【2025年最新】戦略コンサルは本当に一番偉い?コンサルの種類と序列のウソホントを徹底解説!

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【この記事はこんな方に向けて書いています】

  • コンサル業界に興味があるけど、種類が多すぎて違いがよく分からない就活生の方
  • 「戦略コンサルが頂点」って聞くけど、本当なの?と疑問に思っている転職希望者の方
  • ネット上の序列情報に振り回されず、自分に合ったコンサルファームを見つけたい方
  • コンサルタントの具体的な仕事内容や年収について、リアルな情報を知りたい方

「コンサル業界って、なんだかキラキラしていて格好いいな」。そう思って調べてみると、「戦略系」「総合系」「IT系」「FAS」…たくさんの種類があって、正直よく分からないですよね。おまけにネットやOB訪問で話を聞くと、「トップはやっぱり外資の戦略ファーム」「総合系は戦略より下」といった”序列”の話を耳にすることも多いはず。

でも、その情報、本当に正しいのでしょうか?

この記事では、そんなコンサル業界の全体像を分かりやすく解き明かしていきます。実は、巷で囁かれる「序列」は、ある一面的な見方に過ぎません。戦略、総合、IT、FAS、それぞれに全く異なる役割と専門性があり、単純な上下関係で語れるほど単純な世界ではないんです。

この記事を読み終える頃には、それぞれのコンサルの仕事内容から年収、向いている人のタイプ、そしてキャリアパスまで、具体的につかめるようになっているはず。表面的な序列に惑わされず、あなたにとって本当に価値のあるキャリアを見つけるための、確かな知識を手に入れましょう。


結論:コンサル業界に「絶対的な序列」はない!あるのは「役割の違い」

いきなり結論から言いますね。コンサル業界に、世間で言われるような絶対的な序列は存在しません。

「え、でも戦略コンサルが一番偉いって聞くよ?」

そう思いますよね。確かに、新卒の就職難易度や平均年収といった特定の指標で見ると、戦略コンサルがトップに見えるのは事実です。ですが、それはあくまで「物差しの一つ」に過ぎません。

サッカーで例えるなら、「一番すごいポジションはどこ?」と聞いているようなもの。圧倒的な得点力を持つフォワードも、鉄壁の守備でゴールを守るディフェンダーも、的確なパスでゲームを組み立てるミッドフィルダーも、それぞれに重要な役割があり、優劣はつけられませんよね。

コンサルも全く同じです。

  • 戦略コンサルは、企業の将来を左右する大きな絵を描く「監督」や「司令塔」。
  • 総合コンサルは、描かれた戦術を現場に落とし込み、チーム全体の力を引き出す「コーチ陣」。
  • ITコンサルは、最新のテクノロジーという武器をチームに与える「専門家」。
  • FASは、M&Aや資金調達といった、試合のルールそのものを動かす「交渉人」。

クライアントが抱える課題によって、必要とされる専門家は全く異なります。会社の存続をかけた経営戦略に悩む社長が必要とするのは戦略コンサルですし、大規模なシステム刷新で業務効率を上げたい現場が必要とするのはITコンサルです。

重要なのは、「誰が上で誰が下か」ではなく、「誰がどの領域のプロフェッショナルか」という視点。この大前提を理解するだけで、コンサル業界を見る目がガラッと変わるはずです。


なぜ「序列はない」と言い切れるのか?3つの理由

「序列はないって言われても、やっぱり気になる…」という方のために、もう少し深掘りして「序列がない」と言える理由を3つのポイントから解説します。

1. そもそも解決する「課題」が違うから

先ほどのサッカーの例えでも触れましたが、各コンサルティングファームが扱う課題の領域(ドメイン)は、似ているようで全く異なります。

  • 戦略ファームの課題例: 「5年後、我が社はどの事業で世界と戦うべきか?」「市場が縮小する中で、新たな収益の柱をどう作るか?」
  • 総合ファームの課題例: 「新しい人事評価制度を全社に導入し、社員のモチベーションを上げるには?」「サプライチェーンの無駄をなくし、コストを20%削減するには?」
  • ITファームの課題例: 「全社のデータを一元管理し、経営判断に活かせるAI基盤を構築したい」「サイバー攻撃から会社の機密情報を守るための最適なセキュリティシステムは?」
  • FASの課題例: 「A社を買収したいが、適正な買収価格はいくらか?」「経営不振に陥った子会社を、どうすれば立て直せるか?」

いかがでしょうか。これらは全て企業にとって重要な課題ですが、その性質は全く違いますよね。経営の根幹を揺るがす課題もあれば、現場のオペレーションを劇的に改善する課題もあります。どちらが「偉い」とか「格上」ということはなく、クライアントのニーズに応じて最適な専門家がいる、というだけの話なのです。

2. ファーム間の「垣根」がどんどん低くなっているから

「戦略は戦略ファーム、ITはITファーム」という棲み分けは、もはや過去のものになりつつあります。現代のビジネス課題は非常に複雑で、単一の領域だけでは解決できないことが増えているからです。

