【こんな方に向けたお話です】
この動画は、管理職やリーダーへの昇進を目指しているものの、なかなか上司を納得させられず歯がゆい思いをしている方や、自分の実績を正しくアピールできないために昇進が先送りになっている方に向けた内容です。
【昇進のための本質】
そもそも昇進とは、会社や組織から「この人ならもっと大きな責任を任せられる」という評価を受けることです。
だからこそ、単に業務をこなすだけでは昇進のチャンスは訪れにくく、上司の期待値を超える成果やコミュニケーションが必要になります。
その際に重要になるのは、自分の実績を客観的に見せる方法と、上司の期待や価値観に合わせて自分の成果を適切に伝えるスキルです。
昇進を確実に手に入れるには、単に数字や結果を並べるだけでなく、上司を納得させる「ストーリー」を構築する必要があります。
【嘘がつけないと厳しい理由】
しかし、多くの人は自分の実績をありのままに伝えようとしがちで、その結果「この人は自分の実績をどう評価してほしいのか分からない」と上司に思われてしまいます。
上司が部下を評価するとき、求めているのは単なる事実ではなく「その人がどんな価値を組織にもたらしてきたか」という観点です。
たとえば「月間売上を10%アップしました」と聞いても、上司はそれがどれだけ偉業なのか、チームにどんな影響を与えたのかを知りたいのです。
ここで「自分はこういう困難を乗り越えて成果を出しました」というストーリーを添えられないと、淡々とした数字だけが報告され、上司の心には響きません。
つまり、事実だけではなく事実を魅力的に語るスキル──つまり嘘とは言わずとも誇張や演出を加える技術が必要なのです。
【嘘と演出の境界線】
ただし「嘘」と言うと語弊がありますが、ここで言う嘘とは「無理に過大な成果を装う」ことではなく、「自分の取り組みを最も効果的に見せるために、事実をひと工夫する演出力」のことです。
たとえば、プロジェクトの進捗を報告するときに「自分はこの機能の実装を担当した」とだけ言っても、それがどの程度難しかったのか、どれだけ品質を向上させたのかは伝わりません。
そこで、「この機能の仕様が二転三転して難易度が高かったけれど、テストケースを自作して品質を確保した」「リリース直前のバグを発見し、自分が対応したことで納期遅れを防いだ」といったエピソードを添えることで、自分の価値を上司に強く印象づけることができます。
【上司の期待値と価値観を理解する】
では具体的にストーリーを構築するにはどうすればよいかというと、まずは上司が何を求めているのか、どんな価値観を大切にしているのかを理解することが重要です。
上司がコスト削減を重視しているなら、「自分がこの部分を改善したことで〇〇万円のコスト削減を実現しました」と数字を絡めた報告が刺さりますし、品質重視の上司なら「品質基準を引き上げるために自分が導入したチェックリストで不具合件数を半分に減らしました」といった話が効果的です。
つまり、自分の成功体験をただ並べるのではなく、上司が最も評価する軸に合わせてエピソードを選び、強調すべきポイントを捉えたうえで話を組み立てる必要があるのです。
【効果的な話し方のテクニック】
話し方のテクニックとして有効なのは、「問題提起→自分の行動→成果とそのインパクト」というフレームワークです。
まずは現状の課題や問題点を提示し、「このままではどうなるか」というリスクを共有します。
つぎに、自分がどのように動いたか、どんな工夫をしたかを具体的に説明し、「なぜそのアプローチを選んだのか」「どのような難しさがあったのか」を丁寧に伝えます。
最後に、数値や定量データで成果を示し、その成果がチームや部署、会社全体にどんな影響を与えたかをわかりやすく説明します。
これにより上司は「この人は自分の部下としてどれだけの価値を生み出せるのか」という判断がしやすくなり、昇進に近づくのです。
【自己評価と客観評価のバランス】
しかし自分のストーリーを作る際は、驕り高ぶった表現では逆効果になります。
自分の行動を過大にアピールしすぎると、「自己評価が高すぎる」と上司に思われ、信頼を失う恐れがあります。
そこで重要なのは「自己評価と客観評価のバランス」です。具体的には、社内の他チームや先輩からのフィードバックや実績データを引用して、自分の実績を客観的に裏付けることです。
たとえば「先日のアンケートでは、ユーザビリティ向上施策の結果、顧客満足度が20%改善したと評価されました」「先輩エンジニアからは『仕様設計の視点が優れている』とお墨付きをいただいています」といった形で他者の評価を活用すると、信憑性が高まり自分の話に説得力が生まれます。
【極意はストーリーの一貫性】
昇進を狙うためには、一度きりの報告ではなく、日々のコミュニケーションで一貫したストーリーを発信し続けることも大切です。
たとえば月次の定例会議では「先月はこういった困難があったものの、このように工夫して乗り越え、チームに貢献しました」と振り返り、その翌日には上司に個別で「このように改善した結果、次の施策をこう進めたい」と次のアクションを共有します。
このように、日々の業務報告と将来展望をつなげて伝えることで、「この人は継続的に成長している人物だ」と上司に認識させることができます。
【実績と将来ビジョンの融合】
さらに昇進を確実にするには、実績のアピールだけでなく「この先、自分はどうチームや会社に貢献していくか」というビジョンを語ることが不可欠です。
たとえば「今後は新規事業にも携わりたいと考えており、すでに市場調査を開始しています」「次のステップとしてチームメンバーの育成に注力し、部署内の技術力を底上げしたいと考えています」といった具体的な将来像を示せば、上司は「この人にもっと大きな責任を任せてみよう」と思いやすくなります。
実績だけを語る部下に比べ、将来ビジョンを見据えて行動している部下のほうが、管理職候補として評価が高くなるのは当然の流れです。
