
【この記事はこんな方に向けて書いています】
- かっこいいホームページはあるのに、全く問い合わせが来ないとお悩みの経営者の方
- 上司から「Webで集客しろ」と丸投げされ、何から手をつければいいか途方に暮れている担当者の方
- ブログを書いてもSNSを更新しても、一向に売上や問い合わせに繋がらないと感じている方
- 以前にWeb広告を出してみたが、費用対効果が合わずすぐにやめてしまった経験がある方
- その場しのぎではなく、安定的に見込み客を獲得できる「仕組み」を会社に構築したいと考えている方
「Webからの問い合わせを増やしたい」—。これは、今やあらゆる企業にとって、避けては通れない経営課題です。しかし、中小企業庁の調査でも、多くの企業が「IT人材の不足」や「ノウハウの不足」を理由に、Webマーケティングにうまく取り組めていない現実が浮き彫りになっています。もしかしたら、あなたも「Web集客は、センスのある人や、潤沢な予算がある大企業がやるものだ」と、どこかで諦めてしまっているかもしれません。しかし、断言します。Webからのリード獲得(見込み客の獲得)に、特別な才能やセンスは一切不要です。必要なのは、正しい”設計図”と、それに沿って行動する、ほんの少しの勇気だけ。この記事では、Webマーケティングの知識ゼロだったごく普通の中小企業A社が、具体的な「90日間ロードマップ」に沿って行動した結果、たった3ヶ月で100件の新規リードを獲得するまでの全軌跡を、誰にでも実践できるよう、ステップバイステップで徹底解説します。この記事を読み終える頃には、あなたの会社が明日から何をすべきか、明確に見えているはずです。
「良いモノ作れば売れる」は幻想だった。A社が陥った”待ち”の営業の限界
今回ご紹介するA社は、法人向けのオリジナル業務システムを開発・販売する、従業員20名ほどのIT企業です。彼らの作るシステムは、ニッチな業界の特殊な業務フローに完全対応できる優れもので、製品の品質には絶対的な自信を持っていました。
BtoBの購買担当者は、営業担当者に会う前に、購買プロセスの約6割を終えている—。こんなデータがあるのをご存知でしょうか。彼らはまず、Webで検索し、情報を集め、比較検討し、自分の中で「この会社とこの会社に話を聞いてみよう」と、あらかた結論を出してから、初めて企業のドアを叩くのです。
しかし、A社の営業方法は、この時代の流れとは真逆を行くものでした。
- 既存顧客からの紹介
- リストをもとにした電話営業(テレアポ)
- 年に数回の展示会への出展
どれも古くからある、典型的な”待ち”の営業スタイルです。これまでは、それでも何とかなっていました。しかし、コロナ禍を経て、状況は一変します。対面での営業機会は激減し、頼みの綱だった展示会も中止やオンライン化で効果が激減。新規顧客の開拓は、完全に頭打ちになってしまったのです。
もちろん、A社にもホームページはありました。数年前に数百万円をかけて制作した、デザイン性の高い立派なサイトです。しかし、その中身は「社長挨拶」「会社概要」「製品のスペック紹介」といった、一方的な情報発信ばかり。結果として、サイトからの問い合わせは、年間で数件あるかないか。事実上、「オンライン上の会社案内パンフレット」としてしか機能していませんでした。
「うちは製品力には自信がある。良いモノを作ってさえいれば、いつかお客様の方から見つけてくれるはずだ」
A社の社長はそう信じていましたが、その”いつか”は、待っていても永遠に来ないことに、薄々気づき始めていました。時代の変化が、”待ち”の営業の限界を、容赦なく突きつけていたのです。
なぜあなたのサイトに問い合わせが来ないのか?9割の企業がハマる3つのワナ
A社の状況は、決して特別なものではありません。実は、Webからのリード獲得に苦戦している企業のホームページには、驚くほど共通した特徴があります。それは、大きく分けて3つの”ワナ”にはまっている、ということです。ぜひ、ご自身の会社のサイトと見比べながら読んでみてください。
