【思考停止】あなたのキャリア、まさかSNSで決めてないですよね?

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【この記事はこんな方に向けて書いています】

  • SNSで見る同僚や友人の活躍に、いつも焦りを感じている方
  • 「キラキラキャリア」を語るインフルエンサーの投稿が、つい気になってしまう方
  • 転職や独立を考えたとき、まずSNSで情報収集を始めてしまう方
  • 自分の「本当にやりたいこと」が何なのか、分からなくなっている方

「フリーランス転身、初月で月収7桁達成!」「20代でスタートアップにジョインし、最高の日々」「退職して海外ノマドになりました」。スマートフォンを開けば、そんな輝かしいキャリアを歩む人々の投稿が、これでもかと目に飛び込んでくる。それに比べて自分の仕事は…。そんな風に、他人と自分を比較しては、漠然とした焦りや劣等感を抱いてしまう。心当たりはありませんか。

その焦り、非常に危険です。なぜなら、それはSNSが仕掛けた巧妙な罠であり、あなたが「自分の意志」でキャリアを選んでいるつもりが、実は他人の価値観に知らず知らずのうちに踊らされている、何よりの証拠だからです。今回は、あなたの冷静な判断を狂わせるSNSの正体と、他人の人生ではなく「自分の人生」のハンドルをしっかりと握り直す方法について、厳しくお話しします。

SNSは「人生の切り抜き広告」に過ぎない

まず大前提として、心に刻んでください。SNSに流れてくる情報は、現実そのものではなく、巧みに編集された「人生の切り抜き広告」です。

投稿されるのは、成功した瞬間、給与明細の最高額、海外の美しい風景だけ。その裏にある無数の失敗、泥臭い努力、深夜の不安や孤独といった部分は、ごっそりと切り捨てられています。心理学でいう「社会的比較理論」によれば、人は他者と自分を比べることで自己評価を行いますが、SNSはこの比較を、極めて不健康な形で加速させます。他人の「最高の瞬間」と、自分の「普段の日常」を比べる。そんな不毛な勝負を延々と続ければ、自己肯定感が削られていくのは当然です。

「いいね」が蝕む、あなたの判断基準

なぜ、人はキャリアの成功をSNSで報告するのでしょうか。もちろん、有益な情報を共有したいという善意もあるでしょう。しかし、その根底にあるのは「承認欲求」です。「いいね」や「すごいですね!」という他者からの承認が、麻薬のように作用する。

この構造に慣れてしまうと、キャリア選択の基準が「自分が何をしたいか」から「何をすればSNSでウケるか」へと、静かにすり替わっていきます。自分の心の声ではなく、他人の「いいね」の数を追い求めるキャリア。それは、もはやあなたの人生ではありません。他人の評価を生きる、ただの操り人形です。

アルゴリズムが作る「偏ったサクセスストーリー」

さらに厄介なのが、SNSのアルゴリズムです。あなたが一度「転職」や「独立」といったテーマに関心を示すと、AIは「あなたへのおすすめ」として、それに関連するキラキラした成功事例ばかりを次々と表示してきます。

その結果、あなたのタイムラインは、まるで世の中の全員がフリーランスで成功し、若くして役員になっているかのような、極めて偏った世界(エコーチェンバー)に変貌するのです。ある調査では、SNSの利用時間が長い人ほど、精神的な苦痛を感じやすいという結果も出ています。それは、この歪んだ世界認識が、現実とのギャップを生み、あなたを不必要に追い詰めるからです。

自分の人生のハンドルを取り戻すために

では、どうすればいいのか。答えはシンプルです。一度、その騒がしい画面から、物理的にも心理的にも距離を取ることです。

週末だけでもいい、SNSアプリを消してみてください(デジタルデトックス)。そして、画面の中のインフルエンサーではなく、あなたのことを本当に知っている、身近な先輩や信頼できる友人に、直接会って話をしてみてください。得られる情報の質と温度が、全く違うことに驚くはずです。

最後に、スマートフォンを置いて、紙とペンを用意してください。そして、「本当にやりたいこと」「やりたくないこと」「好きなこと」「嫌いなこと」を、他人の目を気にせず、ただひたすら書き出してみる。SNSは、情報収集のツールとしては便利です。しかし、あなたの人生を決める羅針盤にしてはいけません。最終的な決断は、必ずあなた自身の、静かな心の声に耳を澄ませて下すべきなのです。

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