
【この記事はこんな方に向けて書いています】
- 専門家やコンサルタントに相談さえすれば、全ての問題が解決すると思っている方
- 「お金を払ったんだから、何とかしてくれるだろう」と、心のどこかで期待している経営者の方
- 何度も専門家に相談や研修を依頼しているのに、一向に会社が変わらないと感じている方
- 課題解決の「当事者」になることから、無意識に逃げている全ての方
「先生に相談すれば、ウチの会社も変われますかね?」「お金を払うので、この問題を解決してくれませんか?」。藁にもすがる思いで、専門家である私の元を訪ねてくださる。その切実な気持ちは、痛いほど分かります。
ですが、もしあなたが本気でそう思っているのなら、私は最初に、極めて残酷で、絶望的な真実を告げなければなりません。「いいえ、無理です。私に相談しても、あなたの会社の問題は、絶対に解決しません」と。なぜなら、あなたの会社を本当に変えることができるのは、この世にただ一人しか存在しないからです。今回は、専門家という存在の限界と、あなたがずっと目を背け続けている「不都合な真実」について、一切の綺麗事なしにお話しします。
あなたは医者に何を求めますか?
少し、想像してみてください。あなたが重い病気にかかり、名医の診察を受けたとします。名医は的確な診断を下し、最高の治療計画と、最も効果的な薬を処方してくれました。しかし、あなたがその薬を飲まず、不摂生な生活を改めず、リハビリをサボり続けたとしたら、病気は治るでしょうか?
治るはずがありませんよね。そして、あなたは「あの名医のせいで治らない!」と文句を言うでしょうか。言わないはずです。あまりに理不尽ですから。しかし、ビジネスの世界では、この理不尽な文句を言う経営者が後を絶ちません。私たちは、あなたの会社の課題を診断し、最善の「処方箋(戦略)」を書くことはできます。しかし、その薬を飲み、痛みを伴う改革を実行するのは、他の誰でもない、あなた自身の役目なのです。
私たちは「実行」を代行できません
コンサルタントや専門家が提供できるのは、あくまで「設計図」までです。市場を分析し、競合の戦略を読み解き、あなたの会社が取るべき最適な針路を示した、詳細な航海図です。
しかし、その航海図を元に、実際に船の舵を握り、嵐の中で乗組員(社員)たちを鼓舞し、時に反発する者を説得しながら船を前進させる「実行」の部分。これだけは、私たち外部の人間には、絶対に代行できません。なぜなら、その船の船長は、あなただからです。ハーバード大学の著名な研究によれば、企業の変革プロジェクトの成功率はわずか3割。その失敗の最大の原因は、いつの時代も「経営層のリーダーシップ不足」なのです。
変化を拒む「最強の敵」の正体
私たちがどれだけ完璧な戦略を立てても、変革は必ず抵抗に遭います。新しいシステムを導入しようとすれば、「今のやり方の方が楽だ」と文句を言うベテラン社員が現れる。新しい評価制度を導入すれば、「不公平だ」と騒ぎ立てる声が上がる。
あなたの会社が変わることを阻む最強の敵は、外部の競合他社ではありません。「現状維持」というぬるま湯に浸かり、変化を恐れる、あなた自身の会社の中にいる人々です。そして、その抵抗勢力と正面から向き合い、嫌われ役になることを恐れず、変革を断行する覚悟が、船長であるあなたにあるのか。私たちが見ているのは、そこです。その覚悟がないのなら、どんな専門家を雇っても、お金の無駄です。
結論:問題を解決できるのは、世界でただ一人
ここまで読んで、お分かりいただけたでしょうか。あなたの会社の問題を解決できる唯一の人物。それは、高名なコンサルタントでも、敏腕な専門家でもありません。
経営者である、「あなた」です。
私たちは、あなたの隣で、地図を照らし、方角を示すことはできます。しかし、あなた自身の足で一歩を踏み出さない限り、景色は1ミリも変わりません。「相談すれば何とかなる」という依存心を、今すぐ捨ててください。専門家は、あなたの覚悟を試す鏡であり、あなたの決断を加速させるブースターでしかありません。
さあ、覚悟は決まりましたか?ならば、もう一度聞きましょう。あなたは何に困っていますか?
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