ワナ①:誰に何を伝えたいのか不明瞭な「自分語りサイト」
あなたの会社のホームページは、誰に、何を伝えていますか? A社のサイトは、まさにこのワナの典型でした。サイトには、自社製品の優れた機能が、専門用語と共にズラリと並べられています。「独自開発のアルゴリズム」「堅牢なセキュリティアーキテクチャ」…。しかし、それらの言葉は、ITに詳しくない購買担当者にとっては、宇宙語と同じです。
彼らが本当に知りたいのは、「その機能が、自分の会社の”どんな悩み”を”どう解決”してくれるのか?」という一点です。自分たちの言いたいことばかりを語る「自分語りサイト」になっている限り、訪問者は「自分には関係ない話だ」と判断し、3秒でページを閉じてしまうでしょう。
ワナ②:0か100かの二択を迫る「おもてなしゼロサイト」
あなたのサイトを訪れた見込み客は、全員が「今すぐ購入したい!」と思っているわけではありません。「ちょっと情報収集したいだけ」「他社と比較検討中」といった、さまざまな温度感の人たちがいます。
しかし、A社のサイトが訪問者に用意していた選択肢は、「問い合わせる」か「サイトを去る」かの二択だけでした。まだ購入を具体的に考えていない人にとって、「問い合わせ」のボタンを押すのは、非常にハードルが高い行為です。結果として、A社は「今すぐ客」以外の、将来顧客になる可能性を秘めた大多数の見込み客を、みすみす逃してしまっていたのです。これは、お店に入ってきたお客さんに対して、「今すぐ買いますか?買わないなら帰ってください」と言っているような、非常におもてなしの心がない状態です。
ワナ③:そもそも誰も来ない「無人島サイト」
これが最も根本的なワナかもしれません。どんなに素晴らしい内容のサイトを作ったとしても、そもそも誰もその存在を知らなければ、問い合わせが来るはずもありません。太平洋に浮かぶ無人島で、大声で「いらっしゃいませ!」と叫んでいるようなものです。
A社も、ホームページを「作って満足」してしまい、そのサイトに人々を呼び込むための活動、すなわち「集客」を全く行っていませんでした。検索エンジンで見つけてもらうための工夫(SEO対策)や、ターゲットに直接情報を届けるためのWeb広告など、サイトへの”導線”を設計しなければ、アクセス数は永遠に増えないのです。
この3つのワナ、あなたの会社は、いくつ当てはまっていたでしょうか?
全ての成果は設計図から。運に頼らない「リード獲得ロードマップ」
これらのワナから抜け出し、Webからのリード獲得を成功させるために、最も重要なこと。それは、行き当たりばったりの行動ではなく、ゴールから逆算された「設計図」を持つことです。
私たちは、A社と共に、これからご紹介する「0→100件リード獲得 90日間ロードマップ」を作成し、実行しました。このロードマップは、3つのフェーズに分かれています。
- フェーズ1(0〜30日):【土台構築期】勝てる場所を見つけ、武器を磨く 家を建てる前の基礎工事の段階。誰に、何を、どのように届けるかを徹底的に定義し、リード獲得の土台を固めます。
- フェーズ2(31〜60日):【集客実行期】見込み客を呼び込み、”種”を蒔く 基礎の上に、人を呼び込むための柱を立てる段階。ブログや広告を使い、ターゲットとなる見込み客との接点を能動的に作っていきます。
- フェーズ3(61〜90日):【仕組み化・改善期】”自動で育つ畑”を作り、収穫を最大化する 柱と柱を繋ぎ、屋根をかけて家を完成させる段階。獲得したリードを自動で育成し、営業に繋げる「仕組み」を構築します。
ここで絶対に守るべきルールは、「必ずフェーズ1から順番に進めること」です。多くの企業が、土台を固めないまま、いきなりフェーズ2の集客(ブログや広告)から始めてしまうため、時間と費用を無駄にして失敗するのです。急がば回れ。この順番こそが、成功への最短ルートです。
フェーズ1(0-30日):【土台構築期】急がば回れ!全ての基礎は最初の30日にあり
