
【この記事はこんな方に向けて書いています】
- いつもタスクに追われ、何から手をつければいいか分からない方
- 残業が常態化しており、プライベートの時間を確保したい方
- 良かれと思って仕事を引き受けた結果、すべてが中途半端になりがちな方
- 「やらないこと」を決めるのが苦手で、つい全部自分で抱え込んでしまう方
「やることが多すぎて、時間がいくらあっても足りない…」 「目の前のタスクを片付けても、次から次へと新しい仕事が降ってくる…」
ビジネスパーソンなら、誰もが一度はこんな悲鳴をあげたことがあるのではないでしょうか。そして、多くの人は「自分の頑張りが足りないんだ」「もっと効率を上げないと」と、自分を責めてしまいがちです。
ですが、断言します。あなたの仕事が終わらない根本原因は、気合や能力の問題ではありません。解決策の「優先順位」の付け方が、致命的に間違っているだけなんです。今回は、その“全部やる病”を根絶し、あなたの仕事の生産性を劇的に向上させる、少し厳しいですが超強力なフレームワークを紹介します。
なぜ、あなたの仕事はいつまでも終わらないのか?
あなたの仕事が終わらない最大の原因。それは、全てのタスクを同じ価値だと勘違いしていることにあります。
「頼まれた仕事は、全部やらないと失礼だ」 「これも大事、あれも大事…」
その真面目さや優しさは美徳かもしれません。しかし、ビジネスの世界では、時間は有限であり、あなた一人が使えるリソースには限界があります。全部やろうとすること自体が、そもそも無理な話なんです。
ここで、「パレートの法則」という有名な法則を知っていますか?「成果の80%は、全体の20%の活動によって生み出される」というものです。これを仕事に当てはめると、あなたのタスクリストにある仕事のうち、本当に重要なのはたったの2割。残りの8割は、実は大して成果に繋がっていない可能性が高いのです。仕事ができる人とは、この「重要な2割」を的確に見抜き、そこにリソースを集中できる人のことを言います。
感情論は捨てろ!「インパクト・コスト・マトリクス」という処方箋
では、どうやって「重要な2割」を見極めるのか。ここで登場するのが、僕が「悪魔的フレームワーク」と呼んでいる「インパクト・コスト・マトリクス」です。
やり方はシンプル。縦軸に「インパクト(成果・効果)」、横軸に「コスト(かかる時間・労力)」をとり、4つの領域にタスクを分類していくだけです。
1. 【高インパクト・低コスト】(真っ先にやるべき「金のタマゴ」) 少ない労力で大きな成果が見込める、最もおいしいタスク群です。あなたの仕事は、まずこの領域のタスクを見つけ出し、最優先で片付けることから始めるべきです。
2. 【高インパクト・高コスト】(計画的にやるべき「大物案件」) 大きな成果に繋がりますが、時間も労力もかかるタスクです。いきなり手をつけるのではなく、しっかりと計画を立て、時間を確保して戦略的に取り組みましょう。
3. 【低インパクト・低コスト】(隙間時間でやるか、やめる「雑務」) 簡単にできるけど、やっても大して成果に影響しないタスク。こうした仕事に時間を奪われていませんか?これは、電車の移動中などの隙間時間で処理するか、思い切って「やらない」と決める、もしくは誰かにお願いすることを検討すべきです。
4. 【低インパクト・高コスト】(絶対に手をつけてはいけない「時間の泥棒」) 最悪の領域です。手間がかかるくせに、全く成果に結びつかないタスク。会議のための会議資料作りなどが典型例です。この領域の仕事は、あなたの貴重な時間を食い潰すだけの「泥棒」です。即刻、リストから抹消してください。
「やらないこと」を決める勇気が、あなたを救う
このフレームワークを使ってみると、いかに自分が「低インパクト」な仕事に時間を費やしていたかに気づき、愕然とするはずです。
そして、この手法の本質は「何をやるか」を決めること以上に、「何をやらないか」を断固として決めることにあります。特に、先ほどの4象限でいう「時間の泥棒」に分類されたタスクを捨てる勇気。これこそが、あなたを終わらない仕事の無限ループから解放する鍵です。
「全部やります!」は、もはや熱意の証ではありません。リソース配分ができない無能の証明です。「このタスクはコストの割にインパクトが低いので、よりインパクトの大きいこちらを優先します」と、論理的に説明し、提案できる。それが本当のプロフェッショナルです。
明日から、あなたのタスクリストをこのマトリクスに当てはめてみてください。そして、「やらないこと」を決める。その小さな一歩が、あなたの働き方を根本から変えるはずです。
コメント