「SNSをバズらせたい」あなたへ。その“承認欲求”、今すぐ捨てないと、全てを失いますよ

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【この記事はこんな方に向けて書いています】

  • SNSで一発当てて、有名になったり、楽して稼いだりしたいと本気で思っている方
  • 毎日、SNSに投稿しているのに、「いいね」やフォロワーが全く増えずに心が折れかけている方
  • 「バズる」ための小手先のテクニックや、裏技的なノウハウばかりを探し求めている方
  • 一過性の人気ではなく、本物の信頼と価値をSNSで築きたいと願う、真摯な方

「どうすれば、この投稿はバズりますか?」「一瞬でフォロワーを1万人にする方法、教えてください!」。SNS運用のご相談を受ける中で、最も多く、そして、私が最もがっかりさせられる質問が、これです。まるで、SNSが、人生一発逆転をかけた宝くじか何かのように、皆さん目を輝かせて尋ねてきます。

ええ、いいでしょう。あなたがどうしてもと言うのなら、『バズらせるための方法』について、具体的にお話しします。しかし、その前に一つだけ理解してください。あなたが追い求めているその『バズ』は、ほとんどの場合、あなたのビジネスや人生にとって、何の価値ももたらさない、ただの線香花火です。それどころか、あなた自身を焼き尽くし、破滅させる危険すら孕んでいます。今回は、その『バズという名の呪い』を解き明かし、本質的なSNSとの向き合い方について、お話しします。

なぜ、あなたの投稿は「空気」なのか

そもそも、なぜあなたの渾身の投稿は、誰にも見向きもされず、ただタイムラインの藻屑と消えていくのでしょうか。その理由は、残酷なまでにシンプルです。あなたの投稿が、「あなた自身の自己満足」でしかないからです。

「今日のランチ、美味しかった!」「今日も一日、お仕事がんばった私!」。そんな、あなたの個人的な日記に、あなたの親しい友人以外、誰が興味を持つというのですか。ユーザーは、無限に流れてくる情報の中から、自分にとって「役に立つ」「面白い」「深く共感できる」と感じたものにしか、その貴重な指を止めません。この、あまりに当然の事実から目をそらし、「投稿すれば誰かが見てくれるはず」と思い込んでいる。その傲慢さが、あなたの投稿が空気である、たった一つの理由です。

人の心を動かす、禁断の「バズの公式」

では、どうすれば人の心は動くのか。「バズの公式」は、存在します。それは、「感情の極端な増幅」です。人の感情が大きく揺さぶられた時、シェアという行動は生まれます。

具体的には、
①「驚き・意外性(マジか!)」
②「笑い(爆笑)」
③「感動(泣いた…)」
④「怒り・正義感(これは許せない!)」
⑤「知識・有益性(超タメになる!)」
これらの感情を、極端なまでに刺激するコンテンツを作れば、あなたの投稿はバズる“可能性”が高まります。ある研究によれば、「畏敬」や「興奮」といった覚醒度の高い感情を呼び起こすコンテンツほど、口コミで広がりやすいことが示されています。これが、バズの正体です。

バズの先にある「虚無」と「大炎上」

しかし、この公式は、非常に危険な諸刃の剣です。特に、④の「怒り」や「正義感」を利用したバズは、一歩間違えれば、あなた自身が社会から糾弾される「大炎上」に直結します。

そして、たとえうまくバズったとしても、その先に待っているのは、深い「虚無」です。バズは、一度味わうとやめられない麻薬のようなもの。次の投稿でもバズらせなければというプレッシャーから、あなたは、より過激で、より扇情的なコンテンツ作りに走るようになります。その結果、中身のない注目ばかりを集める「バズ乞食」になるか、再起不能の炎上を起こすかの、二択の道しか残されていません。一瞬のバズで集まったフォロワーは、あなたのファンではありません。彼らは、次の見世物を待っているだけの、移り気な「野次馬」なのですから。

結論:「バズ」を狙うな、「突き刺され」

もう、不特定多数に広く浅くウケること(バズ)を狙うのは、やめにしませんか。あなたが本当に目指すべきは、たった一人でいい、誰かの心に深く、鋭く、「突き刺さる」コンテンツを作ることです。

あなたの知識、あなたの経験、あなたの情熱を、本当に必要としている、たった一人の「理想の顧客」は誰ですか。その人の顔を、具体的に思い浮かべてください。そして、その人だけを助けるつもりで、誠実に、役に立つ情報を、発信し続けてください。

その結果、再生数は100万回に届かなくても、100人の「熱狂的なファン」が生まれれば、それはビジネスとして大成功です。広く浅い「認知」よりも、狭く深い「信頼」を築くこと。それこそが、SNSという過酷な砂漠で、あなたが生き残るための、唯一のオアシスなのです。

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