【カモにされるな】転職エージェントの“言いなり”で人生を棒に振る人の典型パターン4選

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【この記事はこんな方に向けて書いています】

  • これから初めて転職エージェントを利用しようと考えている方
  • 転職エージェントとの面談を控えているが、何を話せばいいか不安な方
  • 過去にエージェントを使ったが、なんだか上手くいかなかったと感じている方
  • 自分のキャリアを、他人にコントロールされたくないすべての方

あなたのキャリア、あなたの人生、本当にあなた自身で決めていますか?

転職が当たり前になったこの時代、多くの人がそのパートナーとして「転職エージェント」を利用します。無料でプロのサポートが受けられ、非公開の優良求人にもアクセスできる。まさに、転職活動の必須ツールと言ってもいいかもしれません。実際に、転職者の約7割が何らかの形でエージェントサービスを利用しているというデータもあるほどです。

しかし、その手軽さの裏には、非常に大きな落とし穴が潜んでいることを、あなたはご存知でしょうか。

残念ながら、転職エージェントの言うことを鵜呑みにし、彼らの都合のいいようにキャリアを誘導され、結果的に「こんなはずじゃなかった」と後悔の涙を流す人が、後を絶たないのです。彼らは、あなたのキャリアパートナーの仮面を被った、凄腕のセールスマンです。そして、あなたがもし無防備であれば、あなたは彼らにとって、絶好の「カモ」になってしまう。

これは脅しではありません。あなたの人生を、他人の営業成績のために切り売りさせないための、緊急警告です。

今回は、転職エージェントに騙され、キャリアを台無しにしてしまう人に共通する、致命的な4つのパターンについて、深く、そして厳しく、解説していきます。もし、一つでも「自分のことかも…」と感じたら、今すぐ立ち止まって、あなたの転職活動を根本から見直す必要があります。あなたの人生の主導権を、決して手放してはいけません。

さて、まず最初のパターンからお話ししましょう。これは、非常に多くの真面目で誠実な人が陥ってしまうワナです。それは、「自分を安売りしてしまう、自己肯定感の低い人」。

あなたも、心のどこかで「今の会社でしか通用しないんじゃないか」「自分のスキルなんて、大したことないし…」なんて、思っていませんか?特に、初めての転職だったり、今の職場での評価が低かったりすると、どうしても自信を失いがちになりますよね。

そんな不安な状態でエージェントとの面談に臨むと、どうなるか。

エージェントは、あなたのその不安な心を、実に見事に、そして的確に見抜いてきます。彼らは百戦錬磨のプロですから。そして、こんな甘い言葉をささやき始めるんです。

「大丈夫ですよ、あなたを欲しがる企業はたくさんあります。ただ、まずは内定を取って自信をつけることが大事ですから、少しハードルを下げて、未経験でも歓迎の求人から受けてみませんか?」 「なるほど、ご希望の年収は500万円ですね。ただ、今のあなたの市場価値を客観的に見ると、まずは400万円からスタートして、入社後に実績で上げていくのが現実的なラインだと思いますよ」

どうでしょう。不安な時にこう言われると、「そうか、プロが言うんだから間違いない」「やっぱり自分にはその程度の価値しかないんだな」「まずは内定をもらえるだけでもありがたい」…そう、思ってしまいませんか?

ここに、一つ目の、そして最も根深いワナがあるんです。

エージェントのビジネスモデルを思い出してください。彼らは、あなたが入社して初めて、企業側から成功報酬を受け取ります。その額は、あなたの理論年収の約30%から35%が相場です。つまり、彼らにとって最も重要なのは、あなたが「内定を獲得し、入社を決断すること」。それも、できるだけ早く、確実に。

だから、あなたの本当の実力や可能性を最大限に引き出すことよりも、確実に内定が出そうな、いわゆる「決めやすい」求人にあなたを誘導するインセンティブが、構造的に働いているんです。自己肯定感が低く、「自分なんて…」と思っているあなたは、彼らにとって、まさに理想的な顧客。少し条件の悪い求人でも、巧みな話術で納得させ、簡単に入社まで導くことができるからです。

あなたは「親身になってくれている」と感じるかもしれませんが、その裏で、あなたの市場価値は不当に低く見積もられ、本来得られるはずだった年収やキャリアの機会を、静かに奪われているのかもしれないのです。

思い出してください。あなたは、お金を払ってでも採用したい、と企業に思わせるだけの価値を持った、プロのビジネスパーソンなんです。その価値を、あなた自身が信じなくてどうするんですか。エージェントの言う「市場価値」は、彼らの「売りやすい価格」に過ぎないかもしれない。そのことを、決して忘れないでください。

…少し、厳しい言い方だったかもしれませんね。ですが、これは本当に重要なことなんです。

では、次に二つ目のパターンに移りましょう。これもまた、非常に危険な兆候です。それは、「エージェントを崇拝してしまう、思考停止な人」。

特に転職が初めての場合、業界の動向、職務経歴書の書き方、面接の作法など、分からないことだらけですよね。そんな時、専門知識をスラスラと語り、業界の裏話まで教えてくれるエージェントは、まるで暗闇を照らす灯台のように、頼もしく見えることでしょう。

