【コンサルが解明】年収が頭打ちになる人、伸ばせる人の決定的違い

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【この記事はこんな方に向けて書いています】

  • 30代に差し掛かり、昇給ペースが鈍化してきたと感じている方
  • 現場のプレイヤーとしては一流だと自負しているが、この先のキャリアと年収に不安がある方
  • なぜ同年代でも年収に大きな差がつくのか、その構造的な理由を知りたい方
  • 年収の壁を突破し、今後も継続的に市場価値を高めていくための具体的な方法論を知りたい方

20代の頃は、がむしゃらに頑張れば頑張るほど、面白いように給料も上がっていった。しかし、30代に差し掛かった途端、ふと、その成長曲線が緩やかになっていることに気づく。同期入社だったはずの同僚は、今や自分のはるか先を走り、年収にも大きな差がついている…。

もし、あなたがこのような停滞感を感じているなら、それは決してあなた一人の感覚ではありません。日本の賃金構造(賃金カーブ)をデータで見ると、多くの人が30代後半から40代にかけて、年収の上昇率が著しく鈍化するという、共通の壁に直面していることが分かります。

では、この「年収の壁」をやすやすと突破し、50代、60代と価値を高め続ける人と、壁の前で足踏みしてしまう人とでは、一体何が違うのでしょうか。 「能力の差だ」「努力が足りないからだ」と片付けてしまうのは、あまりにも短絡的です。

この記事では、コンサルタントの視点から、この問題を構造的に分析します。結論から言えば、両者の違いは、仕事から価値を生み出す「価値創出モデル」が、根本的に異なることに起因します。例えるなら、腕利きの「職人」と、優れた「工場経営者」の違いです。

この記事を読み終える頃には、あなたは自身の「価値創出モデル」を客観的に診断し、年収の壁を突破するための、明確な戦略地図を手にしているはずです。

あなたの年収を決める、たった一つの「価値創出モデル」

あなたの年収は、あなたが会社に対して、どのような「価値」を提供しているかによって決まります。そして、その価値の生み出し方(価値創出モデル)には、大きく分けて2つの種類が存在します。

1. 頭打ちになる人の「労働集約型モデル」(職人モデル) これは、自分自身のスキルと労働時間を直接投下して、価値を生み出すモデルです。腕利きの職人が、自分の手で素晴らしい工芸品を一つひとつ作り上げる姿を想像してください。 彼らの提供価値は、以下の式で表せます。

提供価値 = 個人のスキルレベル × 投下した労働時間

このモデルでは、年収を上げる方法は「スキルを磨いて時間単価を上げる」か、「より多くの時間働く」かの二択しかありません。しかし、スキルアップの速度は年齢と共に緩やかになり、労働時間には1日24時間という物理的な上限があります。そのため、このモデルで働き続ける限り、年収はどこかの時点で、必ず頭打ちになります。

2. 伸ばせる人の「レバレッジ創出型モデル」(工場経営者モデル) これは、自分一人の力だけでなく、他人や仕組み、知識といった「テコ(レバレッジ)」を活用して、自分自身の能力を増幅させ、価値を生み出すモデルです。優れた工場経営者が、機械(仕組み)を導入し、従業員(他人)を育て、製造ノウハウ(知識)を体系化することで、一人では到底不可能な数の製品を大量生産する姿を想像してください。 彼らの提供価値は、以下の式で表せます。

提供価値 =(自分 + 他人 + 仕組み) × 価値提供のスケール

このモデルでは、自分の労働時間に価値が直結しません。自分が作り上げた「価値を生むシステム」そのものが、あなたに代わって価値を生み出し続けるため、年収の上限は事実上なくなります。

20代で評価されるのは、多くの場合、前者の「職人」としての能力です。しかし、30代以降も年収を伸ばし続けられるかは、後者の「工場経営者」へと、いかに早くモデルチェンジできるかにかかっているのです。

年収の壁を突破する「3つのテコ」

では、「工場経営者」になるために、私たちは具体的にどのような「テコ(レバレッジ)」を使いこなすべきなのでしょうか。その代表的なものが、以下の3つです。

テコ1:『他人』を動かす(マネジメント・育成)

