に、あなたも心を躍らせている一人ではないだろうか。
「日本株、絶好調だな」「今が買い時かもしれない」
そんな楽観的なムードが市場を包んでいる。だが、ここで敢えて厳しいことを言わせてもらう。
日経平均株価という、たった一つの指標だけを見て一喜一憂しているなら、あなたは極めて危険な「ガラパゴス投資家」だ。
その視野の狭さが、将来得られるはずの大きな利益を逃し、気づかぬうちにあなたを市場の「カモ」にしてしまうことに、まだ気づいていない。
この記事は、そんな思考停止状態のあなたに冷や水を浴びせ、日本株投資の解像度を劇的に上げるための処方箋だ。
そもそも「日経平均」の正体を理解しているか?
まず、あなたに問いたい。
あなたが神のごとく崇める「日経平均株価」とは、一体何者なのか、正しく説明できるだろうか?
多くの人が「日本を代表する企業の株価の平均」といった、漠然としたイメージしか持っていない。だが、その実態は驚くほど偏っている。
日経平均株価は、東京証券取引所に上場する約3,900社の中から、日本経済新聞社が独断で選んだ、たった225社の株価を元に算出されている指数だ。
全上場企業のうち、わずか6%にも満たない企業の値動きでしかない。
さらに致命的なのは、その計算方法だ。
日経平均は「株価の高い銘柄(値がさ株)」の影響を極端に受けやすいという構造的な欠陥を抱えている。
具体的には、ファーストリテイリング(ユニクロ)や東京エレクトロンといった、ごく一部の銘柄の値動きが、指数全体を大きく歪めてしまう。
極端な話、これらの数社が好調なだけで、他の200社以上が不調でも日経平均は上昇することがあり得るのだ。
これを「日本経済全体の鏡」だと信じ込むことが、どれほど愚かで危険なことか、もうお分かりだろう。
日経平均だけを見る行為は、サッカーの試合で、特定のスター選手一人だけを追いかけ、チーム全体の戦術や他の選手の活躍を一切見ないのと同じ。それでは試合の本当の流れなど、到底理解できるはずがない。
あなたが見ていない場所に「未来のトヨタ」が眠っている
日経平均という名の「木」ばかりを見ているあなたが、見逃している広大な「森」。
そこには、次世代の日本経済を担う、きら星のような成長企業がゴロゴロと眠っている。
彼らの多くは、まだ日経平均採用銘柄のような巨大企業ではない。
だが、その成長ポテンシャルは計り知れない。
目を向けるべきは、東証グロース市場やスタンダード市場だ。
ここに上場しているのは、革新的な技術を持つIT企業、社会問題の解決に挑むベンチャー企業、独自のビジネスモデルでニッチ市場を席巻する中堅企業など、未来への期待に満ちた会社ばかり。
これらの企業は、日経平均を構成する成熟した大企業よりも、株価が10倍、20倍になる可能性を秘めている。
もちろん、リスクも高い。
しかし、リスクを取らなければ大きなリターンは得られないのが投資の鉄則だ。
日経平均が「過去から現在」の日本経済を映す鏡だとするならば、新興市場は「未来」の日本経済を映す鏡だと言える。
あなたは、どちらに投資したいだろうか?
過去の栄光にすがる大企業か、それとも未来を創造する挑戦者か。
その答えは、火を見るより明らかだろう。
ガラパゴスの呪いを解き、真の投資家へ脱皮せよ
「じゃあ、具体的にどうすればいいのか」
その答えは、今日から日経平均を見るのと同じくらい、いや、それ以上に「TOPIX(東証株価指数)」に注目することから始まる。
TOPIXは、東証プライム市場の全銘柄を対象とした時価総額加重平均の指数であり、日経平均よりもはるかに市場全体の実態を正確に表している。
まずは、この二つの指数の違いを理解することが、ガラパゴス投資家から脱却する第一歩だ。
そして、証券会社のウェブサイトやツールを使い、グロース市場やスタンダード市場にどんな企業があるのかを、ぜひ自分の目で確かめてほしい。
「時価総額」「ROE(自己資本利益率)」「成長率」といった指標でスクリーニングをかければ、今まで知らなかった魅力的な企業が次々と見つかるはずだ。
思考停止で「日経平均連動の投信」を積み立てるだけの安易な投資から、自らの頭で考え、未来の成長企業を発掘する「真の投資」へ。
その一歩を踏み出すことで、あなたの資産形成の景色は劇的に変わる。
ガラパゴス島の閉ざされた環境から抜け出し、世界経済という大海原へ漕ぎ出す時が来たのだ。
コメント