【コンサルが断言】未経験からITコンサルになるための思考法

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【この記事はこんな方に向けて書いています】

  • 営業、マーケティング、経理、人事など、非IT職種でキャリアを積んできた方
  • 「ITコンサルタント」という職業に興味があるが、技術的な素養がなく諦めている方
  • 今の仕事の専門性を活かして、より上流で、よりインパクトの大きな仕事がしたい方
  • 未経験からの転職を成功させるための、具体的な戦略と道筋を知りたい方

「ITコンサルタント」 企業の経営課題を、ITの力でダイナミックに解決する、知的でやりがいに満ちた仕事。しかし、その華やかなイメージとは裏腹に、多くの人がこう考えています。 「私にはプログラミングの経験も、システム開発の知識もない。ITコンサルタントなんて、自分とは無縁の世界だ」と。

もし、あなたが少しでもそう感じているのなら、この記事はあなたのためのものです。 結論から申し上げましょう。未経験からITコンサルタントになることは、明確に「可能」です。そして、驚くべきことに、あなたの「非IT職種での経験」こそが、時に他の誰にも真似できない「最強の武器」にさえなり得るのです。

例えるなら、ITコンサルタントの仕事は、名医の仕事に似ています。名医に必要なのは、医療機器(ITツール)を自ら製造する能力でしょうか?いいえ、違います。患者(クライアント)の症状を正確に「診断」し、その病気の根本原因を突き止め、最適な「治療法(解決策)」を提示する能力です。

この記事では、なぜ今、ITコンサルティング業界があなたのような「非IT人材」を求めているのか、その構造的な理由をデータと共に解き明かします。そして、あなたの経験を「最強の武器」に変え、未経験というハンデを乗り越えるための、具体的な戦略的ロードマップを提示します。

なぜ今、ITコンサル業界は「未経験者」を求めているのか?

「専門家集団であるはずのコンサルファームが、なぜ未経験者を採用するのか?」 その背景には、避けては通れない、2つの大きな市場の変化が存在します。

1. 爆発するDX需要と、深刻なIT人材不足 あらゆる企業にとって、DX(デジタルトランスフォーメーション)が、もはや避けては通れない経営課題となっています。その結果、企業のIT戦略を支援するコンサルタントの需要は、爆発的に増加しています。経済産業省の試算では、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されており、特に上流工程を担える人材の獲得は、コンサルティングファームにとって最重要課題なのです。もはや、ITバックグラウンドを持つ人材だけでは、到底需要に追いつかないのです。

2. 求められるスキルの「ビジネスサイドへのシフト」 かつてのITコンサルタントには、特定のシステムに関する深い技術的知識が求められました。しかし、現代のDXで求められるのは、技術そのものではなく、「技術を“使って”、いかにビジネスを変革するか」という知恵です。 そのためには、営業、マーケティング、会計、人事といった、ビジネスの現場(業務プロセス)を深く理解している人材が不可欠となります。「この業務の、どこに、どんな課題があるのか」という現場の「痛み」を、誰よりもリアルに知っている。その知見こそが、的確な「診断」を下すための、何よりの拠り所となるのです。

あなたの「非IT経験」が「最強の武器」に変わる瞬間

あなたは、自分の経験を「ITとは無関係だ」と思っているかもしれません。しかし、それは大きな誤解です。あなたの経験は、特定のITコンサルティングの領域において、他の誰にも負けない「専門性」として輝きます。

あなたの現在の職種あなたが持つ「強み」(業務知識)活躍できるITコンサルティング領域の例
営業職顧客管理、商談プロセス、営業KPI、SFA/CRMツールのユーザーとしての経験SFA/CRM導入支援コンサルタント→現場が本当に「使える」営業支援システムの要件定義を主導できる
経理・財務職決算業務、予算管理、原価計算、会計基準への理解、ERPツールのユーザーとしての経験ERP(基幹システム)導入・刷新コンサルタント→複雑な会計要件を整理し、新しい基幹システムの設計を支援できる
マーケティング職WEB広告運用、SEO、顧客データ分析、MAツールのユーザーとしての経験MA(マーケティングオートメーション)導入支援コンサルタント→データに基づいたマーケティング戦略の立案と、それを実現するツールの導入を支援できる
人事職採用、労務管理、給与計算、人事評価制度への理解、タレントマネジメントシステムのユーザーとしての経験HRテック導入支援コンサルタント→企業の「人」に関する課題を、最新のITツールで解決する支援ができる