これは、最も分かりやすいレバレッジです。自分一人で10の成果を出すのではなく、5人のチームメンバーが、それぞれ5の成果を出せるように導く。そうすれば、チーム全体のアウトプットは25になり、あなたの価値は2.5倍になります。

  • 頭打ちになる人(職人): 「自分がやった方が早い」と考え、仕事を抱え込む。部下や後輩を「自分の手足」として、細かい指示を出す。
  • 伸ばせる人(工場経営者): 「この仕事を通じて、彼にどう成長してほしいか」を考える。権限を委譲し、失敗を許容し、部下や後輩を「自分以上の職人」に育てることに喜びを感じる。

テコ2:『仕組み』を作る(標準化・再現性の構築)

これは、あなた個人の「暗黙知」や「職人技」を、誰もが使える「形式知」や「マニュアル」へと転換する行為です。

  • 頭打ちになる人(職人): 自分だけの「秘伝のタレ」のようなExcelテンプレートや、自分にしか分からないノウハウを抱え込み、自身の優位性を保とうとする。結果、「あの人でないと、この仕事はできない」という属人化を生む。
  • 伸ばせる人(工場経営者): 誰がやっても80点以上の成果を出せるような、チェックリスト、テンプレート、業務マニュアルといった「仕組み」を積極的に作る。自分の成功パターンをチームの資産へと変え、組織全体の生産性を向上させる。彼らは、自分が「いなくても回る現場」を作ることを目指します。

テコ3:『知識』を再生産する(体系化・横展開)

これは、あなた自身が持つ知識や経験を、1対1の伝達だけでなく、1対N(多)へとスケールさせる行為です。

  • 頭打ちになる人(職人): 質問されれば、その都度、親切に答える。しかし、その場限りの対応で終わってしまう。
  • 伸ばせる人(工場経営者): 頻繁に聞かれる質問や、多くの人が躓くポイントを体系化し、勉強会を開催したり、社内Wikiにまとめたりする。一度のアウトプットで、10人、100人の知識レベルを同時に引き上げる。社内外での登壇や執筆活動も、このレバレッジの一環です。

あなたはどちらのモデル?自己診断チェックリスト

あなたは今、どちらの価値創出モデルで働いているでしょうか。以下のリストで、自身の現在地を診断してみてください。

  1. 自分の仕事の価値は、主に「労働時間」と「個人のスキル」で決まっていると感じる。
  2. 「この仕事は、自分にしかできない」という状況に、心地よさや優越感を覚える。
  3. 部下や後輩を育てることよりも、自分で手を動かして成果を出すことの方が好きだ。
  4. 自分の成功ノウハウを、他の人が使えるような形(マニュアルなど)にまとめるのは億劫だ。
  5. 日々の仕事が忙しく、自分のチームや部署以外のことに、あまり関心が持てない。

もし、あなたが3つ以上に「YES」と答えたなら、あなたは「労働集約型モデル」に留まっている可能性があります。しかし、悲観する必要はありません。今日から意識を変え、行動することで、モデルチェンジはいつでも可能です。

最後に:「職人」のその先へ

20代のキャリアが、いかに優れた「職人」になるかの競争だったとすれば、30代以降のキャリアは、いかに優れた「工場経営者」になれるかの競争です。 それは、プレイヤーとしての自分をある意味で捨て去り、他者や仕組みを通じて、より大きな価値を生み出すという、全く新しいゲームへの挑戦です。

もちろん、優れた職人としての経験は、最高の工場を作るための、何よりの礎となります。しかし、その経験に固執し、過去の成功モデルから抜け出せない者から、市場は静かに見切りをつけていきます。

年収の壁とは、市場があなたに「そろそろ、次のステージに進む時間ではないですか?」と、優しく、しかし明確に問いかけているサインなのかもしれません。 あなたの素晴らしい職人としてのキャリアを土台に、今度は、あなた自身の「工場」を設計し、建設するという、新しい挑戦を始めてみてはいかがでしょうか。


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