【上司の立場に立ったアプローチ】
昇進を目指す際には、自分の話をただ押し付けるだけではなく、上司の立場に立って考えることも重要です。
上司は部下の成長を支援する立場であり、同時に部署全体の成果責任を負っています。
したがって、あなたがどんなに優れたアイデアや実績をアピールしても、「それを実際に推進してもらわないと部署として前に進まない」と感じると、評価は得られません。
そこで、アイデアや実績を伝えると同時に「この案件については私がリーダーシップを取り、チームをまとめて推進します」と具体的な行動計画を示し、上司の負担を軽減する姿勢を打ち出すことが肝心です。
【数字とエピソードの使い分け】
昇進を説得するためには数字だけでもなくエピソードだけでもありません。
数字は定量的な証拠として説得力がありますが、人の心に響くのはやはりエピソードです。
たとえば「この施策で売上が15%向上しました」という数字は瞬時にインパクトがありますが、その数字がどのような背景で生まれ、どんな困難を乗り越えたのかを添えないと、ただの結果報告で終わってしまいます。
一方で「こんな苦労があって、チームメンバーと夜遅くまで議論した結果、このように解決策を見つけました」というエピソードは温度感がありますが、数字がないと成果の大きさが伝わりにくいのです。
したがって数字とエピソードをバランスよく組み合わせてプレゼンすると、上司の心をつかみやすくなります。
【タイミングを逃さない報告】
昇進の話を切り出すタイミングも非常に重要です。多くの人は業績が好調な時期や上司が忙しくないタイミングを見計らわずに「昇進お願いします」と直球で頼みがちですが、これは逆効果でしょう。
より適したタイミングとは、プロジェクトが成功した直後や四半期決算が終わった時期、上司がチームの成果を振り返る会議の前などです。
こうしたタイミングで「今回のプロジェクトではこういう貢献をしました。次はこういう形でさらに部署に貢献していきたいので、管理職としてチームをけん引させていただきたいと考えています」と切り出せば、上司もあなたの昇進を前向きに検討しやすくなります。
【経験談で語る説得力】
説得力を高めるためには、自分だけの成功体験や失敗体験を交えることも効果的です。
たとえば「以前は自分から提案する勇気がなく、結果としてチームに貢献できませんでした。しかし先輩に背中を押されて提案した結果、チームの売上が10%向上し、その経験が自分の自信につながりました」といった具体的なエピソードを語ると、自分がどのような課題を乗り越えてきたのかが伝わります。
こうした経験談を交えた口頭報告は、数字や資料だけで説明するよりも上司に「この人は本気で成長している」と思われやすくなります。
【自分のブランドを作る】
中長期的な視点で昇進を見据えるなら、自分自身のブランドを社内で確立することが大切です。
ブランドとは「この人といえばこの分野で頼れる」というイメージです。
たとえば社内勉強会を開催して後輩に技術をレクチャーしたり、ナレッジ共有のブログを運営してエンジニアコミュニティに貢献することで、「あの人は技術力が高いだけでなく、社内の人材育成にも熱心な人物」というブランドを築くことができます。
ブランドが確立されると、上司や他部署からの評価が自然と高まり、昇進への期待感も高まるでしょう。
【リーダーシップの本質】
リーダーシップの本質は、単に指示を出すことではなく、チーム全体を巻き込み、一丸となって目標に向かわせることです。
そのためには、自分が率先して行動し、チームメンバーのモチベーションを高める姿勢を示す必要があります。
会議ではメンバーの意見を引き出し、自分の意見と組み合わせて最適解を導くファシリテーションスキルも重要です。
このようなリーダーシップを日常的に発揮することで、上司から「この人に管理職を任せればチームがまとまる」と期待される存在になれます。
【失敗事例から学ぶ】
逆に、自分の思い通りに昇進が進まない人は、上司を説得する際に「根拠のない自信」や「自己主張の強さ」だけでアピールし、説得力を欠いていることが多いです。
たとえば「俺は誰よりも頑張っているから昇進に値するはずだ」というだけで、具体的な成果や組織への貢献を示さずに頼んでしまい、上司に呆れられるケースがあります。
こうした依頼の仕方では、上司は「この人は感情論でしか話せない」と感じ、昇進に消極的になります。
失敗しないためには、感情論ではなく数字やエピソードを用いて、論理的に訴えかけることが求められます。
【他部署への影響力を広げる】
昇進は自分の部署内だけで評価されればいいわけではなく、他部署との協働が増える以上、他部署からの評価も重要になります。
自分の仕事ぶりを社内報や全社メールなどで適切にアピールし、他部署にも自分の貢献を知ってもらいましょう。
「このプロジェクトでは他部署との調整を円滑に進め、リリーススケジュールを守りました」「××部門と協力して新しい業務フローを構築し、業務効率を20%向上させました」といった実績を他部署へも発信することで、社内でのあなたの影響力が広がり、上司からも「昇進させても安心できる人材」と見なされやすくなります。
【まとめ】
昇進したいなら、まず上司を納得させるためのストーリー構築力とプレゼンテーションスキルが不可欠です。
ただ実績を並べるのではなく、上司が評価する軸に合わせて数字とエピソードを組み合わせ、自己評価と客観評価をバランスよく伝えましょう。
さらに、将来ビジョンを示し、他部署へも影響力を広げることで、組織全体から信頼を得ることが大切です。
今回の動画が、昇進を目指す皆さんの参考になれば幸いです。
ご視聴ありがとうございました。
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