
【こんな方向け】
- 自社サイトへのオーガニック流入を増やしたいWebマーケ担当者
- キーワードだけ追っても順位上位を取れていないSEO担当者
- ユーザーの検索意図に沿ったコンテンツ戦略を学びたいコンテンツマーケター
こんにちは、今日は「コンテンツクラスタ」を活用して検索意図をしっかり捉え、SEO効果以上の成果を出した実例をお話しします。
僕自身、IT系メディアで約半年かけてコンテンツクラスタを導入し、ページビュー1.7倍、平均掲載順位を13位→7位に改善した経験があります。
では、どう進めたのか、ステップごとに解説していきますね。
1.課題認識:SEOキーワードだけ追っても上位化できない理由
これまで多くの企業が「月間検索ボリュームの大きいキーワード」を狙って記事を量産する手法を取ってきました。でも…
- 狙ったキーワードの検索意図が曖昧で、記事内容がユーザーニーズに刺さらない
- ビッグワードは競合が強すぎて、外部リンクが少ない自社サイトでは勝負にならない
- 1ページごとの最適化に偏り、サイト全体の評価が分散してしまう
こうした理由で、なかなか上位表示できず、クリック率も伸び悩むケースが多いんです。
そこで有効なのが「コンテンツクラスタ」アプローチ。ビッグワードを中心に据えつつ、それを取り巻く関連キーワード群でサイト全体を強化します。
2.コンテンツクラスタとは?
コンテンツクラスタは「Pillar Page(柱となる記事)」と「Cluster Content(関連する詳細記事群)」から構成されます。
- Pillar Page:主要キーワードを扱う総合ページ。検索意図を体系的に網羅し、ユーザーが最初に訪れる窓口。
- Cluster Content:Pillar Pageで網羅しきれない、深掘りテーマの記事。長尾キーワードや具体的な課題・手法解説をカバー。
- 内部リンク:Cluster ContentからPillar Pageへ、またPillar PageからCluster Contentへ適切にリンクを張り、サイト評価を集約・分散できる。
これで「テーマ全体の網羅性」と「詳細ニーズへの対応」を両立し、Googleにもユーザーにも価値あるサイトと判断されやすくなるわけです。
3.進め方:ステップごとの具体的プロセス
ステップ1:テーマと主要キーワードの選定
- ビジネスゴールを確認:自社が強みを持つサービスや商材の領域を明確化。
- 検索ボリューム+競合分析:GoogleキーワードプランナーやAhrefsで月間検索数と競合難易度を調査。
- 主要キーワード決定:競合が比較的少なく、ビジネスインパクトが高い「ミドルワード」をPillar候補に選定。
例:IT導入支援サービスなら「DX 推進 方法」「DX 戦略 立案」など。
ステップ2:検索意図の深掘りとサブトピック洗い出し
- 検索結果(SERP)調査:上位10ページの見出し構成、共起語、People Also Askを分析。
- ユーザーインタビュー:既存顧客や問い合わせデータから、実際の疑問や課題を抽出。
- サブトピックリスト作成:Pillar Pageでカバーすべき「全体像」と、Cluster Contentで解説すべき「詳細項目」を分割。
例:
- Pillar:DX 推進の全体プロセス解説
- Cluster1:DX推進の現状分析手法
- Cluster2:DX戦略策定のステップ
- Cluster3:組織文化変革の具体施策
- Cluster4:DX継続評価のKPI設計方法
ステップ3:コンテンツ制作と内部リンク設計
- Pillar Page作成:目次の充実、図表を多用し、ユーザーが求める全体像を網羅的に提示。
- Cluster Content作成:各サブトピックを深掘りし、ケーススタディやチェックリストなど実践的なノウハウを提供。
- 内部リンク構築:
- Pillar → 各Cluster:詳細ページへのリンク
- Cluster → Pillar:上位概念へのリンク
- Cluster同士の相互リンクも適度に設定
- Pillar → 各Cluster:詳細ページへのリンク
ステップ4:公開後の検証&改善
- サーチコンソールで経過観察:掲載順位、CTR、インプレッションを週次でチェック。
- ヒートマップ解析:Pillar Pageの離脱ポイントを見つけ、目次追加やCTA強化を実施。
- Cluster追加・再構成:想定外の関連キーワードが伸びた場合、新たなCluster記事を追加。
4.実際の成果
僕が担当したITメディアでは、上記プロセスを以下のように回しました。
- 対象テーマ:「DX 推進 方法」
- 制作記事数:Pillar Page 1本 + Cluster Content 8本
- 公開後3ヵ月の変化:
- ページビュー:月間45,000PV → 76,000PV(約1.7倍)
- 平均掲載順位:13.2位 → 7.1位
- オーガニック流入比率:60% → 75%
- 平均滞在時間:1分20秒 → 2分10秒
- ページビュー:月間45,000PV → 76,000PV(約1.7倍)
特にPillar Pageの平均滞在時間が大幅に伸びたのは、目次ジャンプとClusterへの誘導リンクでユーザーが次々詳細記事へ進む設計が功を奏したためです。
5.ポイント&注意点
- キーワードミックスに偏らない:ビッグワードだけでなく、長尾キーワードのカバーを必ず入れる。
- ユーザー体験を最優先:内部リンクは乱打せず、自然な流れで次のコンテンツに誘導する。
- 継続的なモニタリング:半年後も検索意図は変化するので、定期的にClusterの見直しを。
- 外部リンク施策と併用:社内SEOだけでなく、関連メディアへの寄稿や業界サイトからの被リンクも並行して行う。
- チーム体制の整備:PillarとClusterを継続的に増やすには、ライターと編集者のワークフローを最適化する必要がある。
6.まとめ
- コンテンツクラスタはSEOの補完策ではなく、ユーザーの検索意図そのものに応えるアプローチ
- Pillar Pageでテーマ全体を示し、Cluster Contentで深掘り情報を提供
- 適切な内部リンク設計と継続的な改善で、サイト全体の権威性と滞在時間を引き上げる
このフレームワークを取り入れれば、単発記事の最適化を超えた「テーマごとの強み」をサイトに宿らせることができます。ぜひ自社サイトでも試してみてくださいね!応援しています。
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