【起業の罠】自己資金300万が半年で消える…初心者がハマる「お金の溶かし方」3選

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【この記事はこんな方に向けて書いています】

  • これから起業を考えている、夢と希望に満ち溢れた方
  • 自己資金や融資でまとまったお金を手にして、少し気が大きくなっている方
  • 起業したものの、思ったより早く資金が減っていて焦っている方
  • 失敗しないために、起業のリアルなお金の話を知っておきたい方

会社設立!事業用口座に振り込まれた数百万円の自己資金!さあ、ここから俺の伝説が始まる…!そんな風に、胸を躍らせていませんか?

しかし、その高揚感が、あなたの事業を破滅に導く最初の落とし穴です。日本政策金融公庫の調査によれば、起業後の廃業理由の上位には、常に「販売不振」と並んで「運転資金の不足」が挙げられます。多くの人が、事業が軌道に乗る前に、大切なお金を“溶かして”しまうのです。

この記事では、起業初心者がやりがちな、典型的なお金の失敗パターンを3つ厳選して解説します。これは、あなたの夢と、なによりあなたの大切な資金を守るための、極めて重要な話です。お金をかけるべき場所と、そうでない場所。その違いを知るだけで、あなたの事業の生存確率は劇的に上がります。

落とし穴1:見栄と自己満足のための「固定費地獄」

起業家が最初にやってしまいがちな、最も罪深いお金の使い方がこれです。まだ1円も売上を上げていないのに、見栄や自己満足のために、重い固定費を背負い込んでしまうこと。

その代表格が「立派なオフィス」と「綺麗なウェブサイト」です。

「起業したからには、やっぱり格好いいオフィスがなくちゃ」と、都心の一等地にオフィスを借りてしまう。しかし、あなたの事業は、本当にお客様が訪ねてくるような事業ですか?そうでなければ、そのお洒落な空間は、ただの自己満足。家賃、光熱費、ネット回線…毎月、あなたが寝ている間も、容赦なく資金を削っていく時限爆弾に他なりません。最初は、自宅や月額数万円のコワーキングスペースで十分すぎるのです。

同様に、「会社の信頼のために、プロが作ったサイトが必要だ」と、いきなり制作会社に100万円以上を投じてしまうのも危険です。中身(実績や提供価値)が空っぽのサイトなんて、誰も見に来ません。まずはペライチやSTUDIOのような無料〜低価格のツールで十分。それよりも、SNSで一件でも多く発信することに、あなたの貴重な時間を使うべきです。

落とし穴2:売上を生まない「過剰なツール投資」

次に多いのが、「デキる経営者は良いツールを使っているはず」という根拠のない思い込みから、高機能な有料ツールを次々と契約してしまう罠です。

月額数万円の、高機能な顧客管理ツール(CRM)。お洒落なタスク管理ツール。全自動の会計ソフト…。しかし、よく考えてみてください。顧客がまだ数人しかいない段階で、その高機能なツールは本当に必要ですか?

起業初期の業務管理のほとんどは、Googleスプレッドシートや無料のツールで十分に代替可能です。ツールは、事業が成長し、既存のやり方では回らなくなった時に、初めて導入を検討すべきもの。ツールを導入したから事業が成長するわけではないのです。「このツールへの支払いは、今日の売上に繋がるか?」その問いに即答できないなら、契約ボタンを押すのは待ってください。

落とし穴3:自分でやればタダ、という「時間泥棒」の勘違い

ここまでの2つとは逆に、「お金を使わなさすぎ」て失敗するパターンもあります。特に、経理や法務、社会保険といった、自分の専門外のバックオフィス業務を「自分でやればタダだから」と、貴重な時間を費やしてやってしまう罠です。

思い出してください。起業したあなたの最も重要な仕事は、商品やサービスを開発し、お客様を見つけ、売上を上げることです。あなたの時給は、決してタダではありません。

慣れない作業に何時間も頭を悩ませるのは、本来であれば数万円の売上を生み出せたはずの時間を、ドブに捨てているのと同じことです。これは、目先の数万円をケチって、数十万円の機会損失を生んでいる「時間泥棒」に他なりません。

会社設立の手続き、経理の記帳、契約書の作成…。こうした専門的な作業は、さっさと専門家(税理士、行政書士など)やオンラインアシスタントに外注しましょう。「お金で時間を買う」という発想こそ、起業家が最初に身につけるべき最も重要なスキルなのです。

起業は、サバイバルゲームです。限られた水と食料(=資金)を、いかに賢く使い、目的地(=事業の黒字化)までたどり着くか。見栄や自己満足は、その旅路で最も重く、不要な荷物なのです。

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