「なるほど、今のトレンドはこうなっているのか」 「プロが勧めるんだから、この企業は間違いないんだろう」 「言われた通りに職務経歴書を書いて、面接でこう答えればいいんだな」

こうして、あなたは次第に、自分で考えることをやめてしまいます。企業研究もそこそこに、エージェントから送られてくる求人情報だけを眺め、自己分析もせずに、エージェントが作った「あなたの強み」を面接で暗唱する。

これは、もはや転職活動ではありません。エージェントが書いた脚本を演じる、ただの操り人形です。

なぜこれが危険なのか。理由は二つあります。

一つは、先ほども触れましたが、エージェントの提案にはバイアスがかかっているからです。彼らは、付き合いが長く、マージン率(紹介料)が高い企業や、大量採用中で決めやすい企業を、優先的に勧めてくる傾向があります。それが、あなたにとって本当にベストな選択肢であるとは限りません。いや、むしろ、そうでないことの方が多いでしょう。彼らは全知全能の神ではありません。日本に数百万社ある企業のうち、彼らが扱っているのは、ほんの一握りに過ぎないんです。その狭い世界の中だけで、あなたの人生を決められてしまって、本当にいいんですか?

そして、もう一つの、さらに深刻な理由。それは、思考停止のまま入社すると、ほぼ確実に「ミスマッチ」が起きるからです。自分で深く考え、悩み、企業を調べ抜いていないから、入社してから「こんなカルチャーだとは思わなかった」「聞いていた仕事内容と違う」「会社のビジョンに共感できない」といった壁にぶつかるんです。それは当然です。あなたは、その会社を選んだのではなく、エージェントに「選ばされた」だけなのですから。

転職とは、あなたの価値観と、企業の価値観のマッチング作業です。その最も重要なプロセスを他人に丸投げして、幸せなキャリアが築けるはずがありません。エージェントは、あくまであなたの「壁打ち相手」であり、「情報源の一つ」です。彼らの意見は参考にすれど、最終的に決断し、その責任を負うのは、他の誰でもない、あなた自身だということを、肝に銘じてください。

…さて、三つ目のパターンです。これは、先の思考停止とは少し毛色が違いますが、根っこは同じかもしれません。それは、「とにかく楽をしたい、『丸投げ』をしてしまう人」。

「仕事が忙しくて、転職活動にかける時間がないんです」 「面倒なことは苦手なので、良い感じの求人をピックアップして、面接の日程調整も全部お願いします」

気持ちは、分かります。確かに、働きながらの転職活動は大変です。しかし、この「丸投げ」スタンスが、あなたの首を絞めることになる。

考えてみてください。エージェントは、毎日何十人もの転職希望者とやり取りをしています。その中で、誰を優先的にサポートしたくなるでしょうか。自分のキャリアに真剣で、熱意をもって自己分析や企業研究をし、積極的に質問してくるAさんと。「なんか良いとこあったら教えてください」というスタンスで、レスポンスも遅いBさん。答えは、火を見るより明らかですよね。

エージェントも人間です。そして、プロのビジネスマンです。当然、成功確率の高い、つまり、熱意のある優秀な候補者に、より多くの時間と、より質の高い情報を割くのは当然のことです。

あなたが「丸投げ」をした瞬間、あなたは彼らの中で「優先度の低い、その他大勢の候補者」にカテゴライズされてしまう。その結果、どうなるか。

本当にあなたのキャリアにとって価値のある、難易度は高いけれど挑戦しがいのある求人は、熱心なライバルたちに紹介され、あなたの元には、誰でも応募できるような、ありきたりな求人しか回ってこなくなる。面接対策もテンプレ通りのアドバイスでお茶を濁され、企業への推薦文も、熱意のこもらない、当たり障りのない内容になるでしょう。

転職活動は、あなたの人生を賭けた、真剣勝負の場です。それを「面倒くさい」の一言で他人に委ねるような姿勢では、良い結果など得られるはずがありません。それはまるで、自分の結婚相手探しを、結婚相談所に「良い人いたら紹介しといてください」と丸投げするようなものです。そんな姿勢で、最高のパートナーが見つかると思いますか?

