
【この記事はこんな方に向けて書いています】
- 「ITコンサルタント」という言葉を初めて聞いた、もしくは興味を持ち始めた方
- IT業界の経験はないけど、コンサルタントの仕事に憧れている方
- ITコンサルタントの仕事内容や必要なスキルを、ゼロから知りたい方
- 将来のキャリアとしてITコンサルタントを考えている学生の方
- 異業種からのキャリアチェンジを検討している若手社会人の方
「ITコンサルタント」って、なんだか響きがカッコいいけど、実際は何をしている人なの?
もしかしたら、あなたもそんな風に思っているかもしれませんね。
「専門知識がたくさん必要そうで難しそう…」「未経験の自分にもなれるのかな?」
そんな疑問や不安を抱えている初心者の方、安心してください。この記事は、まさにそんなあなたのための「ITコンサルタント入門ガイド」です。
ITコンサルタントがなぜ今こんなにも注目されているのか、どんな仕事をしていて、どんなスキルが必要なのか。そして、未経験から目指すための具体的なステップまで、世界一わかりやすく解説していきます。
この記事を読み終える頃には、ITコンサルタントという仕事の全体像がくっきりと見え、「自分も目指してみたい!」と思えるようになっているはずです。さあ、一緒に未来のキャリアへの扉を開いてみましょう!
そもそもITコンサルタントって、どんなお仕事?
ITコンサルタントの仕事を一言でたとえるなら、ずばり「ITのお医者さん」です。
会社(クライアント)が抱えている様々な経営上の悩みや問題(病気やケガ)に対して、ITという道具(治療法)を使って解決に導く専門家。それがITコンサルタントです。
例えば、ある会社が「最近、ライバル店にお客さんを取られて売上が落ちているんだ…」と悩んでいたとします。
あなたがお医者さん(ITコンサルタント)なら、どうしますか?
まずは、患者さんの話をじっくり聞いて、どこが悪いのかを調べますよね。これがいわゆる「ヒアリング」や「現状分析」です。
次に、レントゲンを撮ったり血液検査をしたりして、問題の原因を特定します。ITコンサルタントは、データ分析ツールなどを使って、「新規顧客が減っているのか?」「リピート客が離れているのか?」といった原因を突き止めます。
そして、原因がわかったら、「このお薬を飲みましょう」「この手術をしましょう」と治療計画を立てますよね。これが「IT戦略の立案」です。例えば、「顧客データを管理する新しいシステムを導入して、お客様一人ひとりに合ったアプローチをしましょう!」といった提案をします。
最後は、手術やリハビリで、患者さんが元気になるまでサポートします。ITコンサルタントも、システムの導入が完了するまでプロジェクトを管理し、導入後も社員の方々が使いこなせるように支援(定着支援)するところまで責任を持ちます。
このように、ただITに詳しいだけではなく、会社の経営という大きな視点を持ち、課題発見から解決まで一貫して寄り添う、非常にやりがいのある仕事なんです。
なんで今、ITコンサルタントが人気なの?3つの理由
「ITコンサルタントが注目されているのは分かったけど、なんでそんなに人気なの?」
そう思いますよね。理由は大きく3つあります。
理由1:圧倒的な需要と将来性
今、あらゆる業界で「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉が叫ばれています。これは、簡単に言うと「デジタル技術を使って、ビジネスを根本からもっと良くしていこう!」という動きのことです。
経済産業省の調査でも、多くの企業がDXの必要性を感じている一方で、それを推進できる人材が圧倒的に不足しているのが現状です。実際に、国内のDX市場は右肩上がりで成長を続けており、調査会社の予測では2030年度には5兆円を超える市場になるとも言われています。
このDXの推進役として、まさに中心的な役割を担うのがITコンサルタント。つまり、社会からの需要が非常に高く、将来性も抜群の職業だと言えるのです。
理由2:大きなやりがいと達成感
ITコンサルタントは、企業の社長や役員といった経営層と直接対話し、会社の未来を左右するような重要な課題に取り組む機会が非常に多いです。
責任は大きいですが、自分の提案によってクライアント企業の業績がV字回復したり、社員の方々の働き方が劇的に改善されたりした時の達成感は、何物にも代えがたいものがあります。
「〇〇さんのおかげで会社が生まれ変わったよ、ありがとう!」
そんな感謝の言葉を直接いただけるのも、この仕事の大きな魅力です。
理由3:魅力的な年収とキャリアパス
高い専門性が求められる分、ITコンサルタントの年収は他の職種と比較して高い傾向にあります。
転職サービスdodaの調査(2023年版)によると、専門職全体の平均年収が約590万円であるのに対し、ITコンサルタントの平均年収は約690万円と、100万円も高い水準にあります。
経験を積んで実力をつければ、20代で年収1000万円、30代で2000万円を超えることも決して夢ではありません。
また、コンサルタントとして経験を積んだ後は、独立して自分の会社を立ち上げたり、事業会社の役員(CIO:最高情報責任者など)としてキャリアを築いたりと、その後のキャリアパスが非常に広いのも魅力の一つです。
ITコンサルタントの種類、あなたはどれを目指す?