例えば、「DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めて、新たな収益源を作りたい」という壮大な戦略を立てたとします(これは戦略コンサルの領域)。しかし、その戦略を実行するためには、具体的な業務プロセスの見直し(総合コンサルの領域)や、新しいシステムの導入(ITコンサルの領域)が不可欠です。

こうした背景から、近年はファーム間の越境が活発になっています。

  • アクセンチュアやデロイトといった総合ファームが、戦略部門(アクセンチュア・ストラテジー、モニター デロイトなど)を強化し、上流の戦略案件を数多く手掛けています。
  • マッキンゼーなどの戦略ファームも、デジタル部門を設立したり、実行支援まで手掛けたりするケースが増えています。

つまり、業界全体が「ワンストップで企業の課題を解決する」方向に動いており、ファームの出自だけで役割を固定化することが難しくなっているのです。

3. 「稼ぐ金額」の大きさも単純比較できないから

「年収が高い戦略コンサルが一番儲かっているのでは?」と思うかもしれませんが、これも一概には言えません。

確かに、コンサルタント一人当たりの単価(フィー)は、戦略コンサルが最も高い傾向にあります。数人のチームで、数週間から数ヶ月という短期間で高額なフィーを受け取るビジネスモデルです。

一方で、総合コンサルやITコンサルが手掛ける大規模なシステム導入プロジェクトなどは、数百人規模のコンサルタントが数年単位で関わることも珍しくありません。プロジェクト全体の受注額で言えば、戦略ファームの案件をはるかに上回るケースも多々あります。

2023年のデータによると、日本のコンサルティング市場規模は約1.8兆円に達し、特にDX関連の需要が市場を牽引していると言われています。これは、ITや業務改革といった領域のプロジェクトがいかに巨大で、経済的なインパクトが大きいかを示しています。

つまり、フィーの単価が高い戦略ファームと、プロジェクトの規模が大きい総合・ITファームでは、稼ぎ方が違うだけで、どちらがビジネスとして優れているかを決めるのは難しいのです。


【徹底比較】戦略、総合、IT、FAS、それぞれの仕事とリアル

では、ここからはそれぞれのコンサルの特徴について、具体的な仕事内容、年収、向いている人などを詳しく見ていきましょう。これを読めば、自分がどの領域に興味があるのか、きっと見えてくるはずです。

王道の「戦略コンサル」:企業の頭脳として未来を描く

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Licensed by Google

どんな仕事? 戦略コンサルは、その名の通り「企業の経営戦略」に関わる超上流の課題を解決するプロフェッショナルです。クライアントは、名だたる大企業のCEOや役員クラスがほとんど。「全社戦略」「事業戦略」「M&A戦略」「新規事業立案」など、企業の未来を左右する重要な意思決定をサポートします。

数名(3〜5人程度)の少数精鋭チームでプロジェクトに臨み、数週間から数ヶ月という短期間で、徹底的なリサーチと分析に基づいた提言を行います。扱う情報も会社の根幹に関わるトップシークレットばかりです。

  • 代表的なファーム: マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)、ベイン・アンド・カンパニー(この3社は通称「MBB」と呼ばれる)、A.T. カーニー、ローランド・ベルガーなど。

年収や難易度は? はっきり言って、難易度も年収も全コンサルの中でトップクラスです。 採用では、地頭の良さを測るケース面接が非常に重視され、東大・京大・早慶といったトップ大学の学生や、海外MBAホルダーがひしめき合っています。

年収は、新卒1年目でも700万〜1,000万円に達し、20代後半から30代前半のマネージャーになれば2,000万円を超えることも珍しくありません。まさに実力主義の世界です。

どんな人が向いてる?

  • 知的好奇心が旺盛で、複雑な物事を構造化して考えるのが好きな人
  • 圧倒的な論理的思考力(ロジカルシンキング)に自信がある人
  • プレッシャーの強い環境で、高いパフォーマンスを発揮できる人
  • 将来、企業の経営者や起業家になりたいという野心がある人

オールラウンダーの「総合コンサル」:戦略から実行まで伴走

どんな仕事? 総合コンサルは、「企業の総合病院」とよく例えられます。戦略立案から、業務改善(BPR)、組織・人事改革、SCM(サプライチェーン・マネジメント)改革、そしてIT戦略の実行支援まで、企業が抱えるあらゆる経営課題に幅広く対応します。

戦略ファームが「何をすべきか(What)」を示すのに対し、総合ファームは「いかにしてそれを実現するか(How)」という実行支援のフェーズまで深く関わるのが大きな特徴です。クライアントの現場に入り込み、社員と一緒になって泥臭く改革を進めていくことも多く、プロジェクトの規模も期間も多種多様です。

  • 代表的なファーム: アクセンチュア、デロイト トーマツ コンサルティング、PwCコンサルティング、KPMGコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティングなど。(デロイト、PwC、KPMG、EYは世界4大会計事務所「BIG4」のメンバーファームとしても有名)

年収や難易度は? 戦略コンサルほどではありませんが、非常に高い難易度と年収を誇ります。採用人数が戦略ファームより格段に多いため門戸は広く見えますが、人気が高く、優秀な人材が集まります。

年収は、新卒で500万〜700万円程度からスタートし、マネージャーになれば1,000万〜1,500万円程度が一つの目安になります。

どんな人が向いてる?

