文系でも、パソコン苦手でも大丈夫。IT業界の扉を開くための5つのステップ

【この記事はこんな方に向けて書いています】

文系出身で、IT業界は理系の世界だと思い込んでいる方
パソコン操作に苦手意識があり、ITの仕事なんて無理だと諦めている方
今の仕事に将来性を感じず、キャリアチェンジを考えている方
IT業界に興味はあるけど、何から始めたらいいか全く分からない方

「IT業界への転職」と聞くと、あなたはどんなイメージを持ちますか？「理系じゃないと無理」「一日中パソコンと向き合うなんて…」「プログラミングとか、意味がわからない」。そんな風に感じて、自分には縁のない世界だと最初から諦めてしまっていませんか？でも、もしその考えが、ただの「思い込み」だとしたら…。結論からお伝えします。文系出身でも、パソコンが苦手でも、正しいステップを踏めばIT業界で活躍することは十分に可能です。 なぜなら、今のIT業界は深刻な人手不足にあり、多様なバックグラウンドを持つ人材を求めているからです。そして、あなたが思っている以上に「プログラミングをしないITの仕事」はたくさんあり、そこではむしろ文系ならではの強みが大きな武器になります。この記事では、そんなあなたのための「IT業界の扉を開くための完全ロードマップ」を、5つの具体的なステップに分けて、誰にでも分かるように徹底解説します。この記事を読み終える頃には、IT業界への漠然とした不安は消え、「私でもできるかも！」という希望と、明日から何をすべきかという具体的な行動計画が手に入っているはずです。

なぜ「文系・PC苦手」でもIT業界が狙い目なのか？

「本当に自分でも大丈夫なの？」という声が聞こえてきそうです。まずは、その不安を解消するために、なぜ今、文系出身者やパソコンに苦手意識がある人にこそIT業界がチャンスなのか、その理由をデータと共に見ていきましょう。

理由1：IT業界はもはや「理系だけの世界」ではない

「IT業界＝理系の巣窟」というのは、もはや過去の話です。独立行政法人情報処理推進機構（IPA）が発行した「IT人材白書2020」によると、IT企業の社員の最終学歴における専攻分野は、情報系（理系）が約6割、文系・その他が約4割というデータが出ています。つまり、IT業界で働く人の5人に2人は文系出身者なんです。これは、ITが社会のあらゆる場面に浸透し、単なる技術力だけでなく、顧客の課題を理解する力や、プロジェクトを円滑に進めるコミュニケーション能力の価値が非常に高まっていることを示しています。

理由2：深刻な「人手不足」が追い風になっている

ニュースでも度々報じられていますが、IT業界は深刻な人手不足に直面しています。経済産業省の調査では、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されています。企業側も「理系の経験者」だけを待っていては事業が成り立ちません。そのため、未経験者や文系出身者であっても、ポテンシャルや学習意欲を重視して採用し、入社後に研修で育てていこうという流れが加速しているのです。これは、まさに今がIT業界に飛び込む絶好のチャンスであることを意味しています。

理由3：「文系の強み」が大きな武器になる

意外に思われるかもしれませんが、文系で培われたスキルはITの現場で非常に重宝されます。

文系の強み	IT業界で活かせる場面
コミュニケーション能力	顧客の要望をヒアリングしたり、チーム内の意見をまとめたりする場面
読解力・文章作成能力	複雑な仕様書を読み解いたり、誰にでも分かりやすい設計書やマニュアルを作成したりする場面
論理的思考力	物事の因果関係を捉え、筋道を立てて説明する力は、問題解決やプレゼンテーションで必須
課題発見・解決能力	顧客が抱える本質的な課題を見つけ出し、ITを使った解決策を提案する場面

このように、技術力だけでは解決できない課題に対して、文系ならではの視点やスキルが求められるシーンは数多く存在します。

目指せる職種はコレ！文系におすすめのIT職5選

「文系でも大丈夫なのは分かったけど、具体的にどんな仕事があるの？」と思いますよね。ここでは、プログラミングスキルが必須ではない、あるいは比較的少ない学習で目指せる、文系出身者に特におすすめの職種を5つご紹介します。

