
【この記事はこんな方に向けて書いています】
- コンサルティングファームへの転職・就職を本気で目指している方
- ケース面接の対策をしているが、なぜか評価されないと悩んでいる方
- 自分ではロジカルだと思っているのに、面接官の反応が悪い方
- 一度コンサルに落ちて、その敗因を徹底的に分析したい方
「自分は地頭がいいはずなのに、なぜかコンサルの面接が通らない…」 そんな風に悩んでいませんか?輝かしい学歴、立派な職歴。それなのに、ケース面接で議論が深まらず、面接官の渋い顔を前に撃沈する。
その原因、もしかしたらあなたが無意識に発している「口グセ」にあるかもしれません。
コンサルの面接は、知識を問うテストではありません。プレッシャーの中で、いかに思考し続けられるかという「思考体力」と、あなたの「思考のクセ」そのものを見ています。そして、これから紹介する口グセは、「私は思考停止しています」と白状しているようなもの。今日は、あなたを“地頭が悪い”認定させる、禁断の口グセを3つ、処方箋とともにお話しします。
口グセ1:「〇〇だと思います」思考停止を告白する、自信なき推定
まず、最も多くの人が使ってしまい、そして最も嫌われるのが「~だと思います」という言葉です。
なぜ、これがダメなのか。 それは、「事実(Fact)」と「あなたの意見(Opinion)」をごちゃ混ぜにしている、思考の怠慢の現れだからです。
コンサルタントは、クライアントから数千万、時には億単位のフィーをもらって、課題解決にあたります。そのプロフェッショナルが、「〇〇だと思います」なんていうフワフワした言葉で語ることは許されません。
例えば、「若者の車離れが進んでいると思うので、カーシェアは儲かると思います」なんて言った瞬間に、アウトです。 面接官が聞きたいのは、あなたの「思う」ことではありません。
「国内の20代における免許保有率は、過去10年で〇%低下しているという“事実”があります。このファクトに基づき、所有から利用へのシフトが加速するという“仮説”が立てられます。よって、カーシェア市場は年率△%で成長すると“推定”できます」
このように、事実は事実、仮説は仮説、と明確に切り分け、論理を構築する。この姿勢がない人間は、コンサルタントになる資格がありません。「思う」と言いそうになったら、「考える」「推定する」「仮説を立てる」という言葉に置き換える訓練をしてください。
口グセ2:「要するに」「つまり」思考の浅さを露呈する、焦りの要約
次に危険なのが、議論が少し複雑になったときに飛び出す「要するに」「つまり」という言葉です。
一見、話をまとめていてスマートに見えるかもしれません。しかし、面接官の耳には、こう聞こえています。 「ああ、この人はもう考えるのが辛くなったんだな」と。
この口グセは、複雑な事象をそのまま捉え、構造化して考える「思考の体力」がないことの証明です。優秀なコンサルタントは、物事を決して単純化しません。むしろ、複雑なものを複雑なまま解きほぐし、その構造を明らかにすることに価値を見出します。
安易に「要するに」とまとめる行為は、その過程で重要な論点や繊細なニュアンスを削ぎ落としてしまう、極めて危険な思考のショートカット。あなたがこの言葉を発した瞬間、面接官は「プレッシャーに弱いな」「物事の本質を見誤るタイプだな」と、一瞬で見抜きます。
口グセ3:「一般的には」「普通は」思考の前提を疑えない、紋切り型の思考停止
そして最後。これも無意識に使っている人が多いですが、「一般的には」「普通は」という言葉です。
この言葉が出た瞬間に、あなたの評価は地に落ちます。 なぜなら、コンサルタントの仕事とは、まさにその「一般的」「普通」という常識を疑い、誰も気づかなかった新しい視点(インサイト)を提供することだからです。
トップティアのコンサルティングファームの選考通過率が、わずか数%であることを考えてみてください。「普通」の答えを出すその他大勢の90数%と、同じことを言っていて受かるはずがありません。
「一般的にはこうですが、今回のケースでは〇〇という特殊要因があるため、むしろ逆の△△というアプローチが有効ではないでしょうか?」 ここまで言えて、ようやくスタートラインです。
「一般的には」と言いそうになったら、ぐっとこらえ、「そもそも、その前提は正しいのか?」と自問自答するクセをつけてください。常識を疑うことこそ、コンサルタントの思考の第一歩です。
コンサルの面接官は、あなたの答えそのものよりも、あなたが「どう考えたか」を見ています。そして、言葉は、思考の現れです。
今回挙げた口グセは、あなたの思考プロセスの欠陥を、雄弁に物語ってしまう危険なシグナル。 一度、自分の面接を録音して聞いてみてください。きっと、無意識の自分に愕然とするはずです。 言葉を変えれば、思考も変わる。あなたの健闘を祈ります。
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