【やめとけは嘘?】未経験からSESはアリかナシか?天国と地獄を分ける企業選び

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【この記事はこんな方に向けて書いています】

  • 未経験からITエンジニアを目指しているが、自社開発やWeb系企業への就職に苦戦している。
  • 「未経験歓迎!」を謳うSES企業への就職が、唯一の選択肢かもしれないと感じている。
  • ネットで「SESはやめとけ」という評判を見て、不安と恐怖を感じている。
  • SES業界の「良い面(天国)」と「悪い面(地獄)」を、包み隠さず、具体的に知りたい。
  • もしSESに入るなら、絶対に失敗しない「優良企業」の見分け方を教えてほしい。

プログラミングを学び、ポートフォリオを作り、いざ、憧れのIT業界へ。 しかし、Web系や自社開発の優良企業からの返事は、無情にも「お祈りメール」ばかり…。そんな絶望の淵で、あなたは一筋の光を見つけます。

「未経験者、大歓迎!充実の研修で、あなたもITエンジニアに!」

それは、多くの場合、「SES(システムエンジニアリングサービス)」と呼ばれる企業の求人です。それは、まるで、閉ざされた扉の向こうから差し伸べられた、救いの手のように見えるかもしれません。 しかし、同時に、あなたの頭をよぎるのは、ネットに渦巻く不吉な噂。「SESは闇が深い」「エンジニアの墓場だ」「使い捨てにされるぞ」…。

一体、どちらが本当なのか? 「やめとけ」という声は、真実なのか、それとも、ただの脅しなのか?

結論から言います。未経験からSESに入るという選択は、「天国」にも「地獄」にもなり得ます。 そして、その運命を分けるのは、あなたの運ではありません。それは、SESというビジネスモデルの本質を理解し、正しい知識を持って「企業を選ぶ」ことができるかどうか、ただそれだけにかかっているのです。

この記事では、AIが生成するような一般論ではありません。私がこの業界で見てきた、数多くのエンジニアたちのリアルな「天国と地獄」の姿を、具体的な事例と共に描き出します。そして、あなたが「地獄」を避け、「天国」への切符を手にするための、超具体的な企業選びの羅針盤を授けます。

なぜ「SESはやめとけ」と言われるのか?キャリアが詰む「地獄」のシナリオ

まず、なぜこれほどまでにSESの評判が悪いのか。その理由を、あなたが「ハズレ」のSES企業(いわゆるブラックSES)に入ってしまった場合の、典型的な「地獄」のシナリオから見ていきましょう。

地獄1:希望を無視した「案件ガチャ」

あなたは「Webアプリ開発がしたい」という夢を抱いて入社します。しかし、会社の営業担当者は、あなたのキャリアなどお構いなし。会社の利益のためだけに、あなたを「商品」として、人手が足りないプロジェクトに送り込みます。 その結果、あなたが配属されたのは、古い銀行システムのテスト案件。来る日も来る日も、Excelの仕様書を眺め、同じ画面をひたすらクリックするだけの毎日。プログラミングの「プ」の字もありません。

地獄2:成長なき「塩漬け」の日々

テスト案件を1年続けたあなたは、当然、プログラミングスキルは全く向上していません。それどころか、スクールで学んだ知識さえ、忘れかけています。 あなたは営業担当者に「開発がしたいです」と訴えます。しかし、営業担当者はこう言います。 「君に紹介できる開発案件はないよ。だって、開発経験がないじゃないか」 こうして、あなたは「開発経験がないから、テスト案件しかできない」「テスト案件しかやらないから、開発経験が積めない」という、絶望的な負のループに陥ります。これが、キャリアの「塩漬け」です。

地獄3:孤独な「常駐先」と、無関心な「自社」

あなたの働く場所は、クライアントである常駐先。自社の先輩も同僚も、そこにはいません。質問できる相手もおらず、孤独に耐えながら、言われた作業をこなすだけ。 月に一度、自社の営業担当者が「最近どう?」と顔を出しますが、あなたのキャリアの悩みには、何の興味も示してくれません。教育研修制度もなく、あなたは、誰からも評価されず、誰からも育てられず、ただ時間だけが過ぎていく無力感に苛まれるのです。

これが、「SESはやめとけ」と言われる、紛れもない現実の一側面です。このような企業に入ってしまえば、あなたのエンジニアとしてのキャリアは、始まる前に終わってしまうでしょう。


一方で、なぜ「アリ」なのか?キャリアが飛躍する「天国」のシナリオ

しかし、物語には、もう一つの側面があります。 あなたが、もし、本当の意味で「優良」なSES企業に入ることができたなら、その経験は、他のどの企業でも得られない、最高の「天国」のチケットになり得るのです。