職種名	仕事内容	こんな人におすすめ	平均年収（目安）
ITセールス	自社のITサービスや製品を、課題を抱える企業に提案・販売する仕事。	人と話すのが好き。営業や接客の経験を活かしたい。	400万～700万円
Webマーケター	WebサイトやSNSを使い、商品やサービスが売れる仕組みを作る仕事。データ分析や企画立案が中心。	流行に敏感。データを分析して戦略を考えるのが好き。	400万～650万円
ITコンサルタント	企業の経営課題をヒアリングし、ITを活用した解決策を提案・実行支援する仕事。	論理的に物事を考えるのが得意。課題解決にやりがいを感じる。	500万～900万円
ITサポート/ヘルプデスク	社員や顧客からの「PCが動かない」「システムの使い方が分からない」といった問い合わせに対応する仕事。	人の役に立つのが好き。丁寧に物事を教えるのが得意。	300万～500万円
テスター/QAエンジニア	完成したシステムやアプリが、設計書通りに正しく動くかテスト・検証する仕事。品質を守る最後の砦。	細かい作業が得意。間違い探しや、コツコツ進めるのが好き。	350万～550万円

（※年収データは各種求人サイトの情報を参考に作成）

これらの職種は、IT業界への入り口として最適です。まずはここからキャリアをスタートし、実務経験を積みながら、より専門的な職種へステップアップしていく道も開かれています。

【完全ロードマップ】IT業界の扉を開く5つのステップ

さあ、ここからが本題です。IT業界への扉を開くための具体的な5つのステップを、一つひとつ見ていきましょう。焦らず、自分のペースで進めることが大切です。

STEP1：まずは「ITアレルギー」を克服する

パソコンが苦手な人が最初に取り組むべきは、プログラミングの学習ではありません。まずは、ITに対する漠然とした苦手意識、いわば「ITアレルギー」を克服することです。

そこでおすすめなのが、「ITパスポート」の勉強を始めてみることです。これは、ITに関する基礎的な知識を証明する国家試験です。「いきなり試験！？」と驚かないでください。目的は資格を取ること自体よりも、ITの世界で使われる基本的な言葉や仕組みを、体系的に学ぶことにあります。参考書を1冊読んでみるだけでも、「AI」「クラウド」「データベース」といった、ニュースで何となく聞いていた言葉の意味が分かり、ITの世界が少し身近に感じられるはずです。合格率は約50%と、国家試験の中では比較的優しく、文系出身の合格者も非常に多いのが特徴です。

STEP2：自分の「強み」と「興味」を再発見する

次に、あなた自身の経験を棚卸ししてみましょう。これまでの仕事で、あなたが当たり前にやってきたことの中に、IT業界で活かせる「強み」が必ず隠されています。

営業職なら → 顧客との交渉力や課題ヒアリング力は「ITセールス」や「ITコンサルタント」に直結します。
事務職なら → 資料作成能力や業務の正確性は「ITサポート」や「テスター」で高く評価されます。
販売職なら → どうすれば商品が売れるかを考えた経験は「Webマーケター」の企画力に繋がります。

過去の経験をIT業界の仕事と結びつけることで、志望動機に深みが増し、面接でも説得力のあるアピールができます。

STEP3：小さく始める「スキル学習」

ITの基礎知識が身につき、自分の方向性が見えてきたら、いよいよスキルの学習です。しかし、ここでいきなり高額なスクールに申し込むのは禁物。まずは、無料で始められる、あるいは低価格で試せるサービスから「小さく始めてみる」のが挫折しないコツです。

プログラミング的思考に触れてみたいなら → Progateやドットインストールといった学習サイトのスライドや動画で、Webサイトが作られる仕組みを体験してみましょう。
Webマーケティングに興味があるなら → 自分で無料のブログを開設してみたり、SNSアカウントを戦略的に運用してみたりするのも立派な学習です。

大切なのは、完璧を目指さないこと。「少しだけ触ってみる」くらいの軽い気持ちで、IT技術に慣れ親しんでいきましょう。

STEP4：「仲間」と「情報」を見つける

一人での学習は、どうしてもモチベーションが続かなかったり、間違った方向に進んでしまったりしがちです。そこで重要になるのが、仲間と情報です。

X（旧Twitter）などのSNSで、「#駆け出しエンジニアと繋がりたい」といったハッシュタグを検索してみてください。同じようにIT業界を目指して頑張っている仲間がたくさん見つかります。彼らの学習記録は刺激になりますし、情報交換をすることで、有益な知識を得ることもできます。また、connpassなどのサイトで、未経験者向けのオンライン勉強会やイベントを探して参加してみるのもおすすめです。現役で働く人のリアルな話を聞くことは、何よりも貴重な経験になります。