
【この記事はこんな方に向けて書いています】
- 入社して早々、「上司が嫌だ」という理由で本気で会社を辞めたいと思っている新卒・若手社員の方
- 「上司ガチャにハズレた」と、すべての不満を上司や環境のせいにしている方
- すぐに「辞める」という選択肢に飛びつきがちな、自分の甘さを自覚している方
- どうしても現状が辛く、辞めるにしても賢く、後悔しない方法を知りたい方
「あの上司、マジで無理。もう会社辞めたい…」
社会人になって数ヶ月。期待に胸を膨らませていた日々は遠い昔。今、あなたの頭の中は、特定の「上司」に対する不満と嫌悪感でいっぱいなのではないですか?その気持ち、痛いほどわかります。私もそんな時期がありましたから。
だから、そんなあなたへの答えは、もうタイトルに書いてある通りです。 嫌なら、やめれば?
あなたの人生です。合わない会社、嫌いな上司のために心をすり減らす必要なんて、1ミリもありません。さっさと辞めて、次のステージに行けばいい。
…と、ここで思考停止しているなら、あなたは極めて危険です。 その安易な「やめる」という決断が、あなたの社会人人生をいきなりハードモード、いや、地獄モードに突き落とす可能性があることに、あなたは気づいてすらいない。
この記事は、そんなあなたの甘ったれた幻想を粉々に打ち砕くための「劇薬」です。辞めるな、とは言いません。ですが、辞める前に考えるべきこと、そして安易な決断がもたらす悲惨な末路について、一切のオブラートに包まず、厳しく、そして具体的に語っていきます。
まず現実を見ろ。新卒の3割は3年以内に辞めているという事実
まず、あなたに知っておいてほしい客観的なデータがあります。 厚生労働省が発表している「新規学卒就職者の離職状況」によると、大学を卒業して就職した人のうち、3年以内に離職する割合は、なんと約32%にも上ります。
つまり、3人に1人は、あなたと同じように、あるいは別の理由で、3年経たずに会社を去っているのです。 「なんだ、辞めるのって普通じゃん」 そう思いましたか?だとしたら、あなたは物事の表面しか見ていません。
問うべきは、そこではありません。 重要なのは、「残りの約7割の人間は、なぜ辞めずに働き続けているのか?」を考えることです。 彼ら全員が、素晴らしい上司に恵まれ、仕事が楽しくて仕方ない、なんてお花畑な状況だと思いますか?そんなわけがないでしょう。彼らだって、理不尽な上司に頭を下げ、つまらない仕事に耐え、時には「辞めたい」と思いながらも、歯を食いしばって何かを得ようとしているのです。
あなたが「辞める3割」の側に行くのか、それとも「踏みとどまる7割」の側に立つのか。その選択の先に、全く異なる未来が待っています。
あなたの「嫌い」はどのレベル?主観的な感情と客観的な問題を切り分けろ
「上司が嫌だ」という、その一言。 少し立ち止まって、その感情を解剖してみましょう。あなたのその「嫌い」は、一体どのレベルの話ですか?
レベル1:単なる「好き嫌い」や「価値観の不一致」
・話し方や態度が、なんとなく気に食わない。
・仕事の進め方が、自分のやり方と違う。
・指導が厳しい、もっと優しく教えてほしい。
・プライベートな話をされるのが、単純に不快。
もし、あなたの悩みがこのレベルなら、はっきり言って、あなたの考えが甘すぎます。 社会とは、あなたの好きな人間だけで構成された快適な空間ではありません。むしろ、嫌いな人間、価値観の合わない人間と、いかに協力して成果を出すかを学ぶ場所です。その程度のことで「辞めたい」と言うのは、ただのワガママであり、社会人としての責任放棄です。
レベル2:明確な「パワハラ」や「違法行為」
・「使えない」「給料泥棒」など、人格を否定する暴言を日常的に浴びせられる。
・人前で執拗に叱責され、精神的に追い詰められる。
・暴力や、身体的な苦痛を伴う行為がある。
・明らかに達成不可能なノルマを課せられたり、過度な残業を強要されたりする。
もし、あなたの状況がこちらに当てはまるなら、話は全く別です。 それはもはや「嫌い」という感情の問題ではなく、あなたの心身の安全を脅かす「事件」です。すぐに人事部や、社内のコンプライアンス窓口、あるいは社外の労働基準監督署などに相談してください。そこから逃げ出すのは、あなたの正当な権利です。一刻も早く、自分の身を守る行動を取ってください。
問題なのは、多くの新卒が、レベル1の「主観的な不満」を、レベル2の「客観的な問題」だと勘違いし、「辞める」という安易な結論に飛びついてしまうことなのです。
「上司ガチャ」という言葉に逃げるな。あなたに成長の機会はないのか?
最近、「上司ガチャ」という便利な言葉が流行っていますね。 この言葉は、自分の不幸をすべて「運が悪かっただけ」と片付け、思考停止に陥るための、最高の言い訳です。
本当に、その上司は「ハズレ」で、学べることはゼロなのでしょうか?
