
【この記事はこんな方に向けて書いています】
- 何か行動する前に、まず「それって、自分に得ある?」と考えてしまう方
- 「コスパ」「タイパ」を重視するあまり、無駄なことを極端に嫌う方
- 合理的に生きているつもりなのに、なぜか心が満たされなかったり、孤独を感じたりする方
- 損得勘定だけでは測れない、人生の豊かさについて考えたい全ての方
「このランチ、1000円の価値があるか?」 「この飲み会に参加して、自分に何のメリットがある?」 「この本を読む時間で、もっと効率よく要約動画を見た方がタイパが良いんじゃないか?」
あなたの頭の中は、一日中、そんな「損得勘定」で埋め尽くされていませんか? 無駄を嫌い、効率を求め、合理的に生きる。一見すると、それはとても賢い生き方のように思えるかもしれません。
しかし、その行き着く先は、豊かな人生などではありません。驚くほどに“貧しく”、そして“孤独”な未来です。 今日は、その損得勘定という名の「呪い」が、あなたの人生から、本当に大切なものを、いかにして奪っていくか。その残酷な真実について、お話しします。
デメリット1:金で買えない「信頼」という資産を、ドブに捨てる
まず、損得勘含定で人間関係を測る人間が、最終的にどうなるか。 「この人と付き合っても、自分にメリットがない」と判断すれば、平気で縁を切る。 誰かが困っていても、見返りが期待できなければ、時間や労力を使うことを「損だ」と考える。
その結果、どうなるでしょう。 あなたの周りには、利害関係だけで繋がった、驚くほど薄っぺらい人間しか残らなくなります。あなたが心から笑い合える友人も、あなたが本当に困ったときに、無条件で手を差し伸べてくれる仲間も、一人もいなくなります。
ハーバード大学が80年以上にもわたって行っている成人発達研究が、衝撃的な事実を明らかにしています。それは、人の幸福度や健康を、人生の終盤に至るまで決定づける最も重要な要素は、学歴でも、富でも、名声でもなく、「良好で、温かい人間関係」である、という事実です。
目先の小さな損得を気にするあまり、あなたは、お金では絶対に買えない、人生最大の資産である「信頼」を、自らの手でドブに捨てている。そのことに、気づいていますか?
デメリット2:「未来への投資」を怠り、成長の機会を失う
損得勘定という物差しは、どうしても視野を「短期的」にしてしまいます。 「今、すぐに」結果が出ないこと、「今、すぐに」お金にならないことを、「損」であり「無駄」だと切り捨ててしまうからです。
例えば、
・すぐには仕事の役に立たないかもしれないが、自分の知的好奇心を満たすための、哲学や歴史の本を読むこと。
・直接的な見返りは何もないけれど、誰かのために、地域のために、自分の時間を使うボランティア活動。
・失敗するかもしれないけれど、ワクワクするから、という理由だけで始める、新しい趣味やスキルへの挑戦。
これらは全て、短期的な損得の計算機で弾けば、「非効率な無駄」と表示されるかもしれません。 しかし、人生における大きなリターンというのは、こうした一見「無駄」に見える経験の積み重ねから、予期せぬ形で、数年後、数十年後に生まれてくるものです。
損得勘定は、あなたから「未来の自分」への、最も大切な投資の機会を奪い去ってしまうのです。
デメリット3:決断できず、挑戦できず、ただ“傍観者”として人生を終える
そして、これが最も悲惨な末路です。 常に損か得かを天秤にかけている人間は、究極的に「決断」ができなくなります。
なぜなら、この世の中に「100%得をする、リスクゼロの完璧な選択肢」など、どこにも存在しないからです。 「損をしたくない」という恐怖が、あなたの足をすくませ、行動を麻痺させる。「A案とB案、どちらがより損失が少ないか…」と、延々と頭の中で計算している間に、人生の貴重なチャンスは、全て目の前を通り過ぎていきます。
その結果、あなたはリスクを負って挑戦する「プレイヤー」ではなく、安全地帯から他人の成功や失敗を批評するだけの、ただの「傍観者」として、人生を終えることになります。
大きな失敗はしないかもしれない。でも、そこには、大きな成功も、魂が震えるような感動も、熱狂もありません。 何も起こらない、ただ時間が過ぎていくだけの、あまりにも“貧しい”人生。それが、損得勘定に支配された人間の、最終的な行き着く場所なんです。
もちろん、合理的に物事を考えることは大切です。 しかし、人生の全ての物差しを、それだけにしてはいけない。
人間関係も、自己成長も、そして心を揺さぶるような挑戦も。人生における本当に価値あるものの多くは、損得というちっぽけな物差しでは測れない、非効率で、非合理的で、一見すると「無駄」なものの中にこそ、隠されています。
コスパとタイパを追い求めた結果、あなたの人生には、一体何が残ったでしょうか。 たまには、その手の中にある計算機を、そっと置いてみませんか。 そして、損得なんて考えずに、ただ、あなたの心が「やりたい」と叫ぶことに、飛び込んでみませんか。
あなたの人生は、きっと、そこからもっと豊かになるはずですから。
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