【25歳、社会人3年目の方へ】キャリアの迷子になっていませんか?データで紐解く、後悔しないキャリアの築き方

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【この記事はこんな方に向けて書いています】

  • 社会人3年目を迎え、今の会社にこのままいて良いのか漠然と不安な方
  • 周りの同期が転職したり、活躍しているのを見て焦りを感じている方
  • 自分の本当にやりたいことや、強みが何なのか分からなくなっている方
  • キャリアの方向性を真剣に考えたいけど、何から手をつければいいか分からない方
  • 日々の仕事に追われ、将来について考える余裕がないと感じている方

社会人3年目、25歳。仕事にも一通り慣れ、後輩もできて、少し周りを見渡す余裕が出てくる頃ですよね。ふと、「自分はこのままでいいのだろうか?」そんな風に立ち止まってしまうのは、あなただけではありません。実は、多くの社会人が同じようにキャリアの岐路で深く悩んでいます。厚生労働省の調査では、大卒で就職した人のうち約3割が3年以内に離職するというデータもあり、この時期がキャリアを考える上で非常に重要な転換点であることが分かります。

この記事では、なぜ多くの25歳がキャリアに悩むのかをデータと共に解き明かし、その悩みから抜け出して後悔しないキャリアを築くための具体的な3つのステップを、誰にでも分かりやすく解説していきます。この記事を読み終える頃には、漠然とした不安が晴れ、自分の足で未来へ踏み出すための「次の一歩」が明確になっているはずです。もう一人で悩まず、一緒にキャリアの地図を広げていきましょう。

なぜ25歳、社会人3年目はキャリアに悩むのか?【データで見るリアル】

まず初めに、なぜこの時期にキャリアの悩みが増えるのでしょうか。それは決して、あなたの意識が低いからとか、根性がないからではありません。社会構造や心理的な変化が大きく影響している、ごく自然な現象なのです。

結論から言うと、「仕事への慣れ」と「将来への解像度の変化」が、キャリアの悩みを引き起こす大きな要因です。

一つの仕事を3年続けると、大抵の業務は一人でこなせるようになります。いわゆる「一人前」になった状態です。しかし、この「慣れ」は、日々の仕事から新鮮さや成長実感を感じにくくさせる側面も持っています。

実際に、大手転職サービスdodaが実施した「転職理由ランキング」では、20代の転職理由として「給与・待遇に不満がある」に次いで、「将来のキャリアへの不安」が常に上位にランクインしています。

▼20代の転職理由(一部抜粋)

順位転職理由
1位給与・待遇に不満がある
2位将来のキャリアに不安がある
3位会社の将来性に不安がある
4位労働環境(時間・休日など)が悪い

(出典:doda 転職理由ランキングを参考に作成)

入社したての頃は、目の前の業務を覚えることに必死で、将来のことまで考える余裕はなかったかもしれません。しかし3年が経ち、仕事の全体像が見えてくると、「このスキルだけで、10年後も通用するのだろうか?」「もっと自分に向いている仕事があるのではないか?」といった、より長期的で本質的な問いが生まれてくるのです。

また、25歳は「第二新卒」というカードが使える最後のタイミングとも言われ、未経験の職種へキャリアチェンジするなら今がチャンスかもしれない、という焦りが生まれやすい時期でもあります。周りを見渡せば、キャリアアップのために転職していく同期、専門スキルを身につけて活躍する友人、起業する仲間…。SNSを開けば、そんな彼らのキラキラした姿が目に入り、自分だけが取り残されているような感覚に陥ってしまうこともあるでしょう。

このように、25歳、社会人3年目というタイミングは、多くの人がキャリアについて深く内省し、悩み始める「キャリアの思春期」とも言えるのです。ですから、今あなたが悩んでいることは、成長している証拠。まずはその事実を受け止め、安心してください。

キャリアの方向性を見失う3つの落とし穴

多くの人がキャリアに悩む時期だとは言え、その悩みを放置してしまうと、良くない方向へ進んでしまう可能性もあります。ここでは、キャリアの方向性を見失いがちな人が陥る典型的な3つの落とし穴について解説します。自分が当てはまっていないか、少しだけチェックしてみてください。

落とし穴1:他人との比較で自分の軸を見失う

先ほども少し触れましたが、最も陥りやすいのが「他人との比較」です。特にSNSの普及により、私たちは他人の成功の「ハイライト」部分を簡単に見ることができるようになりました。

「同期はもうマネージャーになったのに、自分はまだ平社員だ…」 「友人は海外で活躍しているのに、自分はずっと同じ部署だ…」

こうした比較は、一時的なモチベーションになることもありますが、ほとんどの場合は自己肯定感を下げ、本来自分が大切にしたい価値観や目標を見失わせる原因になります。他人のキャリアは、その人の価値観や得意なことに基づいて築かれたもの。あなたの歩むべき道とは全く違うのです。他人の地図を片手に、自分の山を登ろうとしても、道に迷うのは当然ですよね。

