「ウチに社内SEは不要」と断言する社長、マジで会社潰しますよ?“本当に”必要なケース、教えます

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【この記事はこんな方に向けて書いています】

  • 「ウチみたいな小さい会社に、社内SEなんて贅沢だ」と本気で思っている中小企業の経営者の方
  • 年間数百万円の人件費を理由に、専門のIT担当者の採用をためらっている方
  • 一人の「PCに詳しい社員」に、社内のIT業務を全て押し付けてしまっている方
  • 社内SEを雇うべきか、外部委託で済ませるべきか、その明確な判断基準を知りたい方

「社内SEなんて、ウチみたいな中小企業には必要ないよ」「その分の人件費があれば、営業を一人でも多く雇いたい」。コストに人一倍敏感な、真面目な経営者の方ほど、そうおっしゃいます。そして、PCに少し詳しい若手社員を「IT担当」に非公式に任命し、本来の業務の片手間で、社内のあらゆるITトラブルの火消しに走らせている。実に、日本の縮図のような光景です。

しかし社長、その判断が、どれほど会社の成長の芽を摘み取り、気づかぬうちに巨大な経営リスクを抱え込むことになるか、あなたは本当の意味で理解していますか?今回は、多くの中小企業が陥る、その危険な『社内SE不要論』の罠を解き明かし、社内SEが“絶対に”必要になるケースと、そうでないケースを分ける、残酷なまでに明確な判断基準を、あなたに叩き込みます。

前提:あなたの会社は「ITで飯を食う」覚悟があるか?

まず、社内SEが必要かどうかを議論する前に、あなたに問いたい。あなたの会社にとって、ITとは何ですか。

単に、日々の業務を効率化するための「コスト(経費)」ですか?それとも、ITを使って新しいサービスやビジネスモデルを生み出し、競合を打ち負かすための「武器(投資)」ですか?前者を「守りのIT」、後者を「攻めのIT」と呼びましょう。この、経営者であるあなたの根本的なスタンスによって、社内SEの必要性は180度変わります。この問いに答えられないのなら、この先を読んでも無駄です。

ケース①:「攻めのIT」で勝つなら、絶対に雇うべき

もし、あなたの答えが「攻めのIT」であるなら、結論から言います。今すぐ、優秀な社内SEを、高い給料を払ってでも雇ってください。なぜなら、「攻め」は外部の人間には絶対に任せられないからです。

自社のビジネスや顧客を、誰よりも深く理解した社内SEがいるからこそ、業務に完璧にフィットした独自のシステムを内製したり、開発の主導権を握ったりできるのです。外部のITベンダーに丸投げすれば、彼らは自社の利益を優先し、あなたの会社に最適とは言えない、高価なシステムを売りつけてくるでしょう。事業の変化に応じて、昨日言ったことを今日変えるようなスピーディーなシステム改修も、外部委託では不可能です。「攻め」に必要なスピードと柔軟性、そして当事者意識は、社内の人間でなければ担保できないのです。

ケース②:「守りのIT」で十分なら、むしろ雇ってはいけない

一方で、あなたの会社が「守りのIT」で十分、つまり「既存の業務を、世の中にある便利なクラウドサービス(SaaS)を組み合わせて効率化できれば、それで良い」というステージなのであれば、話は別です。この場合、正社員の社内SEを一人雇うのは、ハッキリ言って過剰投資であり、愚策です。

ではどうするか。最も賢明なのは、「優秀なIT顧問」と「外部の保守サービス」を組み合わせることです。IT顧問には、月数万円で、自社に最適なクラウドサービスの選定や、全体的なIT戦略の壁打ち相手になってもらう。そして、日々のPCトラブルやネットワークの保守といった定型業務は、専門の保守会社に安価でアウトソーシングする。これにより、正社員一人を雇うより遥かに低いコストで、専門的かつ安定した「守り」の体制を築くことができます。

結論:社内SEは「コスト」ではなく「戦略的投資」である

もうお分かりですね。社内SEを雇うべきかどうかは、「人件費が高いか、安いか」という単純なコストの話ではないのです。それは、「あなたの会社が、ITという武器を使ってどこを目指すのか」という、極めて高度な「戦略」の話なのです。

「攻めのIT」で未来の大きな利益を狙うなら、社内SEは必要不可欠な「投資」です。しかし、「守りのIT」で満足なら、それは無駄な「コスト」になりかねません。自社の戦略を明確にすることなく、ただ「ウチは中小企業だから」という思考停止の理由で判断を誤らないでください。全ては、経営者であるあなたの「覚悟」一つにかかっているのです。

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