  • 特定の領域だけでなく、幅広い業界やテーマに関心がある人
  • 人とコミュニケーションを取り、チームで大きなことを成し遂げるのが好きな人
  • 絵に描いた餅で終わらせず、最後までやり遂げる実行力と粘り強さがある人
  • クライアントに寄り添い、共に汗をかくことにやりがいを感じる人

テクノロジーの専門家「ITコンサル」:DXで企業を変革する

どんな仕事? ITコンサルは、ITの力を活用してクライアントの経営課題を解決するスペシャリストです。単にシステムを導入するだけでなく、「ITをどう経営に活かすか」という上流の戦略立案から、具体的なシステムの選定・導入、プロジェクト全体のマネジメント(PMO)、そしてDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進までを担います。

近年、あらゆるビジネスにITが不可欠になったことで、ITコンサルの需要は爆発的に高まっています。総合コンサルファームの中にIT部門があることも多く、その境界線は曖昧になりつつあります。

  • 代表的なファーム: アクセンチュア、アビームコンサルティング、IBM、デロイト、PwC、キャップジェミニなど。

年収や難易度は? 総合コンサルと近い水準ですが、AIやクラウド、サイバーセキュリティといった特定領域で高い専門性を持つ人材は、さらに高い報酬を得ることも可能です。文系出身者も多く活躍していますが、テクノロジーへの強い興味・関心は不可欠です。

どんな人が向いてる?

  • 最新のテクノロジー動向を追いかけるのが好きな人
  • ロジカルに物事を考え、大規模なプロジェクトを管理・推進する能力がある人
  • クライアントのIT部門と事業部門の「橋渡し役」となれるコミュニケーション能力がある人
  • テクノロジーの力で、世の中を便利に変えていきたいと考えている人

財務・会計のプロ「FAS」:M&Aや事業再生を支える

どんな仕事? FAS(Financial Advisory Service)は、M&Aや事業再生、不正調査といった、財務・会計に特化した高度な専門サービスを提供するコンサルです。企業の価値を評価したり(バリュエーション)、M&Aの際に買収先の財務状況を精査したり(デューデリジェンス)、経営危機に陥った企業を立て直すための計画を策定したりと、企業の存続や成長に直結する局面で活躍します。

他のコンサルと比べて、より専門性が高く、公認会計士や証券アナリストといった資格を持つプロフェッショナルが多く在籍しているのが特徴です。

  • 代表的なファーム: デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー、PwCアドバイザリー、KPMG FAS、EYストラテジー・アンド・コンサルティングなど、BIG4系ファームが圧倒的な存在感を誇ります。

年収や難易度は? 専門性が非常に高いため、採用のハードルも高く、年収水準も総合コンサルと同等か、それ以上になることが多いです。特にM&A市場が活況な時期は、その需要はさらに高まります。未経験からの転職では、会計や財務に関する実務経験や知識が求められることがほとんどです。

どんな人が向いてる?

  • 会計やファイナンスの分野に強い興味と知識がある人
  • 数字に強く、緻密で正確な分析が得意な人
  • 企業の価値を左右するような、ダイナミックで緊張感のある仕事に魅力を感じる人
  • 公認会計士などの資格を活かして、キャリアアップしたい人

最終結論:”序列”を気にするより「あなたは何をしたいのか」が一番大事

ここまで、各コンサルの違いを詳しく見てきました。もう一度、大切なことをお伝えします。

巷で語られる「戦略コンサルが頂点」という序列は、「新卒の就職難易度」や「初任給の高さ」といった、ごく一部の切り口で見たときの幻想に過ぎません。

あなたのキャリアは、就職活動がゴールではありませんよね。その先、5年後、10年後、あなたがどんなプロフェッショナルになっていたいのか。それを考えることの方が、何倍も重要です。

  • 企業の未来を創る経営のダイナミズムに触れたいなら、戦略コンサルが面白いかもしれません。
  • 多様な業界の、多様な課題解決に携わりたいなら、総合コンサルが刺激的でしょう。
  • テクノロジーの力で社会の仕組みを変えたいなら、ITコンサルが最前線です。
  • 財務のプロとして、企業の重要な局面を支えたいなら、FASという道があります。

どの道を選んでも、一流のプロフェッショナルになるための険しい道のりと、それを乗り越えた先にある大きなやりがいが待っています。

ネット上の序列や他人の評価に惑わされないでください。大切なのは、あなた自身の「軸」です。それぞれのファームが提供する価値を正しく理解し、あなた自身の興味・関心、そして将来のなりたい姿と照らし合わせて、最高のキャリアを選択してください。

あなたの挑戦を、心から応援しています!


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