天国1:多様な現場を経験できる「武者修行」

優良なSES企業は、あなたのキャリアプランを第一に考えます。 「最初の1年は、A社のECサイト開発で、Javaの基礎を固めよう」 「次の2年目は、B社のFintechサービスで、モダンなGo言語に挑戦してみよう」 このように、自社開発企業では決して経験できない、多様な業界、多様な技術、多様な開発文化に、若いうちから触れることができます。これは、あなた自身の「本当にやりたいこと」を見つける上で、最高の「武者修行」になります。

天国2:普通なら入れない「大企業」のプロジェクトに参加

新卒や未経験者が、いきなりGoogleや、メガバンクの基幹システム開発に、正社員として入ることは、ほぼ不可能です。 しかし、優良なSES企業は、そうした大企業と、長年の信頼関係に基づいた太いパイプを持っています。SESという立場だからこそ、あなたは、日本を代表するような企業の、大規模で、最先端のプロジェクトに、内部から関わることができるのです。トップレベルのエンジニアたちの働き方を、間近で学べる。これは、お金には代えがたい、貴重な経験です。

天国3:手厚い「教育」と「キャリアサポート」

優良なSES企業は、エンジニアを「資産」として捉えています。だからこそ、その育成に、本気で投資をします。

  • 充実した研修制度: 入社後の数ヶ月間、給与をもらいながら、専任の講師から実践的な研修を受けられる。
  • 手厚いキャリア面談: 自社のマネージャーが、あなたの常駐先に定期的に足を運び、キャリアの悩みを親身に聞き、次のステップを一緒に考えてくれる。
  • 資格取得支援・書籍購入制度: あなたの「学びたい」という意欲を、会社が金銭的にサポートしてくれる。

このように、会社があなたの成長を全力でバックアップしてくれる環境は、放置主義の自社開発企業よりも、遥かに恵まれていることさえあるのです。


天国と地獄の分かれ道:本物の「優良SES企業」を見抜く5つの質問

では、どうすれば、地獄のような「ブラックSES」を避け、天国のような「優良SES」を見つけ出すことができるのでしょうか。 求人票の「未経験歓迎!」の言葉に騙されてはいけません。 面接の場で、勇気を出して、以下の「5つの魔法の質問」をしてみてください。その答え方で、企業の正体は、ほぼ見抜くことができます。

  1. 「御社では、エンジニアのキャリアパスについて、営業担当者様と、どのような頻度・方法で話し合う機会がありますか?」 → 答えが曖昧だったり、「案件次第ですね」と返されたりしたら要注意。「月に一度、必ず1時間の1on1面談を実施しています」など、具体的な制度を語れるかどうかがポイント。
  2. 「もし、私の希望と異なるプロジェクトに配属された場合、希望のプロジェクトに移るための、具体的な仕組みやルールはありますか?」 → 「本人の努力次第です」といった精神論ではなく、「半期に一度の評価面談で、次の案件希望を提出できます」といった、具体的な「異動の仕組み」があるかを確認する。
  3. 「未経験者向けの研修プログラムについて、具体的な期間や、カリキュラムの内容を教えていただけますか?」 → 研修制度の有無だけでなく、その「質」を見極める質問。カリキュラムが体系化されており、専任の講師がいるかどうかが重要。
  4. 「エンジニアの方々の、資格取得支援や、書籍購入、勉強会への参加を支援する制度はありますか?」 → エンジニアの自己学習に、会社がどれだけ投資する姿勢があるかを見る。具体的な予算額まで答えられる会社は、信頼度が高い。
  5. 「御社のエンジニアの『待機期間』は、平均してどのくらいですか?また、その間の給与や、過ごし方について教えてください」 → 最も答えにくい、核心を突く質問。待機期間の給与保証がしっかりしており、その期間を「研修期間」として有効活用する仕組みがある会社は、間違いなく優良企業です。

これらの質問に、自信を持って、そして誠実に答えられる会社。それが、あなたのキャリアのスタート地点として、選ぶべき企業です。

未経験からSESに入ることは、決して「逃げ」でも「妥協」でもありません。 それは、正しい企業さえ選べば、最も効率的に、そして最も多様な経験を積みながら、本物のエンジニアへと成長できる、極めて戦略的な「ジャンプ台」になり得るのです。 どうか、世間の無責任な「やめとけ」という言葉に惑わされず、あなた自身の目で、その本質を見極めてください。

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