ITエンジニアって、結局どんな仕事?10分でわかる職種まるわかりガイド

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【この記事はこんな方に向けて書いています】

  • 「ITエンジニア」に興味があるけど、具体的にどんな仕事があるのか分からない方
  • ニュースで聞く「エンジニア不足」って本当?と気になっている方
  • プログラミング以外にもエンジニアの仕事があるのか知りたい方
  • たくさんある職種の中から、自分に向いている仕事を見つけたい方

「ITエンジニア」と聞くと、多くの人が「黒い画面に向かって、ひたすら謎の英語を打ち込んでいる人」を想像するかもしれません。なんだか難しそうだし、自分とは縁遠い世界だと感じていませんか?でも、それはITエンジニアという広大な世界の、ほんの一部分にすぎません。実は、ITエンジニアの仕事は驚くほど多様で、あなたのすぐ身近にあるサービスや製品を、目に見えない場所から支えています。この記事では、そんなITエンジニアの世界を「まるわかり」にするために、代表的な職種を一つひとつ丁寧に解説していきます。この記事を読み終える頃には、「ITエンジニアって、実はこんなに面白そうな仕事だったんだ!」「もしかしたら、自分にはこの職種が向いているかも?」と、新たな可能性にワクワクしているはずです。さあ、あなたの知らないITエンジニアの世界へ、一緒に探検に出かけましょう!


そもそもITエンジニアって、何をする人たち?

結論から言うと、ITエンジニアとは「IT(情報技術)を使って、世の中の課題を解決したり、もっと便利にする仕組みを作る専門家」のことです。

なぜ今、これほどまでにITエンジニアが注目されているのでしょうか。それは、現代社会のあらゆるものがITによって成り立っているからです。朝起きてスマートフォンでニュースをチェックするのも、電車に乗る時に交通系ICカードを使うのも、会社でパソコンを使って仕事をするのも、すべてITエンジニアが作ったシステムのおかげです。

経済産業省の調査では、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されており、その需要はますます高まっています。しかし、「ITエンジニア」と一括りに言っても、その役割は様々。まるで、一口に「医者」と言っても、内科医、外科医、眼科医と専門分野が分かれているのと同じです。

そこで、まずはITエンジニアの世界を大きな地図のように捉えてみましょう。ITエンジニアは、主に「何を作るか」によって、大きくいくつかの分野に分けることができます。

分野主な役割身近な例
Webの世界WebサイトやWebアプリケーションを開発するネットショッピングサイト、SNS、動画配信サービス
アプリの世界スマートフォンやPCで動くアプリケーションを開発するゲームアプリ、地図アプリ、会社の業務システム
インフラの世界システムが24時間365日安定して動くための土台を構築・運用するサーバー、ネットワーク、クラウドサービス
モノの世界家電や自動車などの機械に組み込むシステムを開発するスマート家電、自動運転車、工場のロボット
データの未来の世界膨大なデータを分析したり、AI(人工知能)を開発したりする天気予報、ネット広告の最適化、自動翻訳

Google スプレッドシートにエクスポート

どうでしょう?少しイメージが湧いてきましたか? それでは、ここからそれぞれの分野で活躍するエンジニアたちを、一人ひとり詳しく見ていきましょう!


Webサービスを作る花形!「Webエンジニア」

私たちが普段、PCやスマートフォンで利用するWebサイトやWebサービス。これらの開発を一手に担うのがWebエンジニアです。今ご覧になっているこのページも、Webエンジニアの技術によって作られています。Webエンジニアは、担当する領域によってさらに2つの職種に分かれます。

フロントエンドエンジニア

ユーザーの目に直接触れる部分(フロントエンド)を担当するエンジニアです。Webサイトの見た目や、ボタンをクリックしたときの動きなど、使いやすさ(UI/UX)をデザインし、それを形にするのが仕事です。

  • やりがい: 自分の作ったものが直接ユーザーの目に触れるため、反応が分かりやすく、デザインや使いやすさを追求する面白さがあります。
  • 大変なこと: ブラウザの種類やデバイス(PC、スマホ、タブレット)によって表示が崩れないように調整する必要があり、細かな配慮が求められます。
  • 主な使用技術: HTML, CSS, JavaScript, React, Vue.js など

バックエンドエンジニア

ユーザーの目には見えない裏側(バックエンド)を担当するエンジニアです。ユーザー登録の情報や、ネットショッピングで購入した商品のデータをデータベースに保存したり、サーバー側の処理を担ったりします。まさに縁の下の力持ちですね。

  • やりがい: サービスの根幹を支える重要な部分であり、大量のデータを効率よく処理するロジックを組み立てる達成感があります。
  • 大変なこと: セキュリティ対策や、多くの人が同時にアクセスしてもシステムがダウンしないような設計など、大きな責任が伴います。
  • 主な使用技術: PHP, Ruby, Python, Java, Go, SQL など

求人ボックスの給料ナビ(2024年8月時点)によると、Webエンジニアの平均年収は約599万円。スキルや経験によっては、さらに高い年収を目指せる花形の職種です。


24時間365日、社会を止めない「インフラエンジニア」

Webサイトやアプリがいつでも使えるのは、その土台となる「インフラ」が安定して動いているからです。このITインフラの設計、構築、運用、保守を行うのがインフラエンジニアです。もし彼らがいなければ、私たちはインターネットを使うことすらできません。

