【コンサルが見抜く】20代で年収1000万を狙う人、狙えない人の思考法

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【この記事はこんな方に向けて書いています】

  • 20代のうちに、経済的な成功を掴みたいと強く願っている方
  • 周囲の活躍を見て、「自分ももっと上を目指せるはずだ」と感じている方
  • 年収1000万円という目標達成のために、何をすべきか具体的な戦略を知りたい方
  • 才能や運ではなく、論理的な思考と選択によってキャリアを切り拓きたい方

「20代で年収1000万円」 この言葉は、多くの若手社会人にとって、一つの大きな目標であり、成功の象徴として響くかもしれません。しかし、その目標にたどり着けるのが、ほんの一握りであることもまた、紛れもない事実です。

国税庁の最新の調査(令和5年分民間給与実態統計調査)によると、日本の給与所得者のうち、年収1000万円を超えているのは全体のわずか5%台。これを20代に限定すれば、その割合は1%未満にまで落ち込みます。

では、この1%未満の希少な人材と、その他大勢のビジネスパーソンとを分けるものは、一体何なのでしょうか。 生まれ持った才能でしょうか?あるいは、たまたま運が良かっただけなのでしょうか? いいえ、違います。私がコンサルタントとして数多くのハイパフォーマーを分析してきた中で見出した結論は、彼らが特別なのは才能や運ではなく、キャリアというゲームに対する「思考法」と「戦略」が、根本的に異なるという点です。

この記事では、年収1000万円という目標を、単なる憧れで終わらせないために、それを達成する人々が、無意識、あるいは意識的に実践している「3つの戦略的選択」を、コンサルタントの視点で徹底的に解剖します。

この記事を読み終える頃には、あなたは自身のキャリアを、運任せの旅から、明確な目的地を持つ戦略的な航海へと変えるための、羅針盤を手にしているはずです。

そもそも、プレイする「ゲーム」が違う:安定志向か、市場価値志向か

本題に入る前に、最も重要な大前提を共有しなければなりません。それは、年収1000万円を狙う人と狙えない人とでは、そもそもプレイしている「キャリアゲーム」のルール設定が違うということです。

  • 狙えない人(安定志向プレイヤー): 彼らがプレイしているのは、「一つの会社にいかに長く勤め、安定した生活を送るか」というゲームです。このゲームのゴールは「定年までの安泰」。彼らにとって重要なのは、会社への忠誠心や、社内での人間関係、社内だけで通用するスキルの習熟です。これは、非常に堅実で、尊重されるべき生き方です。
  • 狙う人(市場価値志向プレイヤー): 彼らがプレイしているのは、「自分の市場価値をいかに最大化し、より高い報酬と面白い機会を得るか」というゲームです。このゲームのゴールは「いつでも、どこでも、より良い条件で戦える自分になること」。彼らにとって重要なのは、会社の看板がなくても通用するポータブルスキル(持ち運び可能なスキル)と、客観的な実績です。

どちらが良い、悪いという話ではありません。しかし、20代で年収1000万円という目標は、後者の「市場価値志向」のゲームをプレイすることを選択しない限り、達成は極めて難しい、ということは最初に理解すべきルールなのです。

年収1000万への「3つの戦略的選択」

では、「市場価値志向」のプレイヤーたちは、具体的にどのような戦略的選択を行っているのでしょうか。それは、「場所」「武器」「時間」という3つの要素に対する、明確な意思決定に集約されます。

選択1:戦う『場所』の選択(高収益マーケットで戦う)

あなたの年収を決める最も大きな要因は、あなたの能力以前に、あなたが身を置く「業界」と「会社」の収益性です。これは、個人のがんばりでは覆しがたい、構造的な事実です。

いくら優秀な料理人でも、客単価500円の牛丼チェーンで働いていては、年収1000万円を得るのは難しいでしょう。一方で、客単価5万円の高級レストランであれば、その可能性はぐっと高まります。ビジネスもこれと全く同じです。

業界別の平均年収(上位抜粋)

業界平均年収なぜ年収が高いのか?
総合商社1,500万円以上一人当たりの生み出す利益が極めて大きい
コンサルティング1,200万円以上専門知識という高付加価値なサービスを提供
金融(投資銀行など)1,200万円以上巨大な資本を動かし、高い手数料を得るビジネス
IT(外資系テックなど)1,100万円以上高成長市場で、世界規模で利益を上げている

年収1000万円を狙う人は、キャリアの初期段階で、意識的にこうした「一人当たりの利益が大きい」高収益マーケットに身を置くことを選択します。「やりたいこと」も大切ですが、それ以上に「稼げる場所はどこか」という戦略的な視点で戦場を選んでいるのです。