落とし穴2:多すぎる情報に振り回されて動けなくなる

キャリアについて悩み始めると、多くの人が情報収集を始めます。転職サイトに登録したり、キャリアに関する本を読んだり、オンラインセミナーに参加したり。しかし、現代は情報過多の時代です。

「市場価値を高めるならプログラミングスキルが必須!」 「いや、これからはコミュニケーション能力こそが重要だ」 「20代のうちに絶対に転職すべきだ」 「いや、まずは今の会社で3年は頑張るべきだ」

様々な情報に触れるうちに、「どれが本当に正しいの?」「自分は何を信じればいいの?」と混乱し、結局何も行動できなくなってしまう。これは非常にもったいない状態です。情報はあくまで選択肢の一つであり、あなた自身の答えではありません。情報の海で溺れてしまう前に、一旦立ち止まって自分自身と向き合う時間が必要です。

落とし穴3:不満の正体を言語化できていない

「なんとなく今の仕事がつまらない」「今の会社にいても、未来が見えない」

こうした漠然とした不満は、キャリアを見直すきっかけとしては重要です。しかし、この「なんとなく」のまま行動してしまうのは危険です。不満の正体を具体的に言語化できていないと、せっかく転職しても、また同じような理由で悩んでしまう可能性が高くなります。

例えば、「仕事がつまらない」という不満の裏には、

  • 「もっと裁量権のある仕事がしたい」
  • 「自分のアイデアを形にする仕事がしたい」
  • 「人から直接感謝される仕事がしたい」
  • 「単調な作業ではなく、頭を使う仕事がしたい」 といった、様々な本音が隠れているはずです。この本音を自分で理解しない限り、本当に満足できるキャリア選択は難しいでしょう。

後悔しないキャリアを築くための具体的な3ステップ

では、こうした落とし穴を避け、自分らしいキャリアを築いていくためには、具体的に何をすれば良いのでしょうか。難しく考える必要はありません。ここでは、誰でも今日から始められる具体的な3つのステップをご紹介します。

ステップ1:徹底的な「自己分析」で現在地を知る

キャリアの旅に出る前に、まずは自分の「現在地」を正確に把握する必要があります。そのための最強のツールが「自己分析」です。

「自己分析なんて、就活の時にやったきりだよ…」と思うかもしれません。しかし、社会人経験を積んだ今だからこそ、見えてくる自分の姿があるはずです。ここでおすすめしたいのが、「Will-Can-Must」というフレームワークです。

▼Will-Can-Mustフレームワーク

フレームワーク内容具体的な問いかけ
Will (やりたいこと)あなた自身の興味、関心、価値観、情熱・どんな時に「楽しい」「面白い」と感じる?<br>・時間を忘れて没頭できることは?<br>・お金がなくてもやりたいことは?<br>・社会にどんな影響を与えたい?
Can (できること)これまでの経験で培ったスキル、知識、強み・今の仕事で、人から褒められることは?<br>・「ありがとう」と言われることは?<br>・具体的な実績や成果は?(数字で語れると尚良い)<br>・自分では当たり前だと思っているけど、他人からすごいと言われることは?
Must (やるべきこと)会社や社会から期待されている役割、市場の需要・会社はあなたに何を期待している?<br>・今の部署でのあなたの役割は?<br>・3年後、5年後、市場で価値のある人材になるために必要なスキルは?<br>・社会のどんな課題を解決する必要がある?

まずは時間をとって、この3つの円を書き出し、それぞれに当てはまることを思いつく限り書き出してみてください。

理想は、この3つの円が重なる部分を見つけ、そこをキャリアの中心に据えることです。しかし、最初から完璧に重なる人はほとんどいません。まずはそれぞれの円を埋めることで、「自分は意外とこんなことが得意だったんだな(Can)」「本当はこんなことに興味があったんだな(Will)」といった発見があるはずです。この作業が、あなたのキャリアの羅針盤を作る第一歩となります。