サーバーエンジニア

Webサイトのデータなどを保管しておく「サーバー」というコンピューターを専門に扱います。用途に合わせて最適なサーバーを設計・構築し、障害が起きないように監視するのが主な仕事です。

ネットワークエンジニア

サーバー同士や、私たちのPCとサーバーを繋ぐ「ネットワーク」を専門に扱います。快適で安全な通信環境を構築・運用します。

クラウドエンジニア

近年、需要が爆発的に伸びているのがこの職種です。Amazon Web Services (AWS) や Google Cloud (GCP) といったクラウドサービスを利用して、インフラを構築・運用します。物理的な機器を自社で持たずに、より柔軟でスピーディなシステム開発が可能になるため、多くの企業がクラウド化を進めています。

  • やりがい: 社会や企業の活動の根幹を支えているという実感。障害を未然に防いだり、発生したトラブルを迅速に解決したりした時の達成感は格別です。
  • 大変なこと: 24時間365日システムを監視する必要があるため、時には夜間や休日の対応(障害対応)が求められることもあります。
  • 主な使用技術: Linux, Windows Server, Cisco, AWS, Azure, GCP など

インフラエンジニアは、その重要性から安定した需要があり、平均年収も約556万円と比較的高水準です。特にクラウド技術を持つエンジニアは、引く手あまたの状態が続いています。


PCやスマホを便利にする「アプリケーションエンジニア」

私たちが普段使っているPCのソフトウェアやスマートフォンのアプリ。これら特定の目的を持った「アプリケーション」を作るのがアプリケーションエンジニアです。開発する対象によって、いくつかの種類に分かれます。

業務系アプリケーションエンジニア

企業の業務効率化を目的としたシステムを開発します。例えば、会計ソフト、在庫管理システム、人事給与システムなど、企業の活動に欠かせない仕組みを作ります。

スマホアプリケーションエンジニア

iPhone (iOS) や Android で動作するネイティブアプリを開発します。ゲーム、SNS、情報収集ツールなど、私たちの生活を豊かにする多種多様なアプリが彼らの手によって生み出されています。

Webアプリケーションエンジニア

Webブラウザ上で動作するアプリケーションを開発します。前述のWebエンジニアと領域が重なりますが、より複雑な機能を持つGmailやGoogleマップのようなサービスを指すことが多いです。

  • やりがい: 自分の作ったアプリが多くの人に使われ、「便利になった」「面白い」といった反応を直接感じられることです。
  • 大変なこと: ユーザーからの要望や不具合報告に常に対応し、アップデートを続けていく必要があります。OSのバージョンアップなど、外部環境の変化にも迅速に対応しなければなりません。
  • 主な使用技術: Java, C#, Swift, Kotlin, Python, Ruby など

アプリケーションエンジニアの平均年収は約550万円。特にスマホアプリの市場は今後も拡大が見込まれるため、将来性も非常に高い職種と言えるでしょう。


モノを動かす魔法使い「組み込み・制御エンジニア」

ITはPCやスマホの中だけにあるわけではありません。現代のあらゆる「モノ」にコンピューターが内蔵され、私たちの生活を制御しています。この機械に組み込まれる(Embedded)システムを開発するのが組み込み・制御エンジニアです。

  • 活躍の場: スマートフォン、デジタルカメラ、テレビ、冷蔵庫、自動車、医療機器、産業用ロボットなど、その活躍の場は無限大です。
  • IoTとの関連: 最近よく聞く「IoT(モノのインターネット)」の主役でもあります。あらゆるモノがインターネットに繋がることで、遠隔操作やデータ収集が可能になりますが、その「モノ」側のシステムを開発するのが彼らの仕事です。
  • やりがい: 自分がプログラムした通りに、現実世界の「モノ」が動くのを直接見ることができるのは、他のエンジニア職では味わえない大きな魅力です。
  • 大変なこと: PCなどと比べて、メモリや処理能力が限られた環境で開発を行うため、高度な技術と緻密な設計が求められます。また、人命に関わる製品(自動車のブレーキ制御など)を担当することも多く、極めて高い品質と安全性が要求されます。
  • 主な使用技術: C, C++, アセンブリ言語 など

日本の「モノづくり」を根底から支える重要な役割を担っており、平均年収も約621万円と高水準です。


結論:あなたにぴったりのエンジニア像、見つかりましたか?

ここまで、様々なITエンジニアの職種を紹介してきました。

  • Webエンジニア: 最新のトレンドを追いかけ、人々の生活を彩るサービスを作りたいあなたへ。
  • インフラエンジニア: 見えない場所から社会を支え、安定を守ることにやりがいを感じるあなたへ。
  • アプリケーションエンジニア: 「こんなアプリがあったら便利なのに」というアイデアを形にしたいあなたへ。
  • 組み込みエンジニア: プログラムで現実世界の「モノ」を動かすことに興奮を覚えるあなたへ。

もちろん、ここで紹介した以外にも、AIを開発する「AIエンジニア」や、膨大なデータを分析してビジネスに活かす「データサイエンティスト」など、ITエンジニアの世界はまだまだ広がっています。

大切なのは、「ITエンジニア=プログラミングをする人」という漠然としたイメージで終わらせるのではなく、「自分はITの力を使って、どんな課題を解決したいのか、何を作ってみたいのか」を考えることです。

この記事が、その第一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。ITエンジニアという仕事は、学び続ける大変さはありますが、それ以上に自分の手で未来を作っていく面白さと、社会に貢献している実感を得られる、非常にやりがいのある仕事です。あなたの挑戦を、心から応援しています。


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