一口にITコンサルタントと言っても、所属するコンサルティングファームの種類によって、得意な領域や働き方が少しずつ異なります。
初心者の方は、まずは大きく3つのタイプがあることを知っておくと、自分の目指す方向性がイメージしやすくなりますよ。
総合系コンサルティングファーム
「企業の総合病院」のような存在です。
経営戦略からIT、人事、財務まで、企業が抱えるあらゆる課題に対して、総合的なサービスを提供します。
業界も製造、金融、通信、官公庁など多岐にわたるため、幅広い知識や経験を積みたい人に向いています。有名なファームとしては、アクセンチュアやデロイト トーマツ コンサルティングなどがあります。
IT系コンサルティングファーム
「IT領域専門のクリニック」です。
IT戦略の立案や、特定の業務システム(ERP、CRMなど)の導入支援といった、IT領域に特化したコンサルティングを行います。
より専門的なITスキルを深めたい、テクノロジーで課題解決をしたいという志向の人に向いています。フューチャーアーキテクトやアビームコンサルティングなどがこの分野で有名です。
戦略系コンサルティングファーム
「天才外科医が集まる、最先端の医療センター」のようなイメージでしょうか。
企業のトップが抱える、M&A(企業の合併・買収)や新規事業戦略といった、最も重要で難易度の高い経営課題を扱います。ITがテーマになることもありますが、より経営戦略そのものに近いのが特徴です。
非常に狭き門ですが、マッキンゼー・アンド・カンパニーやボストン コンサルティング グループ(BCG)などが知られています。
【ここが重要】ITコンサルに絶対必要な3つの基本スキル
「やっぱり専門知識がたくさん必要そう…」と感じたあなた、大丈夫です。
もちろん専門性も大事ですが、特に初心者や未経験者の場合、それ以上に重要視される基本的なスキルがあります。
ここでは、絶対に押さえておきたい3つのスキルに絞って解説します。
①最強の武器「コミュニケーション能力」
意外に思われるかもしれませんが、ITコンサルタントにとって最も重要なスキルは、ITの知識よりもコミュニケーション能力です。
ただおしゃべりが上手いということではありません。
大切なのは、「聞く力」と「伝える力」です。
- 聞く力(傾聴力): クライアントが話す言葉の表面だけをなぞるのではなく、「なぜこの人はこう言うのだろう?」「本当の悩みは何だろう?」と、その裏にある本音や背景を深く理解しようとする力です。これができないと、見当違いの提案をしてしまいます。
- 伝える力(説明力): クラウドやAIといった難しいITの専門用語を、ITに詳しくない社長さんや現場の社員さんにも、分かりやすくかみ砕いて説明する力です。たとえ話をしたり、身近なものに置き換えたりする工夫が求められます。
この2つの力で信頼関係を築くことが、すべてのスタートラインになります。
②思考の整理整頓術「ロジカルシンキング」
あなたの部屋が散らかっていると、どこに何があるか分からなくなりますよね。
それと同じで、情報や問題がごちゃごちゃのままだと、何が原因で、どうすればいいのか分かりません。
ロジカルシンキングとは、このごちゃごちゃになった情報をきれいに整理整頓して、問題の根本原因を見つけ出し、解決までの道のりを誰にでも分かるように示す力のことです。
例えば、「売上が落ちている」という問題に対して、「新規客?リピート客?」「A商品?B商品?」「関東エリア?関西エリア?」というように、問題を分解して原因を特定していく思考法です。
この力は、トレーニングで誰でも身につけることができます。
③ITへの尽きない「好奇心」
「ITの基礎知識」はもちろん必要ですが、初心者の方にまず持ってほしいのは、「ITが好き」という気持ちや、新しい技術に対する「好奇心」です。
プログラミングのコードが書けなくても構いません。
それよりも、「この新しいAI技術を使ったら、うちの会社の何が便利になるだろう?」とワクワクできるかどうかが大切です。
IT業界は日進月歩。常に新しい技術を学び続ける姿勢がなければ、あっという間に時代遅れになってしまいます。
まずはITパスポートの勉強から始めたり、IT系のニュースサイトを毎日チェックしたりすることから始めてみましょう。
未経験からITコンサルになるための現実的な4ステップ
最後に、未経験からITコンサルタントを目指すための、具体的なロードマップをご紹介します。
ステップ1:まずは「ITパスポート」で基礎知識を証明
何から手をつけていいか分からない方は、まず国家資格である「ITパスポート」の取得を目指しましょう。ITに関する基礎的な知識を体系的に学べるだけでなく、「ITコンサルになるために、自ら学んでいます」という意欲を客観的に示すことができます。
ステップ2:SIerやIT企業で「現場」を知る
もし可能であれば、一度SIer(システム開発会社)や事業会社のIT部門で、システム開発や導入のプロジェクトを経験することをおすすめします。実際に手を動かしてシステムが作られる過程を知ることで、コンサルタントになった時に、より現実的で説得力のある提案ができるようになります。
ステップ3:ポテンシャル採用を狙う(第二新卒・20代向け)
多くのコンサルティングファームでは、実務経験がなくても、論理的思考力や成長意欲といったポテンシャルを評価して採用する「ポテンシャル採用」を行っています。特に20代や第二新卒の方は大きなチャンスがあります。ケース面接と呼ばれる特殊な面接対策をしっかり行い、自分のポテンシャルをアピールしましょう。
ステップ4:転職エージェントを最強の味方に
転職活動を一人で進めるのは大変です。特にコンサル業界は情報戦。業界に詳しい転職エージェントを味方につけることを強くおすすめします。一般には公開されていない「非公開求人」を紹介してくれたり、各ファームに合わせた面接対策を徹底的にサポートしてくれたりします。
まとめ
ITコンサルタントは、企業の未来を創る、ダイナミックで非常にやりがいのある仕事です。
もちろん、常に学び続ける大変さや、高いプレッシャーもあります。
しかし、この記事で紹介したスキルやステップを一つひとつクリアしていけば、未経験からでもその扉を開くことは十分に可能です。
必要なのは、専門知識よりもまず、「クライアントを助けたい」という強い想いと、「成長したい」という熱意、そして新しいことにワクワクする好奇心です。
この記事が、あなたの輝かしいキャリアの第一歩を踏み出す、小さな勇気につながれば幸いです。
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