ステップ2:客観的な「情報収集」で選択肢を広げる

自己分析で自分の現在地がある程度わかったら、次は「地図」を手に入れる番です。つまり、世の中にどんな選択肢があるのかを知るための情報収集です。

ただし、やみくもにネットサーフィンをするのはNGです。先ほどの「落とし穴2」に陥らないためにも、目的意識を持って情報を集めましょう。

  1. 社内の信頼できる人に相談する まずは身近なところから。少し先のキャリアを歩んでいる、尊敬できる先輩や上司に話を聞いてみましょう。「〇〇さんは、どうやって今のスキルを身につけたんですか?」「3年目の時、どんなことに悩んでいましたか?」といった具体的な質問をすることで、今の会社でのキャリアパスのヒントが得られるかもしれません。
  2. 社外の人に話を聞いてみる 学生時代の友人や、異業種交流会などで出会った人に話を聞いてみるのも有効です。自分とは全く違う環境で働く人の話は、凝り固まった視野を広げてくれます。「そんな働き方もあるんだ!」という発見は、あなたの選択肢を豊かにしてくれるでしょう。
  3. キャリアのプロに相談する 転職を少しでも視野に入れているなら、転職エージェントに登録してキャリアアドバイザーと面談してみるのがおすすめです。彼らは転職市場のプロ。あなたの経歴(Can)を見て、「こんな業界や職種で価値を発揮できる可能性がありますよ」といった客観的なアドバイスをくれます。すぐに転職するつもりがなくても、自分の市場価値を測る良い機会になります。

ここでのポイントは、「情報を鵜呑みにしない」こと。あくまで他人の意見や情報は、自分の地図をアップデートするための参考材料と捉え、最終的にはステップ1で考えた自分の「Will-Can-Must」と照らし合わせて判断することが大切です。

ステップ3:「小さな実験」で行動してみる

自己分析と情報収集で進みたい方向性がぼんやりと見えてきたら、いよいよ行動です。とはいえ、いきなり「転職するぞ!」「起業するぞ!」と大きな決断をする必要はありません。むしろ、それはリスクが高い選択です。

おすすめは、「小さな実験(スモールステップ)」を繰り返すことです。

  • 興味のある分野の関連書籍をまずは1冊読んでみる
  • オンライン学習プラットフォームで、気になる講座を一つ受講してみる
  • 今の会社で、少しだけ領域の違うプロジェクトに手を挙げてみる
  • 副業OKの会社なら、週末だけ関連する仕事を手伝ってみる

こうした小さな実験のメリットは、低リスクでリアルな感触を確かめられることです。本を読んでみて「やっぱりこの分野は面白い!」と思えるかもしれないし、オンライン講座を受けてみて「思ったより自分には向いていないかも…」と感じるかもしれません。

そのどちらも、あなたにとっては大きな収穫です。行動することでしか、机上の空論だったものが、自分にとっての「リアル」にはなりません。小さな実験を繰り返し、方向修正をしながら、少しずつ本当に進みたい道へと近づいていきましょう。

20代のキャリアプランは「決めすぎない」が正解

ここまでキャリアの方向性を見つけるためのステップを解説してきましたが、最後に一つだけ大切なことをお伝えします。それは、「キャリアプランを完璧に決めすぎない」ということです。

私たちはつい、「5年後にはマネージャーになり、10年後には部長になる」といった直線的なキャリアプランを描きがちです。しかし、現代は変化の激しい「VUCA」の時代。5年後、10年後に今の仕事が同じ形で存在している保証はどこにもありません。

そこで重要になるのが、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提唱した「計画的偶発性理論(プランド・ハップンスタンス・セオリー)」という考え方です。

これは、「個人のキャリアの8割は、予期しない偶発的な出来事によって決定される」という理論です。そして、その偶然をただ待つのではなく、意図的に生み出し、キャリアのチャンスに変えていこう、というポジティブな考え方です。

では、どうすれば良い偶然を引き寄せられるのか。クランボルツ教授は5つの行動指針を挙げています。

  1. 好奇心 (Curiosity):常に新しい学びの機会を探求する
  2. 持続性 (Persistence):失敗しても諦めずに努力し続ける
  3. 楽観性 (Optimism):新しい機会は必ず実現できると信じる
  4. 柔軟性 (Flexibility):こだわりを捨て、状況に合わせて姿勢や考えを変える
  5. 冒険心 (Risk-Taking):結果が不確かでも、恐れずに行動を起こす

完璧な計画を立てることに時間を使いすぎるよりも、目の前の仕事や、少しでも興味を持ったことに全力で取り組んでみる。その中で生まれた人との出会いや、予期せぬ出来事が、あなたのキャリアを思いもよらない素晴らしい方向へ導いてくれるかもしれません。

25歳という年齢は、キャリアの土台を作る大切な時期であると同時に、いくらでもやり直しがきく、可能性に満ち溢れた時期でもあります。

焦る必要はありません。周りと比べる必要もありません。

まずはこの記事で紹介した3つのステップ、「自己分析」「情報収集」「小さな実験」から、何か一つでも始めてみませんか?

あなたのキャリアは、あなただけのものです。自分自身の心の声に耳を傾け、自分だけの地図を、自分のペースで描いていってください。応援しています。

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