最初の30日間は、外から見えにくい、地味な作業の連続です。しかし、この期間の過ごし方が、残りの60日間の成果を、そしてその後の会社の未来を決めると言っても過言ではありません。
A社がこの期間に取り組んだのは、以下の3つです。
1. ペルソナとカスタマージャーニーマップの設計
「誰の、どんな悩みを解決するのか?」を明確にするため、理想の顧客像である「ペルソナ」を設定しました。A社は、長年の顧客へのヒアリングを元に、「中小企業の情報システム部で働く、入社5年目のAさん」という、非常に具体的な人物像を描き出しました。彼の年齢、役職、業務上の悩み、情報収集の方法まで、まるで実在する人物のように定義したのです。
次に、そのペルソナであるAさんが、課題を感じてから、情報を集め、最終的にシステム導入を決定するまでの「思考と感情の旅」を可視化した「カスタマージャーニーマップ」を作成しました。これにより、「Aさんは、どんなタイミングで、どんな情報を、どんな言葉で検索するのか」が明確になり、今後の全ての施策の”的”が定まりました。
2. 魅力的な”オファー”の作成
次に、いきなり「問い合わせ」や「購入」を求めるのではなく、ペルソナのAさんが「これはぜひ読んでみたい!」と思わず手を伸ばしたくなるような、有益な情報(オファー)を用意しました。これが、ワナ②で述べた「おもてなし」です。
A社は、カスタマージャーニーマップを元に、「失敗しない!業務システム導入のための5つのチェックリスト」というPDF資料(ホワイトペーパー)を作成しました。これは売り込みの資料ではなく、あくまで見込み客の課題解決に役立つ、価値ある情報です。
3. オファーを渡すための”受け皿(LP)”の作成
作成したお役立ち資料を、見込み客にダウンロードしてもらうための専用ページ(ランディングページ=LP)と、名前やメールアドレスを入力してもらうためのフォームを作成しました。LPでは、「この資料を読むことで、あなたはどんな未来を手に入れられるのか」を、ペルソナの心に響く言葉で訴求しました。
この3つの準備に、じっくりと30日間を費やしました。派手さはありませんが、この強固な土台があったからこそ、この後の施策が面白いように成果に繋がっていったのです。
フェーズ2(31-60日):【集客実行期】”待ち”から”攻め”へ。見込み客との接点を作る
強固な土台と、魅力的な武器(お役立ち資料)が整いました。次の30日間は、いよいよ”待ち”の姿勢を捨て、ペルソナがいる場所へ、こちらから積極的にアプローチしていく「集客実行期」です。
A社が実行したのは、大きく分けて2つの施策です。
1. コンテンツSEO(ブログ)による自然な集客
ペルソナのAさんが検索しそうなキーワード、例えば「業務システム 比較」「勤怠管理 クラウド おすすめ」「SFA 導入 事例」といったキーワードを狙って、彼の悩みに答える形のブログ記事を、週に2本のペースで作成・公開していきました。
最初の2〜3週間は、ほとんどアクセスがありませんでした。しかし、地道に記事を投稿し続けた結果、4週目あたりから、いくつかの記事が検索結果の1ページ目に表示されるようになり、自然なアクセスが生まれ始めました。記事の最後には、フェーズ1で作成したお役立ち資料へのリンクを貼り、自然な流れで資料ダウンロードへと誘導しました。
2. Web広告による即効性のある集客
ブログの効果が出るまでには時間がかかるため、並行して、すぐに結果が出るWeb広告も実施しました。ここでのポイントは、「最初から大金を使わない」ことです。
まずはFacebook広告とGoogleのリスティング広告に、1日あたり数千円という少額の予算で出稿。ターゲットを「情報システム部門に所属する人」などに細かく設定し、どの広告のクリック率が高いか、どの広告から資料ダウンロードに繋がったか、ABテストを繰り返しながら、勝ちパターンを見つけていきました。
