【思考停止のあなたへ】「S&P500最強」を信じて疑わない“積立信者”が知らない、3つのリスク

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【この記事はこんな方に向けて書いています】

  • 「投資の正解はS&P500の積立だ」と信じ、思考停止に陥っている方
  • 新NISAの成長投資枠も、つみたて投資枠も、すべてS&P500連動ファンドで埋めている方
  • 米国株の好調なニュースを見るたびに、自分の選択は正しいと安心している方
  • 分散投資の本当の意味を理解し、10年後、20年後も生き残れる、より強固な資産基盤を築きたい方

「投資で何を買えばいいかわからないなら、とりあえずS&P500を積立しておけば間違いない」

インフルエンサーも、人気の投資本も、口を揃えてそう言う。

そして、過去10年、いや、それ以上の期間、その戦略が驚異的なリターンをもたらしてきたことは、紛れもない事実だ。

だから、あなたも信じて疑わない。「S&P500こそが、投資の最適解だ」と。

だが、ここで敢えて問いたい。

その「正解」は、あなたの頭で考え抜いた結論か?それとも、誰かの受け売りを、ただ鵜呑みにしているだけではないか?

この記事は、S&P500という「心地よい正解」に安住する、思考停止状態のあなたに、冷や水を浴びせるためのものだ。

その輝かしいリターンの裏に潜む、あなたがまだ知らない3つの重大なリスクについて、解説しよう。

その「分散投資」、実は“超”集中投資ですよ?

S&P500に投資する人が、決まって口にする言葉がある。

「アメリカを代表する500社に分散されているから、安心だ」と。

はっきり言おう。それは、極めて危険な勘違いだ。

確かに、S&P500は500の銘柄で構成されている。だが、その中身は全く「分散」されていない。

なぜなら、S&P500は「時価総額加重平均」という仕組みで計算されているからだ。

これは、会社の規模(時価総額)が大きいほど、指数に与える影響も大きくなるという仕組み。

その結果、何が起きるか。

現在(2025年時点)のS&P500は、マイクロソフト、アップル、エヌビディアといった、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる巨大ハイテク企業、わずか数社の値動きに、そのパフォーマンスが極端に左右される構造になっている。

実際に、上位10社の構成比率は、指数全体の30%以上を占めることもある。

500社に投資しているつもりが、実態は「米国の、巨大ハイテク企業」という、極めて狭い領域への“超”集中投資に他ならないのだ。

もし、これらの巨大ハイテク企業が、何らかの理由で成長の壁にぶつかった時、あなたの資産はどうなるだろうか。

「分散されているから安心」という神話は、その時、もろくも崩れ去る。

過去の勝者が、未来の勝者とは限らない

「でも、アメリカ経済はこれからも成長し続けるだろう?」

そうかもしれない。だが、投資の世界で絶対はない。

「過去の実績が、未来の成果を保証するものではない」という言葉を、あなたも一度は目にしたことがあるはずだ。

過去10数年の米国一強時代は、歴史的に見れば、むしろ例外的な期間だったのかもしれない。

1980年代、世界の投資家が熱狂したのは、米国株ではなく「日本株」だった。 2000年代初頭のITバブルは、多くのハイテク企業の株価を90%以上も下落させた。

歴史は、常に勝者が入れ替わり続けることで紡がれてきたのだ。

今、私たちが当たり前だと思っている「米国一強」という常識が、10年後、20年後も続いている保証は、どこにもない。

地政学的なリスク、新たな技術革新、そして台頭する新興国。

未来の不確実性は、常に存在する。

その不確実性に対して、自分の資産の大部分を「アメリカ」という一つの国、そして「巨大ハイテク企業」という一つのセクターに賭ける行為は、果たして本当に「賢明な投資」と言えるだろうか。

それは、投資ではなく、もはや「信仰」に近いのではないか。

思考停止から抜け出し「自分だけの正解」を作れ

では、どうすればいいのか。

この記事は、S&P500への投資そのものを否定したいわけではない。

否定したいのは、「S&P500“だけ”に思考停止で投資する」という、その安易な姿勢だ。

真の分散投資とは、特定のセクターや銘柄の分散だけでなく、国や地域の分散を意味する。

その最もシンプルな答えが、「全世界株式(VTやオルカン)」への投資だ。

これ一本で、米国だけでなく、欧州、日本、そして中国やインドといった新興国まで、世界中の株式市場全体に、まるっと投資することができる。

これにより、たとえ米国が不調に陥っても、他の国々の成長がその損失をカバーしてくれる効果が期待できる。

あるいは、S&P500をポートフォリオの「核(コア)」としつつ、自分なりの考えで、新興国株や、値動きの異なる債券、ゴールドなどを「衛星(サテライト)」として加えるのもいいだろう。

大切なのは、他人の言う「最適解」を盲信するのではなく、自分の頭で考え、リスクを理解し、自分自身が納得できる「自分だけの正解」を構築していくことだ。

投資とは、思考停止した瞬間に、ゲームオーバーなのだ。

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