選択2:磨く『武器』の選択(希少性の高いスキルを掛け合わせる)

戦う場所を決めたら、次にその戦場で勝つための「武器」、すなわちスキルを磨きます。ここでも、両者の選択は大きく異なります。

  • 狙えない人: 現職の業務で求められるスキルを、言われた通りに一つずつ習得していく(スキルの足し算)。
  • 狙う人: 市場で価値が高いとされているスキルを、戦略的に複数選び、それらを掛け合わせることで、自身の「希少性」を高めていく(スキルの掛け算)。

例えば、以下のようなスキルの掛け算が、高い市場価値を生み出します。

  • 「営業力」 × 「IT知識」 × 「英語力」 → =外資系IT企業で、高額なソリューションをグローバルに販売できる人材(希少性が高く、年収2000万円以上も狙える)
  • 「財務会計」 × 「M&Aの知識」 × 「データ分析スキル」 → =企業の買収戦略を、データドリブンで策定・実行できる人材(コンサルや投資銀行で引く手あまた)

彼らは、一つのスキルで100人に1人の存在になるのは難しいことを知っています。しかし、「10人に1人のスキル」を3つ掛け合わせれば、1000人に1人の希少な人材になれることを理解しているのです。彼らは常に、次に習得すべきスキルは何か、どう組み合わせれば自分の価値が上がるか、という視点で自己投資を行っています。

選択3:時間の『使い方』の選択(全ての時間を未来への投資と捉える)

最後の選択は、最も根本的かもしれません。それは、「時間」という誰にでも平等に与えられた資源の使い方です。

  • 狙えない人: 勤務時間を「労働の対価として給料をもらうための時間」と捉える。定時になれば仕事は終わり、業務時間外は完全にオフモード。仕事はあくまで「やらされるもの」。
  • 狙う人: 20代の時間のすべてを「未来の自分への投資」**と捉える。勤務時間は、スキルと実績を得るための絶好の投資機会。難易度が高い、誰もやりたがらないプロジェクト(=成長機会)に、自ら手を挙げる。 業務時間外も、読書やセミナー参加、異業種の人との交流などを通じて、自身の「武器」を磨くための投資を惜しまない。

これは、精神論や長時間労働を推奨しているのではありません。自分の時間を、消費する「コスト」と見るか、未来のリターンを生む「投資」と見るか、というマインドセットの違いです。このマインドセットの違いが、1年後、3年後、5年後に、圧倒的な能力の差となって現れるのです。

あなたはどちらのプレイヤー?自己診断チェックリスト

ここまで読んで、あなたは自分がどちらのタイプのプレイヤーに近いと感じたでしょうか。以下の簡単なチェックリストで、自身の現在地を確認してみてください。

  1. キャリアを考える時、「安定」よりも「成長」という言葉に心が躍る。
  2. 今の自分の給料が、主に会社の業績ではなく、自分の市場価値で決まっていると感じる。
  3. 今身につけているスキルは、今の会社を辞めても、他の会社で通用する自信がある。
  4. 日々の仕事において、指示された範囲を超えて、「もっとこうすれば良くなるのに」と考えることがよくある。
  5. 業務時間外に、自分の専門性を高めるための学習や情報収集を、習慣的に行っている。

もし、あなたが3つ以上に「YES」と答えたなら、あなたは既に「市場価値志向」のゲームのプレイヤーです。自信を持って、その道を突き進んでください。もし「YES」が少なかったのであれば、今日この瞬間から、3つの戦略的選択を意識することで、ゲームのルールを書き換えることが可能です。

最後に:どのゲームをプレイするかは、あなたが決める

20代で年収1000万円という目標は、決して楽な道のりではありません。それは、明確な戦略を持ち、険しい山を登ることを自ら選択した、一部のプレイヤーだけがたどり着ける頂きです。

しかし、最も重要なのは、どちらのゲームをプレイすることが、あなたにとって幸せか、ということです。安定した環境で、一つの会社に貢献し、プライベートな時間を大切にする。それもまた、非常に価値のある、素晴らしいキャリアの形です。

この記事の目的は、全員が年収1000万円を目指すべきだと主張することではありません。そうではなく、あなたが望むキャリアを築くためには、それに合った「ゲームのルール」を理解し、正しい「戦略」を選択する必要がある、という事実を伝えることです。

あなたのキャリアの主人公は、あなた自身です。 まずは、自分が本当にプレイしたいゲームはどちらなのか、自問自答することから始めてみてはいかがでしょうか。その答えが見つかった時、あなたの目の前には、進むべき道がはっきりと見えているはずです。


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