忙しいのは皆同じです。その中で、いかに時間を作り出し、自分のキャリアと真剣に向き合うか。その覚悟が、転職の成否を分けるのです。

…それでは、最後の四つ目のパターンです。これは、ある程度、転職活動が進んだ段階で陥りやすい、非常に危険な心理状態です。それは、「内定をもらうこと自体が目的化してしまう、『内定コレクター』」。

転職活動を始めると、特に今の職場への不満が強い場合、「とにかくここから抜け出したい」という気持ちが先行しがちです。そして、書類選考が通り、面接が進み、いくつかの企業から「内定」という札をもらうと、不思議な高揚感と安心感に包まれます。

「自分は、社会から必要とされているんだ」 「こんなに多くの会社が、自分を評価してくれた」

その感覚は、あなたの自信を回復させてくれるかもしれません。しかし、ここが最大の分岐点です。

内定は、ゴールではありません。あくまで、新しいキャリアの「スタートラインに立つ権利」を得たに過ぎないのです。

しかし、内定がゴールになってしまった人は、本来の目的を見失ってしまいます。「どんな働き方がしたいのか」「どんなスキルを身につけたいのか」「5年後、10年後、どうなっていたいのか」。そういった、転職活動を始めた当初の、最も重要な問いを忘れ、目の前にぶら下がった内定という果実を、どの順番で食べるか、という短期的な視点に陥ってしまうのです。

そして、その迷える子羊の背中を、エージェントは容赦なく押してきます。

「A社から内定が出ました!おめでとうございます!ただ、B社も捨てがたいですね。年収はB社の方が50万円高いですよ」 「C社の人事の方が、ぜひあなたに来てほしいと熱望しています。ただ、他にも候補者がいるので、明日までにお返事をいただけないと、この話はなかったことになってしまうかもしれません」

彼らのクロージINGは、強力です。なぜなら、先ほどから何度も言っているように、あなたが内定を承諾し、入社して、初めて彼らのミッションはコンプリートするのですから。あなたに冷静に考える時間を与えず、魅力的な条件をチラつかせ、決断の期限を煽り、なんとかしてハンコを押させようとします。

このプレッシャーに負けて、「一番給料が高いから」「最初に内定をくれたから」「エージェントが強く勧めるから」といった理由で入社先を決めてしまう。これが、最悪の結末への入り口です。

入社後、待っているのは、再びのミスマッチです。「給料はいいけど、社風が全く合わない」「聞いていた話と違う」。そして、短期離職を繰り返し、あなたの経歴には傷がついていく…。

そうならないために、どうすればいいか。

内定が出揃ったら、一度、転職エージェントとの連絡を、意図的に絶つ時間を作ってください。そして、一人で、静かに、原点に立ち返るんです。「自分は、何のために転職するんだっけ?」と。

紙に書き出してください。新しい会社で実現したいこと。譲れない価値観。そして、それぞれの内定企業が、それにどれだけ合致しているのかを、あなた自身の言葉で、評価し直すんです。

エージェントは、あなたの人生の伴走者ではありません。彼らは、特定の区間だけ、有料で併走してくれる、ペースメーカーに過ぎないのです。レースのゴールを決めるのも、走り方を決めるのも、全てあなた自身です。

さて、ここまで、転職エージェントに騙されてしまう人の4つのパターンについて、かなり厳しくお話ししてきました。

自分を安売りする人。思考停止に陥る人。他人任せにする人。そして、目的を見失う人。

これらに共通しているのは、たった一つ。「自分のキャリアの主導権を、他人に明け渡してしまっている」ということです。

では、最後に。どうすれば、私たちは転職エージェントという強力なツールを、カモにされることなく、「賢く」使いこなすことができるのか。そのための、具体的なアクションプランを提案して、この話を終わりにしたいと思います。

まず、エージェントを「一人に絞らない」こと。必ず、複数のエージェントに登録し、面談してください。できれば、総合型の大手と、特定の業界に特化したブティック型の両方と話してみるのがいいでしょう。そうすることで、一人のエージェントの意見を鵜呑みにすることなく、情報を客観的に比較検討できます。A社では酷評された自分の経歴が、B社では高く評価される、なんてことは日常茶飯事です。

次に、エージェントとの面談では、「受け身」にならないこと。「何かいい求人はありますか?」ではありません。「私は、こういうキャリアプランを持っていて、そのために、こういう経験が積める、こういう条件の企業を探しています。御社には、それに合致する求人はありますか?」と、あなたが面接官になったつもりで、エージェントを試すんです。あなたのキャリアに対する本気度を見せつければ、彼らのあなたに対する扱いも、必ず変わります。

そして、最も重要なこと。それは、「あなた自身の言葉で、キャリアを語れるようになるまで、自己分析を徹底的に行う」ことです。なぜ転職したいのか。何を成し遂げたいのか。あなたの強みは何か。弱みは何か。それを、誰に何を言われようと揺るがない、あなた自身の「軸」として確立するんです。

この「軸」さえあれば、エージェントの巧みな話術に惑わされることも、目先の条件に目が眩むこともありません。あなたにとって不要な提案は、自信を持って断ることができるようになります。

転職は、あなたの人生を、より豊かにするための、素晴らしい機会です。その貴重な機会を、他人の都合で台無しにされてはいけません。

どうか、あなた自身の頭で考え、あなた自身の足で立ち、そして、あなた自身の意志で、未来を掴み取ってください。あなたのキャリアの主人公は、あなたしかいないのですから。


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