例えば、口うるさい上司は、それだけ仕事のクオリティにこだわっているプロフェッショナルかもしれません。彼の指摘の一つ一つに、あなたがまだ知らない仕事の「勘所」が隠されている可能性はないですか?
理不尽に見える要求も、実はその先にいる顧客の、さらに厳しい要求に応えるための訓練なのかもしれません。
嫌な人間からでも、スキルは盗めます。「ああはなりたくない」という反面教師として、彼の失敗から学ぶことだってできるはずです。 その上司との関係性の中に、あなたにとっての成長の機会が1ミリもないと、本気で言い切れますか?
そして、もう一つ。 あなた自身の行動に、問題は一切なかったのでしょうか? 報告・連絡・相談を怠っていませんか?ミスを隠したり、言い訳したりしていませんか?教えを請う態度に、謙虚さはありましたか? 「自分は100%正しくて、悪いのは全部上司だ」 もし、そう信じて疑わないのであれば、その傲慢さこそが、あなたを成長から遠ざけている最大の原因です。
【第二新卒の現実】安易に辞めたあなたを待つ「次」の世界
それでもあなたは「辞める」と言うかもしれません。 では、そんなあなたを、次の会社はどんな目で見るでしょうか。
第二新卒の採用市場は、決して甘くありません。企業が第二新卒に期待するのは、「基本的なビジネスマナー」と「社会人としてのポテンシャル」です。 しかし、それと同時に、採用担当者が最も懸念すること。それは、「この人は、うちでもまたすぐに辞めるんじゃないか?」という一点です。
面接で、あなたはこう言うでしょう。 「前職は、上司と合わなくて…」 その瞬間、面接官の頭には「忍耐力のない人間」「環境適応能力の低い人間」「自分のことを客観視できない人間」というレッテルが貼られます。
考えてもみてください。 社会人経験は数ヶ月、スキルも実績もゼロ。その上、人間関係を理由に早々にキャリアを投げ出した人間に、誰が好条件のオファーを出したいと思いますか? 結局、あなたを採用してくれるのは、「誰でもいいから頭数が欲しい」と考えている、今と同じか、それ以下のレベルの会社である可能性が非常に高い。そして、あなたはまた同じように「上司が嫌だ」と愚痴をこぼし、転職を繰り返す負のループに陥るのです。
どうしても辞めるなら、これだけはやってからにしろ。賢者の退職戦略
もし、これまでの話をすべて理解した上で、それでも「辞める」という決断が揺るがないのであれば、止めはしません。 ただし、愚か者のように無計画に辞表を叩きつけるのではなく、賢者としての最低限の戦略を持って臨んでください。
1. 「実績」という名の、次の会社への手土産を作る
「上司が嫌で辞めました」では、次の面接で語れることは何もありません。 「〇〇という厳しい上司の元でしたが、必死に食らいつき、〇〇というプロジェクトを成功させました」 この一言が言えるかどうかで、あなたの市場価値は天と地ほど変わります。どんなに小さくてもいい。辞める前に、あなたがその会社にいた証となる「実績」を、一つでいいから必ず作ってください。
2. 社内で「逃げ道」を探す努力を最後までやる
会社そのものではなく、上司個人が問題なのであれば、辞める前に社内で打てる手は全て打ち尽くすべきです。 信頼できる先輩や、人事部に相談しましたか?部署の異動希望を出しましたか?こうした「問題解決のための行動」を起こしたという事実も、あなたの評価に繋がります。
3. 次の「内定」を得てから、辞表を出す
これは社会人の鉄則です。 在職中に転職活動を行い、次の居場所を確保してから、堂々と辞めるのです。 無計画に辞めて、貯金が減っていく焦りから、次のブラック企業に妥協して入社する。これほど愚かなことはありません。精神的にも経済的にも余裕がある状態で、次のステージを冷静に選ぶのです。
まとめ:環境のせいにするな。あなたの人生の主導権を握れ
上司は、あなたには変えられません。それは事実です。 しかし、その環境をどう捉えるか、その中でどう行動するかは、100%、あなた自身が決められます。
「上司が嫌だ」と不満を垂れ流し、安易に「辞める」という選択に逃げるのは、あなたの人生の主導権を、その嫌いなはずの上司に明け渡しているのと同じことです。腹が立ちませんか?
悔しいなら、選択肢は二つしかありません。 そのクソみたいな環境で、誰にも文句を言わせない圧倒的な成果を出し、「あなたがいなければ、この部署は回らない」と上司に言わせてみせるか。 あるいは、水面下で牙を研ぎ、スキルと実績を武器に、その上司が一生かかっても入れないような、格上の会社にステップアップするか。
どちらも、いばらの道です。しかし、その先にしか、あなたの本当の成長はありません。 逃げるな。環境のせいにするな。 自分の足で立ち、自分の頭で考え、自分の力で戦ってください。あなたの社会人人生は、まだ始まったばかりなのですから。
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