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いかがでしょうか。 名医が、内科、外科、眼科といった専門分野を持つように、あなたもまた、これまでのキャリアを通じて、特定のビジネス領域における「専門医」としての素養を、既に身につけているのです。ITコンサルタントとは、その専門性に「IT」という新しいメス(治療法)を掛け合わせ、より高度な治療を行える医師へと進化するキャリアなのです。

それでも最低限必要な3つのスキルセット

もちろん、業務知識さえあれば誰でもITコンサルタントになれるわけではありません。未経験から挑戦する上で、意識的に習得すべき、3つの基本的なスキルセットが存在します。重要なのは、これらはすべて、現職の仕事を通じて、今日からでも鍛えることができるという点です。

1. 論理的思考力(ロジカルシンキング) これは、コンサルタントにとっての「共通言語」です。物事を構造的に捉え、原因と結果を明確にし、誰にでも分かりやすく説明する能力。これは、特定の書籍(例えば『ロジカル・シンキング』など)を読み、日々の業務報告やメール作成の際に「結論から話す(書く)」「理由は3点です、と構造化する」といった訓練を繰り返すことで、着実に向上します。

2. ITの基礎知識 プログラミングを学ぶ必要は、全くありません。ここで言う基礎知識とは、現代のビジネスを語る上での「必須教養」としてのIT知識です。 「クラウド」「SaaS」「API」「データベース」といったキーワードが、それぞれ何を意味し、ビジネスにどんなメリットをもたらすのかを、自分の言葉で説明できるレベルを目指しましょう。これらは、専門書を読むよりも、IT系のニュースサイトや入門者向けのWeb記事、書籍を読むことで、十分に習得可能です。

3. ドキュメンテーション能力 コンサルタントの仕事の多くは、クライアントへの提案や報告といった「ドキュメント」を通じて行われます。特に、パワーポイントやエクセルを使って、複雑な情報を、一目で理解できる形に整理・可視化する能力は不可欠です。これもまた、日々の会議資料を作成する際に、「どうすれば、もっと伝わるか?」という視点を常に持つことで、鍛錬することができます。

未経験からITコンサルになるための4ステップ・ロードマップ

それでは、最後に、あなたの転職を成功させるための具体的な4つのステップを提示します。

Step 1:現職で「業務のプロ」になる まずは、焦って転職活動を始めるのではなく、今の仕事で、誰にも負けない「業務のプロ」を目指しましょう。「この業務のことなら、〇〇さんに聞けば間違いない」と、社内で認知されるレベルになることが、あなたの「専門医」としての価値を証明する、何よりの証拠となります。

Step 2:「論理とITの言葉」を学ぶ 前述の3つのスキルセットを、現職の仕事と並行して、意識的に学習します。資格取得などを目標にすると、モチベーションを維持しやすいかもしれません。(例:ITパスポート、基本情報技術者試験など)

Step 3:社内で「ブリッジ経験」を積む もし可能であれば、自社の情報システム部門が関わるプロジェクトに、業務部門の代表として参加させてもらうなど、ITとビジネスの「架け橋」となるような経験を積みましょう。この「ブリッジ経験」は、職務経歴書の上で、あなたのポテンシャルを強力にアピールする材料となります。

Step 4:「なぜITコンサルなのか」という軸を語る 面接では、必ず「なぜ、今の仕事ではなく、ITコンサルタントなのですか?」と問われます。ここで、あなたがこれまで培ってきた業務知識(専門性)と、これからITの力で実現したいこと(志望動機)を、一貫したストーリーとして語ることが重要です。 「〇〇の業務に長年携わる中で、IT化の遅れが原因で、多くの非効率が生まれていることを痛感しました。この原体験に基づき、今後はより多くの企業の〇〇業務を、ITの力で変革する専門家になりたいと考えています」といったように、あなた自身の言葉で、熱意と論理性を伝えましょう。

最後に:あなたの経験は、未来へのパスポートだ

ITコンサルタントに求められる最も重要な能力は、技術力そのものではありません。それは、クライアントが抱える、混沌としたビジネス上の課題(Issue)を、解決可能なITの課題へと「翻訳(Translate)」する能力です。

そして、その「翻訳」の精度は、翻訳対象であるビジネス(業務)への、深く、リアルな理解度にかかっています。 その点において、あなたの非IT職種での経験は、ハンディキャップなどでは断じてなく、むしろ、あなたの未来のキャリアを拓くための、輝かしい「パスポート」なのです。

扉は、あなたが思っているよりも、ずっと大きく開かれています。 自信を持って、その第一歩を踏み出してください。


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