この期間は、とにかく「テスト」と「データ計測」の繰り返しです。Google Analyticsなどのツールを毎日チェックし、仮説と検証のサイクルを高速で回すことで、無駄な広告費を抑えながら、徐々にリード獲得数を増やしていくことに成功しました。このフェーズが終わる60日目には、累計で40件ほどのリードを獲得することができていました。
フェーズ3(61-90日):【仕組み化・改善期】”点”を”線”に。リードが自動で育つ畑へ
最後の30日間は、これまでの”点”の施策を”線”で繋ぎ、継続的にリードを生み出し、育成する「仕組み」を完成させるフェーズです。
1. MAツールによるリード育成の自動化
フェーズ2までで獲得した40件の見込み客リスト。彼らはまだ、すぐに商談に進むような「ホットな顧客」ではありません。ここから、彼らの購買意欲を徐々に高めていく「リードナーチャリング(育成)」が必要になります。
A社は、MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入。お役立ち資料をダウンロードしてくれた人に対して、自動で段階的にメールを送る「ステップメール」のシナリオを設定しました。
- 3日後: 「資料のおさらいと、よくあるご質問」
- 7日後: 「A社システムを導入した企業の成功事例」
- 14日後: 「担当者様限定の個別相談会のご案内」
このように、売り込み感なく有益な情報を提供し続けることで、見込み客との関係性を深め、彼らの検討度合いを自然に引き上げていきました。
2. 営業との連携による”ホットリード”の創出
MAツールは、誰が、どのメールを開封し、どのリンクをクリックしたかを全て記録しています。例えば、「成功事例のメールを開封し、料金ページのリンクをクリックした人」は、かなり購買意欲が高まっていると判断できます。
A社は、こうした特定の行動を取った見込み客を「ホットリード」と定義し、その情報が自動で営業担当のSFA(営業支援ツール)に通知される仕組みを構築しました。これにより、営業担当は、闇雲にテレアポをするのではなく、すでに関係性が構築され、ニーズが顕在化した、確度の高い見込み客にのみアプローチすればよくなったのです。結果、営業のアポ獲得率、そして成約率は、以前とは比べ物にならないほど向上しました。
そして、ロードマップ開始から90日目。 A社が獲得した累計リード数は、目標だった100件を突破。営業部からは、「確度の高いお客様ばかりで、商談が本当にやりやすい!」という歓喜の声が上がるようになりました。
90日で未来は変わる。次は、あなたの番です。
A社が90日間で成し遂げたことは、魔法でも奇跡でもありません。それは、正しい「設計図」に基づき、やるべきことを、やるべき順番で、地道に実行した結果です。センスも、才能も、潤沢な予算も必要ありませんでした。
この記事を読んで、「うちでもできるかもしれない」と、少しでも感じていただけたなら、とても嬉しく思います。
しかし、いざ自社で始めようとすると、「うちの会社のペルソナって、どうやって決めればいいんだろう?」「どんなお役立ち資料を作れば、響くんだろう?」と、最初の一歩でつまずいてしまうかもしれません。
そんな時こそ、私たち専門家を頼ってください。 私たちは、あなたの会社にこのロードマップを丸ごとコピー&ペーストするような、無責任なことはしません。あなたの会社の強み、顧客、そして未来への想いをじっくりとヒアリングし、この90日間ロードマップを、あなたの会社だけの「オリジナル設計図」へと、一緒にカスタマイズしていきます。
- 「まずは、うちの会社のWebサイトが、どのワナにはまっているか診断してほしい」
- 「どんな”お役立ち資料”を作れば見込み客に響くか、無料で一緒にアイデア出しをしてほしい」
- 「この90日間ロードマップの、最初の30日間だけ、伴走支援をお願いしたい」
どんな些細なご相談でも構いません。 90日後、あなたの会社の問い合わせフォームに、未来のお客様からの通知が鳴り止まない。そんな未来を、私たちと一緒に創りませんか?
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