リモートワークで「サボるエンジニア」を見抜く3つの方法

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【この記事はこんな方に向けて書いています】
・リモート環境下でもチームの生産性を維持したいマネージャー
・エンジニアのタスク進捗を正確に把握したいプロジェクトリーダー
・遠隔地のメンバーを信頼しつつ、必要に応じてフォローアップしたい方

昨今、リモートワークを導入する企業は2020年から急増し、IT業界では8割以上が何らかの形で在宅勤務を継続しています。しかし一方で、「朝からSlackはオンラインなのに、なかなかプルリクが上がってこない」「画面共有会議中は姿勢を正しているけど、実際の作業量が見えない」といった悩みを抱えるマネージャーも少なくありません。調査によると、リモートチーム管理者の約62%が「誰が本当に働いているかわからない」と感じており、適切なフォローができずストレスを抱えていることがわかっています。

そこで本記事では、数値データを交えながら、サボりがちなエンジニアを過度に疑うことなく、あくまで客観的に「働きぶり」を可視化し、チーム全体のパフォーマンスを底上げする3つの手法を解説します。


■1.コードコミットとプルリクエスト(PR)アクティビティを可視化する

多くのエンジニアは、日々Gitを使ってコードを管理しています。GitHubやGitLabのAPIを活用すれば、各メンバーの週あたりのコミット数やPR提出数、レビュー対応時間を自動で集計可能です。一般的に、アクティブなエンジニアは週20件以上のコミット、5件以上のPRを処理すると言われており、これを基準に閾値を設定するとよいでしょう。実際にある企業では、この方法を導入した結果、週のコミット数が平均18件以下になると自動アラートが飛ぶ仕組みを組み込み、サボリの早期発見とフォローアップに成功。運用開始3カ月で、チーム全体の平均コミット数が25%増加しました。


■2.デイリースタンドアップで「質」をチェック

リモート環境下では、毎朝の短時間ミーティング(スタンドアップ)をZoomやTeamsで行い、各自が「昨日やったこと」「今日やること」「ブロッカー」を共有します。ここでポイントとなるのが「ただ話すだけ」にしないこと。たとえば「完了したタスクのチケット番号」「発見した課題のURL」「レビュー待ち状況」など、具体的なエビデンスを必ず添えてもらいましょう。ある調査では、こうしたエビデンス添付率が90%を超えるチームでは、タスク遅延が従来比で40%減少したと報告されています。この方法により、口頭だけではわかりづらい「サボり」の兆候を早期に察知できます。


■3.作業時間トラッキングツールで「活動量」を把握

TogglやClockifyなどのタイムトラッキングツールを導入し、各タスクに費やした時間を記録してもらう方法も有効です。ツール導入前後で、平均労働時間とタスク完了件数の比率(タスク/時間)がどの程度改善したかを計測すると、活動量を客観的に把握できます。あるプロジェクトでは、ツール導入前はタスクあたり平均2.5時間だったのが、導入後は1.8時間まで短縮。その結果、開発サイクルが15%高速化し、リリーススケジュールの遵守率が95%以上になりました。


■補足:数値データだけに頼らない「信頼醸成」の工夫

上記の手法はあくまで「客観的データ」に基づく可視化ですが、過度に機械的に運用するとエンジニアから反発が出るリスクもあります。

  • 透明性を担保する:集計基準やアラート閾値をあらかじめチームで合意しておく
  • 定期的な1on1で心情をフォロー:データにあらわれない苦悩やモチベーション低下の原因を聴く
  • 定量+定性評価を組み合わせ:数値の裏にあるチームワークや創造性も評価軸に入れる

これにより、サボりの早期発見だけでなく、「もっと生産性を上げたい」というエンジニア自身のモチベーションも引き出せます。


■導入ステップと注意点

  1. 小規模で試験運用:まずは5~10人規模のチームでツールとルールをテスト
  2. KPI設定と共有:平均コミット数やPR数、トラッキング時間の目標値を明確化
  3. 定期レビュー:週次または月次でデータを振り返り、改善策をチームで議論
  4. フィードバックサイクル:エンジニアの意見を取り入れ、運用ルールを柔軟にアップデート

注意点としては、導入直後に「監視されている感」が強くなりすぎないよう、運用ポリシーやプライバシー配慮を徹底し、必ずチームの合意を得てから始めることです。


リモートワークにおける「サボり」はチームの生産性を大きく毀損しますが、同時に「信頼」と「自由」を担保することこそが優秀なエンジニアを引き止める鍵でもあります。今回ご紹介した3つの方法をバランスよく取り入れ、数値データに裏打ちされたフェアなマネジメントで、リモートチームの力を最大化してください。

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